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第2章~2回目の小学生~
第13話Part.4~パートナー決定!~
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とにかくこうなってしまっては仕方がない。まずは頭の中で状況を整理してみることにした。
彼女たちはたまたま相手が決まっておらず、そして俺も決まっていないということでパートナー役を申し出てくれた。しかし4人が4人ともなので3人に断りを入れなければならない。
結局自分の尺度で考えるしかないが、善意からの申し出でも断られれば結構凹むと思う。俺は間違いなくそのタイプだ。別に断った相手に悪感情は持たないが、少し自己嫌悪に陥るというか。
しかしここで誰1人も選ばないという選択もまずあり得ない。そうされると自分なら(なんだそりゃ。)と思う。こっちは少しとは言え明確に悪感情が出る。
誰か1人を選んだところでギスギスすることは多分無いと思う。そうなるなら申し出た時点でギスギスな雰囲気が出そうなものだがそんな感じではない。
そうは言っても本当のところは分からないし、アリアとマリアは2人とも俺と同じシェーベリー戦闘大学校に進学が決まっているので、この2人は抜いて良いかもしれない。残りの2人は別の学校や道を進むからという理由というか言い訳のしようがある。
そうなるとアメリアかペティのどちらかということになるが、アメリアはヨーゼフが一緒にペイツに行きたがっているので俺はその要望を尊重したいが、馬鹿正直にそんなことを言えるわけがない。
何かペティを選んだ明確な理由を作っておきたい。ここはもう多少言い訳が弱い気がするが、戦闘大学校と学術学校もたまに合同で授業を行うことがあり、ペティは家業の為もうほとんど没交渉になるかもしれないという理由で押し通すことにした。
元々誰一人断る理由を持ち合わせていなかったところに無理矢理にでも理由をつけようとした結果だ。もうこれは仕方がない。あまり深く突っ込まれないことを祈りたい。
俺は腹を決めてペティを誘うことにした。周囲はこの場で誘うことを期待している様子だし、当事者である彼女たちも同じ様子だ。
そう言えばパーティのパートナーに誘う作法ってどうやるのかは俺は知らなかった。学校で学んだ作法もまだ接触の少ないダンスの作法が主だったので、異性を誘うということは無かった。
当然東亜として生きた30年でも異性をフォーマルなパーティーにパートナーとして誘うなんてことは無かった。せいぜい先輩に連れていかれた場末のナイトクラブで「俺東亜、名前は?」「一杯奢るよ。」とガチガチになりながら誘い、ロクに会話も広げられずに終わる滑稽でクソッたれなやり取りくらいだ。
俺はこうなればとそれらしくペティを誘ってみる。まだ12歳。少しくらい妙ちくりんでもまだ許されるだろうと考えての事だ。
俺はペティの左手を右手で下から優しく握り、彼女よりも頭一つ以上抜けた長身の身体を屈めて見上げるように彼女の瞳を見つめ
「ペティさん、私のパートナーになってくれますか?」
「は、はい!」
なんとかうまく行ったようだ。この様子を見ていた周囲の野次馬たちは歓声を上げた。指笛を鳴らす者も居た。そしてパートナーになった当の本人であるペティは顔を真っ赤にしながら俯いていた。まあこんなことになれば当然恥ずかしいと思う。
「ペティさん、ペイツの日はよろしくね……それで、そろそろ散れーっ。見世もんじゃねえんだぞお前ら!」
俺は握っていたペティの手を離して改めて彼女に行ってから、未だに周囲で半分茶化し気味で俺たちを取り囲んでいる野次馬たちにいい加減にしろと一喝した。まあ一喝したところでやんややんやは消えなかったが野次馬たちは散って行った。
俺も彼女らの元を離れることにしたが、そこでヨーゼフが目に入った。相変わらずアメリアの様子を伺っているが、未だに誘いに行けないようだ。まあ今行くのはタイミング的にはどうなのかとは思うが
「ヨーゼフ。待ってても来ないぞ。」
俺は実感を込めながら彼にそう言った。
彼女たちはたまたま相手が決まっておらず、そして俺も決まっていないということでパートナー役を申し出てくれた。しかし4人が4人ともなので3人に断りを入れなければならない。
結局自分の尺度で考えるしかないが、善意からの申し出でも断られれば結構凹むと思う。俺は間違いなくそのタイプだ。別に断った相手に悪感情は持たないが、少し自己嫌悪に陥るというか。
しかしここで誰1人も選ばないという選択もまずあり得ない。そうされると自分なら(なんだそりゃ。)と思う。こっちは少しとは言え明確に悪感情が出る。
誰か1人を選んだところでギスギスすることは多分無いと思う。そうなるなら申し出た時点でギスギスな雰囲気が出そうなものだがそんな感じではない。
そうは言っても本当のところは分からないし、アリアとマリアは2人とも俺と同じシェーベリー戦闘大学校に進学が決まっているので、この2人は抜いて良いかもしれない。残りの2人は別の学校や道を進むからという理由というか言い訳のしようがある。
そうなるとアメリアかペティのどちらかということになるが、アメリアはヨーゼフが一緒にペイツに行きたがっているので俺はその要望を尊重したいが、馬鹿正直にそんなことを言えるわけがない。
何かペティを選んだ明確な理由を作っておきたい。ここはもう多少言い訳が弱い気がするが、戦闘大学校と学術学校もたまに合同で授業を行うことがあり、ペティは家業の為もうほとんど没交渉になるかもしれないという理由で押し通すことにした。
元々誰一人断る理由を持ち合わせていなかったところに無理矢理にでも理由をつけようとした結果だ。もうこれは仕方がない。あまり深く突っ込まれないことを祈りたい。
俺は腹を決めてペティを誘うことにした。周囲はこの場で誘うことを期待している様子だし、当事者である彼女たちも同じ様子だ。
そう言えばパーティのパートナーに誘う作法ってどうやるのかは俺は知らなかった。学校で学んだ作法もまだ接触の少ないダンスの作法が主だったので、異性を誘うということは無かった。
当然東亜として生きた30年でも異性をフォーマルなパーティーにパートナーとして誘うなんてことは無かった。せいぜい先輩に連れていかれた場末のナイトクラブで「俺東亜、名前は?」「一杯奢るよ。」とガチガチになりながら誘い、ロクに会話も広げられずに終わる滑稽でクソッたれなやり取りくらいだ。
俺はこうなればとそれらしくペティを誘ってみる。まだ12歳。少しくらい妙ちくりんでもまだ許されるだろうと考えての事だ。
俺はペティの左手を右手で下から優しく握り、彼女よりも頭一つ以上抜けた長身の身体を屈めて見上げるように彼女の瞳を見つめ
「ペティさん、私のパートナーになってくれますか?」
「は、はい!」
なんとかうまく行ったようだ。この様子を見ていた周囲の野次馬たちは歓声を上げた。指笛を鳴らす者も居た。そしてパートナーになった当の本人であるペティは顔を真っ赤にしながら俯いていた。まあこんなことになれば当然恥ずかしいと思う。
「ペティさん、ペイツの日はよろしくね……それで、そろそろ散れーっ。見世もんじゃねえんだぞお前ら!」
俺は握っていたペティの手を離して改めて彼女に行ってから、未だに周囲で半分茶化し気味で俺たちを取り囲んでいる野次馬たちにいい加減にしろと一喝した。まあ一喝したところでやんややんやは消えなかったが野次馬たちは散って行った。
俺も彼女らの元を離れることにしたが、そこでヨーゼフが目に入った。相変わらずアメリアの様子を伺っているが、未だに誘いに行けないようだ。まあ今行くのはタイミング的にはどうなのかとは思うが
「ヨーゼフ。待ってても来ないぞ。」
俺は実感を込めながら彼にそう言った。
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