異世界チート(中等部編)~底辺な俺がチート貰って最強イケメンに転生したらハーレム形成!でもやる気無い俺に厄介事を押しつけるのはやめろ!~

三浦ウィリアム

文字の大きさ
上 下
2 / 7
序章~学校へ行く準備をしよう!~

第1話~お買い物に行こう!~

しおりを挟む
【カニー:グレイティス王国の通貨】


 4月1日、昨日までは一応リール・ア・リーフ初等学校の生徒という扱いだったが、今日からは遂にシェーベリー戦闘大学校の生徒として扱われる日。入学式は7日なのでまだ少し期間が空いている。その内にシェーベリー戦闘大学校の制服や必要な本、武器といった品々を買いに行く必要があった。
 せっかくなのでシェーベリー戦闘大学校の生徒として扱われる日になる今日に買い物に出かけようと考えていた。外は雲一つない快晴だ。これだけ日が出ていれば外も暖かく気持ちの良い日だと思う。

 まず買い物へ行くにあたって便利屋を訪ねた。買い物はかなりの量になるのだが従者は居ない。自分だけでは到底運べるものではないので1人、荷物運びを雇うことにした。
 便利屋は自由業みたいなものだ。そういった人の大体は冒険者を目指すが、戦闘に不向きであったり苦手な人が便利屋に集まり、人材を求める人に雇われて仕事に従事するという形だ。

 便利屋の建物内は酒場のようになっている。便利屋の仕事も主に荷物運び等の力仕事が多いからか強面、筋肉モリモリマッチョマンがたくさん居る。どうも夜通し働いた人が今飲んでいるようでうまそうに杯に入った酒をガブガブ飲んでいる。
 そういった状況なので俺も朝早めに来ているが非常に活気があって、便利屋に雇われている若い女性が忙しそうに数人、盆を持って仕事を終えた男たちに酒や摘みを持って行く。
 俺はその光景を見て少し涎が出そうになった。そんなに酒の味はそこまで好きではないが酔うのは好きだった。こちらに来てからは当然飲酒はしていないが。ああ早く16歳になりたい。

「ファンデン・ロートリースです。今日はよろしくお願いします。」
「俺はラビーです。よろしくお願いします。」

 今回雇ったのはラビーという30代半ばくらいの男。この便利屋でも一二を争う力自慢らしい。身長は俺より低く大体165センメラー程度だが腕周りが大木のように太い。日に焼けた肌もその腕っぷしを誇示しているかのようだ。そして特徴的なのは随分派手な赤紫で珍妙な柄のバンダナを巻いているところだ。

 ラビーに荷車を引いてもらい、俺たちはシェーベリーの商業区へ行く。その名の通り様々な商店が並んでいる場所だ。俺が必要としているものも大体ここで揃えられる。

 店が開くくらいの時間と結構早めに来たのだが、既に商業区は賑わいを見せていてたくさんの人が居る。学生らしき姿も多く、俺と同じ新入生、学年が上がるのでそこで必要になる物を買いに来た人もかなり居るのだろうと思う。

 道の両端に様々な道が立ち並んでいる。今抜けているのは雑貨品や小物類の店が固まっている区画。今回はここには用はない。この先にある服飾店で注文していた制服を取りに行きたいのだ。
 人が居ればそれだけ雑踏の音が大きくなる。そして呼び込みの声もそれに負けぬ大きなものとなる。俺はそれに目もくれず歩いていたが、とある店の店先で目が止まった。
 小物類の店だが別に店には用はない。問題は店先の人だった。あの子に見覚えがある。シェーベリーに向かう道中、徒歩で居るところを俺の家の馬車で一緒に行った少女、エレナ・ノーンだ。

 どうやらエレナは店員のセールストークに捕まってしまい断りきれないようだ。俺も気持ちは分かる。それで何度か高いものを買ってしまったことがある。まあそれに関しては概ね満足できる品だったが。彼女に関してはどうか分からない。少なくともシェーベリーまで徒歩で行くしかなかった彼女に小物を買っている余裕は無いだろう。

「エレナさん、探したよぉ。」
「ふぇっ。ロ、ロートリースさん?」
「もう制服店開いたから行こう。」
「は、はい……。」

 俺は彼女と待ち合わせをしていたように装って彼女の手を引いて半ば強引に彼女を軒先から連れ出す。もちろん待ち合わせなどしていないのでエレナは驚きっぱなしだったが。

「あ、ありがとうございます……。た、助かりました……。」
「いいよ。でも店員もあれが仕事だし断られて元々だから気にせず『いりません』でいいんだよ?」
「そ、それは、分かってるんですけど……断りづらくて――。」
「――分かります。俺もそれで随分高いものを……。」

 俺とエレナは制服を注文した服飾店へ向かう道中、さっきのセールストークについて話す。やはりエレナも分かってはいるが断りづらいらしいというところでラビーが食い気味に話に入ってきた。彼もそのクチらしい。

「このバンダナ、1万カニーもしました。もったいねぇんでこうやって着けてますが……。」
「それ……買わされたんですね……。」
「まあでも随分目立つんで結構仕事が入るようになりましたわ!」

 俺も気になっていた彼の珍妙なバンダナ。セールストークに乗せられて買わされたらしい。しかしたしかに目立つので彼の働きぶりも相まってあのバンダナの兄ちゃんで通り、仕事が多く入ることにはなったらしい。ケガの功名というやつだろうか。

 俺たちは服飾店に到着。制服は俺もエレナも同じ店で受け取りであることが分かり、一緒に入ることにした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ
ファンタジー
 地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。  そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。  できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!! 第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

処理中です...