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第2章~2回目の小学生~
第7話Part.6~アーシュレとホルト、王都に赴く~
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アーシュレが雨を降らせる魔術を発見してから3ヶ月ほど後、彼女は王都グレイティアに居た。
彼女が雨を降らせる魔術を発見したという話はすぐに王国中を駆け巡り、遂には王の耳にも入った。その為王直々からの召喚となった。
そしてアーシュレに伴われる従者の一人にホルト・ローズの姿があった。
ホルトは物心つく前に実の両親と別れてしまっており、ファーストネームは彼の着ていた服にあったのでホルトとであると分かっているのだが、ファミリーネームが分からなかった。
今までは特に必要としていなかったのでホルトとだけ名乗っていたが、これからは何かと不便になるかということで新たに付けられた名だった。
【ローズ】とは彼が昔アーシュレに読んでもらった物語の登場人物で非常に強く優しい騎士で、とある貴婦人を生涯に渡って慕い続けた男だった。
彼の名前は【ローズ・シュミード】でファミリーネームはシュミードだったのだが、彼はローズという名前が気に入ったらしく、ローズという名を拝借したようだ。
アーシュレは城に呼ばれて王と拝謁するため従者を2人伴って城へ行ったが、ホルトは待機である。彼はまだ仕えてから3ヶ月程度。当然といえば当然である。彼は他に居残りになった従者たちと一緒に王からアーシュレに用意された屋敷で彼女の帰りを待つ。
一方その頃アーシュレは王と拝謁していた。当時の王はプロヴァン・グレイティス一世。リール山の戦い時の王カール・グレイティス一世の父だ。
「面を上げるが良い。」
「ありがとうございます。」
護衛の従者は謁見の間の外で待たされているため、この部屋にはプロヴァン一世と大臣、そして衛兵が10人ほど。そしてアーシュレである。
プロヴァン一世も武辺の人として知られており、武人らしく回りくどい言い回しは無く率直にアーシュレが雨を降らせる魔術を発見したのは本当かと尋ねた。
彼女はその通りであることを答え、見つけた時の状況や呪文を唱えた後、雨が降るまでの状態といったことを交えながら説明した。
プロヴァン一世は彼女の話を聞いて嘘を言っているようには思えないと感じたが、実際に見たわけではないので、王都の魔術研究者たちも雨を降らせる魔術を研究しているのでぜひ彼らに見せて欲しいと要請する。
アーシュレは王の要請である為断ることなく了承した。
その後は王からアーシュレの父であるアースは息災であるかなどといった雑談がしばらく続いたが、公務の時間が迫ったプロヴァン一世に大臣が「そろそろお時間ですぞ。」と言ったところで話が終わった。
「う、うむ。それではアーシュレ、頼んだぞ。」
「はっ。」
プロヴァン一世はもう少し話したかったようで少し不満そうに口を尖らせながら大臣を見たが、いつものことなのか大臣は全く意に介さない様子だった。王はアーシュレにその様子を見られている事を思い出し、一度咳ばらいをしてから話を締めて彼女を下がらせた。
その数日後の夜、彼女は再び雨を降らせる。雲一つ見えぬ夜に呪文を唱えれば雨が降った。プロヴァン一世は多忙であったので閲覧の間にも居た大臣が代理としてそれを見守る。
そして王都魔術研究所の所員、特に雨を降らせる魔術を研究していた者たち20人が見守る。
彼らは自分が10年以上、長ければ20年以上かけて研究していた魔術をまだ20歳の者が発見したなどと信じられず、「まあ精々笑い飛ばしてやりましょう。」といった彼女を侮った声がアーシュレにも聞こえる。
この場にホルトが居たら恐らく研究者に食って掛かっているだろう。アーシュレもそれを見越して彼を連れてきていなかった。
しかしそんな声もアーシュレが雨を降らせれば悔しさ混じりながらも彼女を称賛する声が飛んだ。
大臣は王にアーシュレの魔術が真のものであると報告し、王はそれを受けてアーシュレ・ホイケを王都魔術研究所に迎えたいと要請されて父のアースに尋ねてみると、彼もここで研究をしていたことがあったようでアーシュレが父に尋ねてみると、彼女自身の意志に任せると返ってきた。
アーシュレは王の要請を受諾し、王都魔術研究所の一員となった。
彼女が雨を降らせる魔術を発見したという話はすぐに王国中を駆け巡り、遂には王の耳にも入った。その為王直々からの召喚となった。
そしてアーシュレに伴われる従者の一人にホルト・ローズの姿があった。
ホルトは物心つく前に実の両親と別れてしまっており、ファーストネームは彼の着ていた服にあったのでホルトとであると分かっているのだが、ファミリーネームが分からなかった。
今までは特に必要としていなかったのでホルトとだけ名乗っていたが、これからは何かと不便になるかということで新たに付けられた名だった。
【ローズ】とは彼が昔アーシュレに読んでもらった物語の登場人物で非常に強く優しい騎士で、とある貴婦人を生涯に渡って慕い続けた男だった。
彼の名前は【ローズ・シュミード】でファミリーネームはシュミードだったのだが、彼はローズという名前が気に入ったらしく、ローズという名を拝借したようだ。
アーシュレは城に呼ばれて王と拝謁するため従者を2人伴って城へ行ったが、ホルトは待機である。彼はまだ仕えてから3ヶ月程度。当然といえば当然である。彼は他に居残りになった従者たちと一緒に王からアーシュレに用意された屋敷で彼女の帰りを待つ。
一方その頃アーシュレは王と拝謁していた。当時の王はプロヴァン・グレイティス一世。リール山の戦い時の王カール・グレイティス一世の父だ。
「面を上げるが良い。」
「ありがとうございます。」
護衛の従者は謁見の間の外で待たされているため、この部屋にはプロヴァン一世と大臣、そして衛兵が10人ほど。そしてアーシュレである。
プロヴァン一世も武辺の人として知られており、武人らしく回りくどい言い回しは無く率直にアーシュレが雨を降らせる魔術を発見したのは本当かと尋ねた。
彼女はその通りであることを答え、見つけた時の状況や呪文を唱えた後、雨が降るまでの状態といったことを交えながら説明した。
プロヴァン一世は彼女の話を聞いて嘘を言っているようには思えないと感じたが、実際に見たわけではないので、王都の魔術研究者たちも雨を降らせる魔術を研究しているのでぜひ彼らに見せて欲しいと要請する。
アーシュレは王の要請である為断ることなく了承した。
その後は王からアーシュレの父であるアースは息災であるかなどといった雑談がしばらく続いたが、公務の時間が迫ったプロヴァン一世に大臣が「そろそろお時間ですぞ。」と言ったところで話が終わった。
「う、うむ。それではアーシュレ、頼んだぞ。」
「はっ。」
プロヴァン一世はもう少し話したかったようで少し不満そうに口を尖らせながら大臣を見たが、いつものことなのか大臣は全く意に介さない様子だった。王はアーシュレにその様子を見られている事を思い出し、一度咳ばらいをしてから話を締めて彼女を下がらせた。
その数日後の夜、彼女は再び雨を降らせる。雲一つ見えぬ夜に呪文を唱えれば雨が降った。プロヴァン一世は多忙であったので閲覧の間にも居た大臣が代理としてそれを見守る。
そして王都魔術研究所の所員、特に雨を降らせる魔術を研究していた者たち20人が見守る。
彼らは自分が10年以上、長ければ20年以上かけて研究していた魔術をまだ20歳の者が発見したなどと信じられず、「まあ精々笑い飛ばしてやりましょう。」といった彼女を侮った声がアーシュレにも聞こえる。
この場にホルトが居たら恐らく研究者に食って掛かっているだろう。アーシュレもそれを見越して彼を連れてきていなかった。
しかしそんな声もアーシュレが雨を降らせれば悔しさ混じりながらも彼女を称賛する声が飛んだ。
大臣は王にアーシュレの魔術が真のものであると報告し、王はそれを受けてアーシュレ・ホイケを王都魔術研究所に迎えたいと要請されて父のアースに尋ねてみると、彼もここで研究をしていたことがあったようでアーシュレが父に尋ねてみると、彼女自身の意志に任せると返ってきた。
アーシュレは王の要請を受諾し、王都魔術研究所の一員となった。
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