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第2章~2回目の小学生~
第9話Part.4~親愛なる母・モニカ・ロートリース~
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『1ワー=1時間』
1ワーほど勉強を行い、ディナーを食べた後にまた2ワー弱ほどの勉強が続く。ディナーを終えた辺りになってくると正直言って眠気が襲ってくる。
だが先生たちもその辺りは分かってくれているようであまり口うるさくは言ってこずやんわりと注意する程度に収めてくれていた。
まあ今のところは学校でもトップクラスの成績を残せているし、シェーベリー戦闘大学校に行くには十分なレベルで来ているのでそれもあるのだろうとは思う。
今日もやっと1日が終わった。あとは眠って明日を迎える。俺は大あくびをしながら自分の部屋に向かう為廊下を歩む。その時たまたま母と鉢合わせた。
母はもう寝るようで寝間着に着替えていた。俺は母に頭を下げて挨拶する。
「ファンデン。今日もよくがんばりましたね。」
母は会釈した俺に近づき頭を撫でて1日を労ってくれた。俺は頭を上げて「母上、よしてください。私はもう12です。」と言う。既に母の身長を超えた俺が体勢を戻せば母は目一杯腕を伸ばさなければ俺の頭には届かない。最初はそれでも撫でようとしたが少しすると諦めたようだ。
「まだ12ですよ?」
少し残念そうな顔を見せながら答える母。まあたしかにそうなのだが本当は母よりも12歳年上だ。ちょうど母の年齢は俺が東亜としての人生の幕を閉じ、この世界に転生した年齢と同じ30歳となっている。
母はこれまでに長子の俺を産み、次子のノースデン、三子のマリー。そしてその後に3人の子を成している。自分の血を分けた子供どころかパートナーすら無く、その後もできそうな気配すらなかった俺とは大違いだ。
そんなちょっと複雑な関係の母と子だが、俺は彼女を母として慕っている。東亜としての実母は俺が幼い頃に病で亡くしていてあまり思い出が無かった。
寂しいという気持ちはあまり無かった。亡くなった当時もそれからも。実母は俺が寝るまでは元気だった。でも俺が寝ている内に亡くなり唐突に居なくなった。今でもその時の自分の気持ちは分からないが、色々唐突で処理しきれなかったのだと思う。
だがこっちでファンデンとしての母と接し、幼い頃は寂しかったんだなと気づいた。しかし今はこうして母が存在してくれている。未だに父に関しては違和感が拭えないが。
今こうしてなんとか頑張っていられるのも母が労ってくれるからだと思う。よしてくださいとは言っているが、当然少し恥ずかしい気持ちはあるがそれでも母に頭を撫でられるのは好きだ。でなければ毎度深く会釈して母に頭を撫でやすいようになどしない。
「ファンデン。ゆっくり休んでね。おやすみなさい。」
「はい、母上。おやすみなさいませ。」
今日はじっくりぐっすりと休めそうだ。俺はそう思いながら寝室に行くと寝るための準備をしていてくれていたメイに機嫌が良いことを見抜かれた。あまり見抜かれないようにと表情に出さないようにしているつもりなのだが、俺はどうも下手糞らしい。まあ理由は隠し通せたとは思うが。
1ワーほど勉強を行い、ディナーを食べた後にまた2ワー弱ほどの勉強が続く。ディナーを終えた辺りになってくると正直言って眠気が襲ってくる。
だが先生たちもその辺りは分かってくれているようであまり口うるさくは言ってこずやんわりと注意する程度に収めてくれていた。
まあ今のところは学校でもトップクラスの成績を残せているし、シェーベリー戦闘大学校に行くには十分なレベルで来ているのでそれもあるのだろうとは思う。
今日もやっと1日が終わった。あとは眠って明日を迎える。俺は大あくびをしながら自分の部屋に向かう為廊下を歩む。その時たまたま母と鉢合わせた。
母はもう寝るようで寝間着に着替えていた。俺は母に頭を下げて挨拶する。
「ファンデン。今日もよくがんばりましたね。」
母は会釈した俺に近づき頭を撫でて1日を労ってくれた。俺は頭を上げて「母上、よしてください。私はもう12です。」と言う。既に母の身長を超えた俺が体勢を戻せば母は目一杯腕を伸ばさなければ俺の頭には届かない。最初はそれでも撫でようとしたが少しすると諦めたようだ。
「まだ12ですよ?」
少し残念そうな顔を見せながら答える母。まあたしかにそうなのだが本当は母よりも12歳年上だ。ちょうど母の年齢は俺が東亜としての人生の幕を閉じ、この世界に転生した年齢と同じ30歳となっている。
母はこれまでに長子の俺を産み、次子のノースデン、三子のマリー。そしてその後に3人の子を成している。自分の血を分けた子供どころかパートナーすら無く、その後もできそうな気配すらなかった俺とは大違いだ。
そんなちょっと複雑な関係の母と子だが、俺は彼女を母として慕っている。東亜としての実母は俺が幼い頃に病で亡くしていてあまり思い出が無かった。
寂しいという気持ちはあまり無かった。亡くなった当時もそれからも。実母は俺が寝るまでは元気だった。でも俺が寝ている内に亡くなり唐突に居なくなった。今でもその時の自分の気持ちは分からないが、色々唐突で処理しきれなかったのだと思う。
だがこっちでファンデンとしての母と接し、幼い頃は寂しかったんだなと気づいた。しかし今はこうして母が存在してくれている。未だに父に関しては違和感が拭えないが。
今こうしてなんとか頑張っていられるのも母が労ってくれるからだと思う。よしてくださいとは言っているが、当然少し恥ずかしい気持ちはあるがそれでも母に頭を撫でられるのは好きだ。でなければ毎度深く会釈して母に頭を撫でやすいようになどしない。
「ファンデン。ゆっくり休んでね。おやすみなさい。」
「はい、母上。おやすみなさいませ。」
今日はじっくりぐっすりと休めそうだ。俺はそう思いながら寝室に行くと寝るための準備をしていてくれていたメイに機嫌が良いことを見抜かれた。あまり見抜かれないようにと表情に出さないようにしているつもりなのだが、俺はどうも下手糞らしい。まあ理由は隠し通せたとは思うが。
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