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序章~どうして俺を殺すんだ!~
第1話~オラは死んじまっただー雑に殺されただー~(編集済)
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俺は地井東亜、202×年に生きるしがない30歳だった。だが今日、俺は死んだ。今、目の前に居る神様とか名乗る変な白髭でハゲた爺が俺にそう告げてきた。
いや、それも中々信じがたいことなのだが、今いるこの場所には全く覚えがない。暗くてここに何があるのかさっぱりと分からないが、神と名乗る爺の姿ははっきりと見える。そんな奇妙な場所だった。
それに今立っていると思っているこの場所、大地を踏みしめている感触も無い。ただ落ちているのか上がっているのか、それも分からない。
とにかくこんな奇妙な感覚は初めてで、俺は爺の言うことを信じる他は無いのだろうと思う。
「……で、神様。」
「なんじゃ?」
「その神様が俺に何の用です?」
だがまだ半信半疑な俺はとりあえず一応は話が通じそうな神に疑問に思ったことを聞いてみた。彼が本当に神なのだとして、人一人死んだからと言って死んだ者一人一人に会うほど神様というのは暇とも思えず、つい言葉が口を突いて出てしまった。
「それが、のう。」
「はい?」
「お主の死は手違いじゃったんじゃ。」
「……は?」
俺は神の言葉の意味をすぐに理解できず、呆けた声を発する事しかできなかった。
そして少しずつ神の言った言葉を頭の中に飲み込むことができていった時、同時に憤りの感情も溢れ出し、目の前に居るのが神を名乗っている事も頭から飛んでしまい思わず吠えた。
「ふざけんな!ふざけんなコラァッ!元に戻せ!モドセェェェェッ!!」
俺は怒りのあまり自分を生き返らせろと力の限り吠えた。喉が潰れてしまっても、その勢いで臓器を全て吐きだそうとも構わないという勢いで怒りの言葉をブチまけた。論理的な言葉どころか言葉にすらなっていないのがほとんどだが、俺はまだ生きていたかった。
ロクなもんじゃない人生ではあったが、まだ希望はあると思っていたのに手違いで自分は強制的に命を奪われた。そんなことには耐えられなかった。
「何か言えよオイ!戻せ!何が手違いだ!そんな理由で何で俺が死ななきゃなんねえんだ!答えろ答えろやクソジジイがアアアアアアアアアッ!」
俺は罵詈雑言を飛ばしながら爺に詰め寄ろうとして足を前に進めたが、行けども行けども爺の元にたどり着くことができない。一体どれくらい歩いただろうか?たどり着くどころか神に全く近づけているような気がしない。
歩いている内に少しずつ頭が冷えてきて、自分が全く無意味な行動を取っていることに気がつき始めて、足を止めてその場に座り込んだ。
「クソッ。」
大きな力の前に俺はそう力無く悪態をつくことしかできなかった。
いや、それも中々信じがたいことなのだが、今いるこの場所には全く覚えがない。暗くてここに何があるのかさっぱりと分からないが、神と名乗る爺の姿ははっきりと見える。そんな奇妙な場所だった。
それに今立っていると思っているこの場所、大地を踏みしめている感触も無い。ただ落ちているのか上がっているのか、それも分からない。
とにかくこんな奇妙な感覚は初めてで、俺は爺の言うことを信じる他は無いのだろうと思う。
「……で、神様。」
「なんじゃ?」
「その神様が俺に何の用です?」
だがまだ半信半疑な俺はとりあえず一応は話が通じそうな神に疑問に思ったことを聞いてみた。彼が本当に神なのだとして、人一人死んだからと言って死んだ者一人一人に会うほど神様というのは暇とも思えず、つい言葉が口を突いて出てしまった。
「それが、のう。」
「はい?」
「お主の死は手違いじゃったんじゃ。」
「……は?」
俺は神の言葉の意味をすぐに理解できず、呆けた声を発する事しかできなかった。
そして少しずつ神の言った言葉を頭の中に飲み込むことができていった時、同時に憤りの感情も溢れ出し、目の前に居るのが神を名乗っている事も頭から飛んでしまい思わず吠えた。
「ふざけんな!ふざけんなコラァッ!元に戻せ!モドセェェェェッ!!」
俺は怒りのあまり自分を生き返らせろと力の限り吠えた。喉が潰れてしまっても、その勢いで臓器を全て吐きだそうとも構わないという勢いで怒りの言葉をブチまけた。論理的な言葉どころか言葉にすらなっていないのがほとんどだが、俺はまだ生きていたかった。
ロクなもんじゃない人生ではあったが、まだ希望はあると思っていたのに手違いで自分は強制的に命を奪われた。そんなことには耐えられなかった。
「何か言えよオイ!戻せ!何が手違いだ!そんな理由で何で俺が死ななきゃなんねえんだ!答えろ答えろやクソジジイがアアアアアアアアアッ!」
俺は罵詈雑言を飛ばしながら爺に詰め寄ろうとして足を前に進めたが、行けども行けども爺の元にたどり着くことができない。一体どれくらい歩いただろうか?たどり着くどころか神に全く近づけているような気がしない。
歩いている内に少しずつ頭が冷えてきて、自分が全く無意味な行動を取っていることに気がつき始めて、足を止めてその場に座り込んだ。
「クソッ。」
大きな力の前に俺はそう力無く悪態をつくことしかできなかった。
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