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第2章~2回目の小学生~
第7話Part.11~守護の大剣~
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バルトルメスは動く気満々だが、側近たちは危険だと言って彼を止める。
バルトルメスは聞かず、近衛兵が持ってきた剣をひったくって背中に背負い自信の愛馬に跨った。
これは言っても聞いてくれそうにないと悟った側近たちは渋々近衛兵たちを付かせてバルトルメスを見送るしかなかった。
最前線ではホルトが大剣を振るっていた。援軍はラグヮジャ、ログ・ラグヮジャといった四足歩行の魔物を前に出してオークも攻めてきていた。
ログ・ラグヮジャはラグヮジャの頭部にツノが生えた魔物だ。素早い動きからの体当たりが得意なラグヮジャの能力そのままに殺傷力が高い魔物だ。そのツノは兵卒の簡素な防具程度ならあっさりと貫く。
兵卒たちは素早い攻撃をしかけるラグヮジャに固まって対する。数自体はグレイティス王国軍の方が多い為、多勢で以って相手に相対するが、素早い動きに翻弄されて攻撃を受けてしまい少しずつ数的有利が崩されていく。
一方ホルトは大剣という隙の大きい武器ながらこの素早い動きを見せるラグヮジャを的確に叩き斬っていく。
彼の大剣は刃渡り160センメラー、幅が30センメラーある両刃の剣。その重さは40クィログラフ以上に達する巨大なものだった。
ラグヮジャは群れで行動はするが、攻撃の連携はほとんど無く、ホルトは必ず対処できる位置と体勢の時にしか攻撃は仕掛けない。
圧巻だったのは横一列に並んだラグヮジャ10体を横薙ぎ一閃、一瞬で真っ二つにしてしまった。それを見て明らかな力の差を本能で悟ったラグヮジャの大部分は逃げ出していった。
しかしホルトも生身の人間である。どうしても疲労が溜る。更に彼に匹敵するどころかその半分の技量を持つ騎士、兵士すら居ない状況。
抜きん出た力を見せるホルトに指揮官のオークロードが彼への攻撃陣を厚くする。多少他の小隊への攻撃を薄くしてでも彼を殺すことを優先させた。
彼はかかってくる魔物やオークの死骸を数百単位で積み重ねていったが、その最中で身体中にキズを負い、疲労も人一倍。最早大剣を自在に扱う余力も無くなった彼は他の兵が落とした片手剣を持って対処を続けたが彼の力とオークの硬い体毛に覆われた身体に耐え切れずすぐに剣が折れた。
「アーシュレ様……約束、守れそうにありません。ごめん、なさい。」
「よく耐えたホルト、だが死ぬにはまだ早すぎるぞ。」
ホルトは死を覚悟した。そしてログ・ラグヮジャの鋭いツノが彼を襲う。5体のツノが四方から飛びかかる。だが無抵抗にやられる気はない。彼は素手であろうと身構えて対処しようとした。
その時、一陣の風とともに破剣公バルトルメスが自慢の長剣でログ・ラグヮジャを薙ぎ払っていた。
バルトルメスは聞かず、近衛兵が持ってきた剣をひったくって背中に背負い自信の愛馬に跨った。
これは言っても聞いてくれそうにないと悟った側近たちは渋々近衛兵たちを付かせてバルトルメスを見送るしかなかった。
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ログ・ラグヮジャはラグヮジャの頭部にツノが生えた魔物だ。素早い動きからの体当たりが得意なラグヮジャの能力そのままに殺傷力が高い魔物だ。そのツノは兵卒の簡素な防具程度ならあっさりと貫く。
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一方ホルトは大剣という隙の大きい武器ながらこの素早い動きを見せるラグヮジャを的確に叩き斬っていく。
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しかしホルトも生身の人間である。どうしても疲労が溜る。更に彼に匹敵するどころかその半分の技量を持つ騎士、兵士すら居ない状況。
抜きん出た力を見せるホルトに指揮官のオークロードが彼への攻撃陣を厚くする。多少他の小隊への攻撃を薄くしてでも彼を殺すことを優先させた。
彼はかかってくる魔物やオークの死骸を数百単位で積み重ねていったが、その最中で身体中にキズを負い、疲労も人一倍。最早大剣を自在に扱う余力も無くなった彼は他の兵が落とした片手剣を持って対処を続けたが彼の力とオークの硬い体毛に覆われた身体に耐え切れずすぐに剣が折れた。
「アーシュレ様……約束、守れそうにありません。ごめん、なさい。」
「よく耐えたホルト、だが死ぬにはまだ早すぎるぞ。」
ホルトは死を覚悟した。そしてログ・ラグヮジャの鋭いツノが彼を襲う。5体のツノが四方から飛びかかる。だが無抵抗にやられる気はない。彼は素手であろうと身構えて対処しようとした。
その時、一陣の風とともに破剣公バルトルメスが自慢の長剣でログ・ラグヮジャを薙ぎ払っていた。
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