71 / 101
第2章~2回目の小学生~
第10話Part.8~高く高く燃え上がれ!~
しおりを挟む
剣の実技を終えた後、別の運動場へ移動した。今度は魔術力の試験。的に向かって魔術を撃って、それを魔術の先生達が評価する形であり、技術力や応用力というよりは現時点での魔術力を評価するもののようだ。
ちなみにさっきの剣の実技も別に絶対に勝つという必要はなく、先生から見た評価で決まるようだ。
今回の試験も行きたい者から行っても良いらしいので、俺はトップバッターで行くことにした。
様子見をしてもよかったのだが、後にすると自分の試験ばかり気になって、他の受験生のレベルをじっくり見れない気がした。
それにどうせ見たところで自分の実力は変わらないし、むしろ意外なレベルの高さを目の当たりにして逆に焦るかもしれない。
自信はあるのだから余計なことは気にせず、自信のある内に自分の全力をぶつけるのみ。それで良いはずだ。
「【ラ・アローヴ・・カム!】」
俺は掌で地面を一度叩き炎系の応用魔術を発動した。これは地中から火柱を上げる魔術だ。
まあ俺の地面を叩くモーションは別に必要ないのだが、自分の魔術力を地中に放出して噴き上がらせるイメージでやった方が威力が上がる気がしたからだ。
とはいえこういうことができるのもあくまで試験で実戦ではないと言うことも大きい。
大きな破裂音と共に地面から火柱が上がる。高く高く真っ赤な火柱が空を貫かん勢いで立ち上った。
俺が聞いた話によると数十クィロメラー先からでもこの火柱が見えたらしい。
火柱が収まった後、さっきまであった的は跡形もなく消え去っている。ここまで派手な魔術を撃っておいて的が残っていては拍子抜け。まあ上出来と言ったところだ。
俺は終わったので後ろに戻る。その時に他の受験生の様子を見てみると、さっきの魔術に唖然としている様子だった。
それからしばらく他の受験生の魔術を見学したが、威力もそうだが、そもそも基本的な魔術ばかりで応用魔術を扱う者はほとんど居なかった。
比べる対象がモリーンと父、後は幼い兄弟くらいしか居なかったため、同年代の中では間違いなくトップレベルとは予測していたが、どれくらい差があるものか分かりかねているところがあったが、どうやら思った以上に図抜けているようだ。
少しだけ先生が集まっている場所に向かって聞き耳を立てていると、どうやら似たようなことをした生徒は20年以上前に存在はしていたようだ。
自画自賛しておいて難だが、神様から力を貰っておいて、居ないことはないレベルというのはどうなのかとも少し思ったが、元が元なので仕方がない。
俺は実技で結果としては最高のものを出した。筆記で多少点を落としていてもとりあえずは大丈夫だとは思う。
そういう意味では先に筆記試験で良かったかもしれない。さすがに気を抜いても大丈夫とは思わないが、初日に実技で抜群の結果を残した後、筆記だって自信がないわけではないので、全く油断しないかと聞かれれば正直自信はないと言い切れる。
これを他人が言っていたら、「いや、何の自信だよ!」とツッコミを入れるくらいきっぱりと言える。
とりあえず俺の初めての受験戦争はこれにて閉幕。もしかすると最初で最後かもしれない。
ここでシェーベリー戦闘大学校に受かれば、成績優秀者はそのまま内部進学が可能だからだ。もう入試など二度と御免被りたいので、できればそれが1番良い。
人事を尽くした。後は天命を待つ。自信はあるが不安は尽きない。こればかりはいつどこの試験を受けようが変わらないようだ。
ちなみにさっきの剣の実技も別に絶対に勝つという必要はなく、先生から見た評価で決まるようだ。
今回の試験も行きたい者から行っても良いらしいので、俺はトップバッターで行くことにした。
様子見をしてもよかったのだが、後にすると自分の試験ばかり気になって、他の受験生のレベルをじっくり見れない気がした。
それにどうせ見たところで自分の実力は変わらないし、むしろ意外なレベルの高さを目の当たりにして逆に焦るかもしれない。
自信はあるのだから余計なことは気にせず、自信のある内に自分の全力をぶつけるのみ。それで良いはずだ。
「【ラ・アローヴ・・カム!】」
俺は掌で地面を一度叩き炎系の応用魔術を発動した。これは地中から火柱を上げる魔術だ。
まあ俺の地面を叩くモーションは別に必要ないのだが、自分の魔術力を地中に放出して噴き上がらせるイメージでやった方が威力が上がる気がしたからだ。
とはいえこういうことができるのもあくまで試験で実戦ではないと言うことも大きい。
大きな破裂音と共に地面から火柱が上がる。高く高く真っ赤な火柱が空を貫かん勢いで立ち上った。
俺が聞いた話によると数十クィロメラー先からでもこの火柱が見えたらしい。
火柱が収まった後、さっきまであった的は跡形もなく消え去っている。ここまで派手な魔術を撃っておいて的が残っていては拍子抜け。まあ上出来と言ったところだ。
俺は終わったので後ろに戻る。その時に他の受験生の様子を見てみると、さっきの魔術に唖然としている様子だった。
それからしばらく他の受験生の魔術を見学したが、威力もそうだが、そもそも基本的な魔術ばかりで応用魔術を扱う者はほとんど居なかった。
比べる対象がモリーンと父、後は幼い兄弟くらいしか居なかったため、同年代の中では間違いなくトップレベルとは予測していたが、どれくらい差があるものか分かりかねているところがあったが、どうやら思った以上に図抜けているようだ。
少しだけ先生が集まっている場所に向かって聞き耳を立てていると、どうやら似たようなことをした生徒は20年以上前に存在はしていたようだ。
自画自賛しておいて難だが、神様から力を貰っておいて、居ないことはないレベルというのはどうなのかとも少し思ったが、元が元なので仕方がない。
俺は実技で結果としては最高のものを出した。筆記で多少点を落としていてもとりあえずは大丈夫だとは思う。
そういう意味では先に筆記試験で良かったかもしれない。さすがに気を抜いても大丈夫とは思わないが、初日に実技で抜群の結果を残した後、筆記だって自信がないわけではないので、全く油断しないかと聞かれれば正直自信はないと言い切れる。
これを他人が言っていたら、「いや、何の自信だよ!」とツッコミを入れるくらいきっぱりと言える。
とりあえず俺の初めての受験戦争はこれにて閉幕。もしかすると最初で最後かもしれない。
ここでシェーベリー戦闘大学校に受かれば、成績優秀者はそのまま内部進学が可能だからだ。もう入試など二度と御免被りたいので、できればそれが1番良い。
人事を尽くした。後は天命を待つ。自信はあるが不安は尽きない。こればかりはいつどこの試験を受けようが変わらないようだ。
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双
さこゼロ
ファンタジー
突然、異世界に転生召喚された4人の少年少女たち。儀式を行った者たちに言われるがまま、手に持っていたスマホのアプリを起動させる。
ある者は聖騎士の剣と盾、
ある者は聖女のローブ、
それぞれのスマホからアイテムが出現する。
そんな中、ひとりの少年のスマホには、画面にカメラアプリが起動しただけ。
ハズレ者として追放されたこの少年は、これからどうなるのでしょうか…
if分岐の続編として、
「帰還した勇者を護るため、今度は私が転移します!」を公開しています(^^)

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる