44 / 101
第2章~2回目の小学生~
第7話Part.11~守護の大剣~
しおりを挟む
バルトルメスは動く気満々だが、側近たちは危険だと言って彼を止める。
バルトルメスは聞かず、近衛兵が持ってきた剣をひったくって背中に背負い自信の愛馬に跨った。
これは言っても聞いてくれそうにないと悟った側近たちは渋々近衛兵たちを付かせてバルトルメスを見送るしかなかった。
最前線ではホルトが大剣を振るっていた。援軍はラグヮジャ、ログ・ラグヮジャといった四足歩行の魔物を前に出してオークも攻めてきていた。
ログ・ラグヮジャはラグヮジャの頭部にツノが生えた魔物だ。素早い動きからの体当たりが得意なラグヮジャの能力そのままに殺傷力が高い魔物だ。そのツノは兵卒の簡素な防具程度ならあっさりと貫く。
兵卒たちは素早い攻撃をしかけるラグヮジャに固まって対する。数自体はグレイティス王国軍の方が多い為、多勢で以って相手に相対するが、素早い動きに翻弄されて攻撃を受けてしまい少しずつ数的有利が崩されていく。
一方ホルトは大剣という隙の大きい武器ながらこの素早い動きを見せるラグヮジャを的確に叩き斬っていく。
彼の大剣は刃渡り160センメラー、幅が30センメラーある両刃の剣。その重さは40クィログラフ以上に達する巨大なものだった。
ラグヮジャは群れで行動はするが、攻撃の連携はほとんど無く、ホルトは必ず対処できる位置と体勢の時にしか攻撃は仕掛けない。
圧巻だったのは横一列に並んだラグヮジャ10体を横薙ぎ一閃、一瞬で真っ二つにしてしまった。それを見て明らかな力の差を本能で悟ったラグヮジャの大部分は逃げ出していった。
しかしホルトも生身の人間である。どうしても疲労が溜る。更に彼に匹敵するどころかその半分の技量を持つ騎士、兵士すら居ない状況。
抜きん出た力を見せるホルトに指揮官のオークロードが彼への攻撃陣を厚くする。多少他の小隊への攻撃を薄くしてでも彼を殺すことを優先させた。
彼はかかってくる魔物やオークの死骸を数百単位で積み重ねていったが、その最中で身体中にキズを負い、疲労も人一倍。最早大剣を自在に扱う余力も無くなった彼は他の兵が落とした片手剣を持って対処を続けたが彼の力とオークの硬い体毛に覆われた身体に耐え切れずすぐに剣が折れた。
「アーシュレ様……約束、守れそうにありません。ごめん、なさい。」
「よく耐えたホルト、だが死ぬにはまだ早すぎるぞ。」
ホルトは死を覚悟した。そしてログ・ラグヮジャの鋭いツノが彼を襲う。5体のツノが四方から飛びかかる。だが無抵抗にやられる気はない。彼は素手であろうと身構えて対処しようとした。
その時、一陣の風とともに破剣公バルトルメスが自慢の長剣でログ・ラグヮジャを薙ぎ払っていた。
バルトルメスは聞かず、近衛兵が持ってきた剣をひったくって背中に背負い自信の愛馬に跨った。
これは言っても聞いてくれそうにないと悟った側近たちは渋々近衛兵たちを付かせてバルトルメスを見送るしかなかった。
最前線ではホルトが大剣を振るっていた。援軍はラグヮジャ、ログ・ラグヮジャといった四足歩行の魔物を前に出してオークも攻めてきていた。
ログ・ラグヮジャはラグヮジャの頭部にツノが生えた魔物だ。素早い動きからの体当たりが得意なラグヮジャの能力そのままに殺傷力が高い魔物だ。そのツノは兵卒の簡素な防具程度ならあっさりと貫く。
兵卒たちは素早い攻撃をしかけるラグヮジャに固まって対する。数自体はグレイティス王国軍の方が多い為、多勢で以って相手に相対するが、素早い動きに翻弄されて攻撃を受けてしまい少しずつ数的有利が崩されていく。
一方ホルトは大剣という隙の大きい武器ながらこの素早い動きを見せるラグヮジャを的確に叩き斬っていく。
彼の大剣は刃渡り160センメラー、幅が30センメラーある両刃の剣。その重さは40クィログラフ以上に達する巨大なものだった。
ラグヮジャは群れで行動はするが、攻撃の連携はほとんど無く、ホルトは必ず対処できる位置と体勢の時にしか攻撃は仕掛けない。
圧巻だったのは横一列に並んだラグヮジャ10体を横薙ぎ一閃、一瞬で真っ二つにしてしまった。それを見て明らかな力の差を本能で悟ったラグヮジャの大部分は逃げ出していった。
しかしホルトも生身の人間である。どうしても疲労が溜る。更に彼に匹敵するどころかその半分の技量を持つ騎士、兵士すら居ない状況。
抜きん出た力を見せるホルトに指揮官のオークロードが彼への攻撃陣を厚くする。多少他の小隊への攻撃を薄くしてでも彼を殺すことを優先させた。
彼はかかってくる魔物やオークの死骸を数百単位で積み重ねていったが、その最中で身体中にキズを負い、疲労も人一倍。最早大剣を自在に扱う余力も無くなった彼は他の兵が落とした片手剣を持って対処を続けたが彼の力とオークの硬い体毛に覆われた身体に耐え切れずすぐに剣が折れた。
「アーシュレ様……約束、守れそうにありません。ごめん、なさい。」
「よく耐えたホルト、だが死ぬにはまだ早すぎるぞ。」
ホルトは死を覚悟した。そしてログ・ラグヮジャの鋭いツノが彼を襲う。5体のツノが四方から飛びかかる。だが無抵抗にやられる気はない。彼は素手であろうと身構えて対処しようとした。
その時、一陣の風とともに破剣公バルトルメスが自慢の長剣でログ・ラグヮジャを薙ぎ払っていた。
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。
真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆
【あらすじ】
どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。
神様は言った。
「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」
現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。
神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。
それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。
あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。
そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。
そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。
ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。
この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。
さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。
そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。
チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。
しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。
もちろん、攻略スキルを使って。
もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。
下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。
これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる