異世界チート(初等部編)~底辺で怠惰な俺が能力チート貰って転生してもやる気ないのは変わんない。でもみんな無駄に俺を頼ってくる件

三浦ウィリアム

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第2章~2回目の小学生~

第10話Part.8~高く高く燃え上がれ!~

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 剣の実技を終えた後、別の運動場へ移動した。今度は魔術力の試験。的に向かって魔術を撃って、それを魔術の先生達が評価する形であり、技術力や応用力というよりは現時点での魔術力を評価するもののようだ。

 ちなみにさっきの剣の実技も別に絶対に勝つという必要はなく、先生から見た評価で決まるようだ。

 今回の試験も行きたい者から行っても良いらしいので、俺はトップバッターで行くことにした。
 様子見をしてもよかったのだが、後にすると自分の試験ばかり気になって、他の受験生のレベルをじっくり見れない気がした。
 それにどうせ見たところで自分の実力は変わらないし、むしろ意外なレベルの高さを目の当たりにして逆に焦るかもしれない。
 自信はあるのだから余計なことは気にせず、自信のある内に自分の全力をぶつけるのみ。それで良いはずだ。

「【ラ・アローヴ・・カム!】」

 俺は掌で地面を一度叩き炎系の応用魔術を発動した。これは地中から火柱を上げる魔術だ。
 まあ俺の地面を叩くモーションは別に必要ないのだが、自分の魔術力を地中に放出して噴き上がらせるイメージでやった方が威力が上がる気がしたからだ。
 とはいえこういうことができるのもあくまで試験で実戦ではないと言うことも大きい。

 大きな破裂音と共に地面から火柱が上がる。高く高く真っ赤な火柱が空を貫かん勢いで立ち上った。
 俺が聞いた話によると数十クィロメラー先からでもこの火柱が見えたらしい。

 火柱が収まった後、さっきまであった的は跡形もなく消え去っている。ここまで派手な魔術を撃っておいて的が残っていては拍子抜け。まあ上出来と言ったところだ。

 俺は終わったので後ろに戻る。その時に他の受験生の様子を見てみると、さっきの魔術に唖然としている様子だった。
 それからしばらく他の受験生の魔術を見学したが、威力もそうだが、そもそも基本的な魔術ばかりで応用魔術を扱う者はほとんど居なかった。
 比べる対象がモリーンと父、後は幼い兄弟くらいしか居なかったため、同年代の中では間違いなくトップレベルとは予測していたが、どれくらい差があるものか分かりかねているところがあったが、どうやら思った以上に図抜けているようだ。

 少しだけ先生が集まっている場所に向かって聞き耳を立てていると、どうやら似たようなことをした生徒は20年以上前に存在はしていたようだ。
 自画自賛しておいて難だが、神様から力を貰っておいて、居ないことはないレベルというのはどうなのかとも少し思ったが、元が元なので仕方がない。

 俺は実技で結果としては最高のものを出した。筆記で多少点を落としていてもとりあえずは大丈夫だとは思う。
 そういう意味では先に筆記試験で良かったかもしれない。さすがに気を抜いても大丈夫とは思わないが、初日に実技で抜群の結果を残した後、筆記だって自信がないわけではないので、全く油断しないかと聞かれれば正直自信はないと言い切れる。
 これを他人が言っていたら、「いや、何の自信だよ!」とツッコミを入れるくらいきっぱりと言える。

 とりあえず俺の初めての受験戦争はこれにて閉幕。もしかすると最初で最後かもしれない。
 ここでシェーベリー戦闘大学校に受かれば、成績優秀者はそのまま内部進学が可能だからだ。もう入試など二度と御免被りたいので、できればそれが1番良い。

 人事を尽くした。後は天命を待つ。自信はあるが不安は尽きない。こればかりはいつどこの試験を受けようが変わらないようだ。
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