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第2章~2回目の小学生~
第7話~アーシュレ20歳の頭痛の種~
しおりを挟む俺とアメリアは国立図書館に行った。ここはアメリアが調べているアーシュレ・ホイケが設立したものだそうだ。ここならばたしかに彼女の資料もたくさんあるだろう。
アメリアの家、ブランシエール家は学者の家系らしく、この図書館にもよく来ているらしい。彼女自身将来は学者になりたいと言っているので、その関係で改めて調べなおしたいのかもしれない。
「た、たくさんあるね……。あれ?隣は……?」
「うん、ホルト・ローズの資料だね。アーシュレはホルトと昔からの知り合いだったみたい。」
驚いたことにアーシュレと並んで俺が調べているホルト・ローズの資料も数多く残されていた。アメリア曰く、アーシュレとホルトは昔からの知り合いで彼女の人生にも大きく関わったということで彼の資料もたくさん残されているらしい。
ホイケ家はファーマーと呼ばれた地の領主だった。この地域は農業が盛んな場所だったようだ。当時20歳のアーシュレ・ホイケ。まさか自分が20年後に戦争に参加するなどと考えていなかった彼女は今大きな問題にぶつかっていた。
それは日照りである。雨が全然降らず大地が渇き果て始めたのだ。今はまだ川や井戸は枯れきっていないため日々の飲料水は確保できているが、このまま雨が降らなければ農作物も領地の人々も飢えて枯れ果ててしまう。
飲料水に関しては他の地域へ買い求めに行かせてなんとかできるが、農作物の為の水はそうもいかない。なんとか雨が降ってくれないと農作物が枯れ果てる。
だが天候に関しては祈るしかない。しかしそれでも何とかできないかと彼女は父母の蔵書を読み漁った。
その際に彼女は魔術の書の電撃系魔術の欄に【電撃系魔術は雷雲を呼んで雷を落とす魔術】と記述されているのを見て、(雷雲を呼べるのなら雨を降らせる魔術があるのでは?)と考えた。
彼女と同じように考えた人は結構居たようで、雨を降らせる魔術の研究は行われていたが、まだ誰も発見できていないものだった。
彼女はまず、電撃系魔術に似たような文字列で魔術を唱えてみた。発音違いで似たような現象だが少し違う効果というのはよくあったからだ。しかしそれで簡単に雨が降るのなら彼女は最初から日照りなどに悩んではいない。
電撃系魔術を唱え、それを維持し続けていればいずれは雨が落ちるであろうが、その前に雷が地上に落ちてしまい確実に領地に被害が出てしまう。何もないところならいいが、家屋などに落ちれば家だけではなく暮らす人にも危険が及ぶ。
このまま日照りが続けば背に腹は代えられないので領民たちも納得させられるであろうが、彼女もなるべくその事態は避けたかった。
アメリアの家、ブランシエール家は学者の家系らしく、この図書館にもよく来ているらしい。彼女自身将来は学者になりたいと言っているので、その関係で改めて調べなおしたいのかもしれない。
「た、たくさんあるね……。あれ?隣は……?」
「うん、ホルト・ローズの資料だね。アーシュレはホルトと昔からの知り合いだったみたい。」
驚いたことにアーシュレと並んで俺が調べているホルト・ローズの資料も数多く残されていた。アメリア曰く、アーシュレとホルトは昔からの知り合いで彼女の人生にも大きく関わったということで彼の資料もたくさん残されているらしい。
ホイケ家はファーマーと呼ばれた地の領主だった。この地域は農業が盛んな場所だったようだ。当時20歳のアーシュレ・ホイケ。まさか自分が20年後に戦争に参加するなどと考えていなかった彼女は今大きな問題にぶつかっていた。
それは日照りである。雨が全然降らず大地が渇き果て始めたのだ。今はまだ川や井戸は枯れきっていないため日々の飲料水は確保できているが、このまま雨が降らなければ農作物も領地の人々も飢えて枯れ果ててしまう。
飲料水に関しては他の地域へ買い求めに行かせてなんとかできるが、農作物の為の水はそうもいかない。なんとか雨が降ってくれないと農作物が枯れ果てる。
だが天候に関しては祈るしかない。しかしそれでも何とかできないかと彼女は父母の蔵書を読み漁った。
その際に彼女は魔術の書の電撃系魔術の欄に【電撃系魔術は雷雲を呼んで雷を落とす魔術】と記述されているのを見て、(雷雲を呼べるのなら雨を降らせる魔術があるのでは?)と考えた。
彼女と同じように考えた人は結構居たようで、雨を降らせる魔術の研究は行われていたが、まだ誰も発見できていないものだった。
彼女はまず、電撃系魔術に似たような文字列で魔術を唱えてみた。発音違いで似たような現象だが少し違う効果というのはよくあったからだ。しかしそれで簡単に雨が降るのなら彼女は最初から日照りなどに悩んではいない。
電撃系魔術を唱え、それを維持し続けていればいずれは雨が落ちるであろうが、その前に雷が地上に落ちてしまい確実に領地に被害が出てしまう。何もないところならいいが、家屋などに落ちれば家だけではなく暮らす人にも危険が及ぶ。
このまま日照りが続けば背に腹は代えられないので領民たちも納得させられるであろうが、彼女もなるべくその事態は避けたかった。
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