11 / 101
第2章~2回目の小学生~
第2話2幕~パーティーはパーッと楽しもう!~
しおりを挟む
リール・ア・リーフ初等学校では2年生になると1ヵ月に一度か2ヶ月に一度くらいの頻度でパーティーが開催される。
春夏秋冬を愛でる会であったり、学校の優秀者を祝うものであったり、名目は色々だがパーティー慣れさせるためというのも大きいようだ。
俺も一応貴族の生まれなので学校に通う前から礼儀作法を学び、両親に連れられてパーティーに参加もしていた。
「うまい!うまい!」
「食べ過ぎじゃねえか?」
「ファンデンくん、これも美味しいよ。」
ダニーはパーティーに出された料理をたくさん食べていた。俺は食べ過ぎじゃないかと聞いたものの、まったく話を聞いていないようだ。
ダニーはその食欲に見合うちょっとぽっちゃりした子どもで、彼の父もよく食べる人らしく俺の父も彼の父のことを知っていた。
【猛牛コラレス】とその豪勇と大食漢ぶりは他国にも名が知れているらしい。少なくとも食欲は父譲りなのだろう。
また別の日、ダンスパーティーが行われた。1年生の時からダンスの授業があり、社交ダンスの基礎を学んだ後、また授業を兼ねてのパーティーだった。
俺が東亜だった頃はリズム感というものが皆無で、高校のエアロビクスの授業で滑稽な踊りを披露してしまいクラスメイトの爆笑を呼んで以来、エアロビクスの授業は全部休んでいたくらいだ。
だがファンデンとなってからはリズム感が掴めるようになり、華麗に踊れるようになった。
フロアに輪を作って、全員が同じダンスをするというもので、男女が手を握ったりなどの接触は特にないものだった。
一応そういったダンスもあるらしいが、母曰く「子どもにはまだ早いの。」とのことで、学校では前者のダンスばかりが行われていた。
ルークも男女が接触するダンスの存在を知っているようで、更にそのダンスをしたかったようで残念そうな表情を見せていた。
「ファンデン。アメリアちゃん、ダンスうまいなあ。」
「ん?そうだねぇ。」
女子たちが固まってダンスしているのを見ていたセリオスが俺に話を振ってきた。俺もセリオスが見ている方向に目を向けるとたしかにアメリアが一番目立っていた。
見た感じ、覚えが早いというのもあるのかもしれないが、明らかに慣れているような感じがした。もしかすると彼女の家はよくダンスパーティーに参加する家なのかもしれない。
俺たちが彼女らの方向を見ていると、アメリアもこちらの視線に気づいたのか、俺たちに手を振ってきた。
手を振り返すのだが俺たちの中で、俺とセリオスの後ろに居たヨーゼフが一番騒がしく、腕を振り回してるんじゃないかと言うくらい強く振っていた。
後ろを振り返らずとも分かるくらいに風切り音と衣擦れの音が聞こえる。恐らくヨーゼフはアメリアに好意を持っているようだ。
俺はそんなヨーゼフが昔の自分と被って思えて、(うんうん。頑張れよ、少年!)などと勝手に見守ってる訳の分からないおっさんみたいなことを思っていた。いや、実際に中身おっさんだが。
パーティーは堅苦しい部分もあるが楽しい。早くお酒を飲んでも良い歳になりたいものだと思いながら、パーティーの時間を過ごした。
春夏秋冬を愛でる会であったり、学校の優秀者を祝うものであったり、名目は色々だがパーティー慣れさせるためというのも大きいようだ。
俺も一応貴族の生まれなので学校に通う前から礼儀作法を学び、両親に連れられてパーティーに参加もしていた。
「うまい!うまい!」
「食べ過ぎじゃねえか?」
「ファンデンくん、これも美味しいよ。」
ダニーはパーティーに出された料理をたくさん食べていた。俺は食べ過ぎじゃないかと聞いたものの、まったく話を聞いていないようだ。
ダニーはその食欲に見合うちょっとぽっちゃりした子どもで、彼の父もよく食べる人らしく俺の父も彼の父のことを知っていた。
【猛牛コラレス】とその豪勇と大食漢ぶりは他国にも名が知れているらしい。少なくとも食欲は父譲りなのだろう。
また別の日、ダンスパーティーが行われた。1年生の時からダンスの授業があり、社交ダンスの基礎を学んだ後、また授業を兼ねてのパーティーだった。
俺が東亜だった頃はリズム感というものが皆無で、高校のエアロビクスの授業で滑稽な踊りを披露してしまいクラスメイトの爆笑を呼んで以来、エアロビクスの授業は全部休んでいたくらいだ。
だがファンデンとなってからはリズム感が掴めるようになり、華麗に踊れるようになった。
フロアに輪を作って、全員が同じダンスをするというもので、男女が手を握ったりなどの接触は特にないものだった。
一応そういったダンスもあるらしいが、母曰く「子どもにはまだ早いの。」とのことで、学校では前者のダンスばかりが行われていた。
ルークも男女が接触するダンスの存在を知っているようで、更にそのダンスをしたかったようで残念そうな表情を見せていた。
「ファンデン。アメリアちゃん、ダンスうまいなあ。」
「ん?そうだねぇ。」
女子たちが固まってダンスしているのを見ていたセリオスが俺に話を振ってきた。俺もセリオスが見ている方向に目を向けるとたしかにアメリアが一番目立っていた。
見た感じ、覚えが早いというのもあるのかもしれないが、明らかに慣れているような感じがした。もしかすると彼女の家はよくダンスパーティーに参加する家なのかもしれない。
俺たちが彼女らの方向を見ていると、アメリアもこちらの視線に気づいたのか、俺たちに手を振ってきた。
手を振り返すのだが俺たちの中で、俺とセリオスの後ろに居たヨーゼフが一番騒がしく、腕を振り回してるんじゃないかと言うくらい強く振っていた。
後ろを振り返らずとも分かるくらいに風切り音と衣擦れの音が聞こえる。恐らくヨーゼフはアメリアに好意を持っているようだ。
俺はそんなヨーゼフが昔の自分と被って思えて、(うんうん。頑張れよ、少年!)などと勝手に見守ってる訳の分からないおっさんみたいなことを思っていた。いや、実際に中身おっさんだが。
パーティーは堅苦しい部分もあるが楽しい。早くお酒を飲んでも良い歳になりたいものだと思いながら、パーティーの時間を過ごした。
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双
さこゼロ
ファンタジー
突然、異世界に転生召喚された4人の少年少女たち。儀式を行った者たちに言われるがまま、手に持っていたスマホのアプリを起動させる。
ある者は聖騎士の剣と盾、
ある者は聖女のローブ、
それぞれのスマホからアイテムが出現する。
そんな中、ひとりの少年のスマホには、画面にカメラアプリが起動しただけ。
ハズレ者として追放されたこの少年は、これからどうなるのでしょうか…
if分岐の続編として、
「帰還した勇者を護るため、今度は私が転移します!」を公開しています(^^)

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる