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第2話~復讐の萌芽~
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俺は略取のスキルを使って奴等に復讐できないかと考え始めていた。俺はしばらく研究所で暮らしたが他の能力者と会う機会はほとんど無かった。それ故にどのようなスキルがあるのかは掴み切れていないが、有用なスキルがあるに違いない。それを複数得ることができれば戦いうる力を得られるのではないかと思った。
だがスキルは複数所持できるのかがまだ分からなかった。もしかしたら略取ともう1つしか持てず、スキルを略取する度に前に略取したスキルが上書きされてしまうのではないかと危惧した。
まだ不死を持っているのかは一度傷つけてみれば分かるが小さな傷では効果が出ないし、大きく傷つけてもし不死のスキルが消えていたらこの場所で大怪我をするなど自殺行為に等しい故試すこともできない。
誰かを始末するしか確かめる方法はないが、無能者たちを始末するのは嫌だ。できれば彼らは救いたい。これは勝手に亡き友に誓った。必ず無能者とされた者たちは救うと。
そうなれば能力者を始末するしかない。幸い今は奇襲に最適な引き寄せのスキルがある。だがもし上書きされるとすれば引き寄せのスキルを消してまで得たスキルがあまり使えないものだとなった時はいたたまれない事になる。
その時俺はさっき始末した能力者のことを思い出した。よく考えたら何故奴は俺が不死のスキル持ちではないと考えたのかだった。
不死のスキルを持った者は心臓を潰されない限り死ねないため森には不死者が多い。それ故に不死者からの不意打ちを警戒しそうなものだが奴は俺に背を向けてアルキュラを探っていたし、奴の最期の言葉も俺が不死のスキルを持っていると考えもしなかったというものだった。
俺は能力者の身体を探った。そして奴の身体から何か一本筒のような物が出てきた。この筒は伸ばすことができ、両端にガラスがはめ込まれている。俺は伸ばした筒を覗き込んでみるとどうやら遠くを見る事ができるものらしい。
俺はこの筒が興味深く、しばらく景色を筒で見ていたがその視界に能力者の姿が入った。そしてその能力者のすぐ上に『スキル:テレポーテーション』と表示された。どうやらこの筒で能力者の姿を見ると相手が持つスキルが分かるようだ。
テレポーテーション、たしか瞬間的に離れた場所に移動することができる力のことだったはず。瞬間離脱や奇襲を仕掛けるにも最適。どこまで飛べるのかは分からないがそれを行えるのなら間違いなくぶっ壊れスキルの1つだと考えられる。
これなら引き寄せのスキルを無くしても奇襲には問題なく、更には逃げを打つにも最適。俺は相手に気づかれないように近づくことにした。
「オイ、ちゃんと抑えながら見張っとけよ!」
「分かってるよ。おめえも早く済ませろ!」
俺は忍び寄ってみると奴等は2人組だ。奴等は2人して何かを押さえ込んでいる。手を押さえている方がテレポーテーションのスキル、もう1人のスキルは筋力強化でどうやら基礎能力が非常に高いタイプの能力者らしい。
何を押さえているのかははっきりと分からない。単眼鏡で覗いては見るのだが奴等の身体で隠れて、どうも人間のような手足が見えるくらいだ。身体がほとんど見えないからなのか能力者ではないのかスキルの表示は見えない。
俺はテレポーテーションのスキルを持つ男の背後に回る。奴等が居るのは森の窪地。俺は高所から見下ろす。奴等は押さえ込んでいる人間に夢中でこちらを見ていない。俺は引き寄せのスキルを発動してテレポーテーションのスキルを持つ男を引き寄せた。
何も分からないまま引き寄せられた男を背後から心臓を一突き。この時は一拍タイミングをズラした。「ギャアアッ。」声を上げさせる為だ。これでいきなり消えたコンビの声が上から聞こえて視線がこちら側に向くに違いない。まあ俺は茂みの裏に居るので姿は見えないが。
声を上げればもう用はない。俺はこの男の心臓を潰し命を奪う。これでテレポーテーションのスキルを得たはずだ。俺は念じる。筋力強化のスキルを持つ男の背後10メラーほどの場所を思い浮かべる。
俺は瞬間的に飛んだ。そして気づけば思い通りイメージした場所へ着く。筋力強化の男は俺がさっきまで居た場所の方へ顔を向け「何があった!おい!」と吠えている。
ここで一度引き寄せのスキルが使えるかを試す。もしダメならまたテレポーテーションで逃げればいい。男を引き寄せた。どうやら複数所持は可能らしい。次は声を上げさせる必要は無い。今度は一撃で心臓を貫きに行った。
「何?!」
だがそう甘くは無かった。奴は俺に貫かれる瞬間に身体に力を入れた。俺の手刀は突き刺さったが心臓までは届いていない。それどころか奴の強靭な筋肉で手が引き抜けない。だが奴も背後から突き刺されているのでこちらに攻撃ができないようだ。
こうなれば俺と奴の根競べだがスキル使用による不意討ちが身上となっている俺のフィジカルでは奴に勝てる気がしない。
奴は必死に抵抗して身体を大きく振る。俺はそれに振り回されて疲弊していく。だが奴はまるで疲れを見せない。このままではジリ貧だ。
そう思った時前から裸の少女が歩いてきた。敵か味方か分からない。そう思っている時彼女は男の胸板に手刀を突き立てていた。
だがスキルは複数所持できるのかがまだ分からなかった。もしかしたら略取ともう1つしか持てず、スキルを略取する度に前に略取したスキルが上書きされてしまうのではないかと危惧した。
まだ不死を持っているのかは一度傷つけてみれば分かるが小さな傷では効果が出ないし、大きく傷つけてもし不死のスキルが消えていたらこの場所で大怪我をするなど自殺行為に等しい故試すこともできない。
誰かを始末するしか確かめる方法はないが、無能者たちを始末するのは嫌だ。できれば彼らは救いたい。これは勝手に亡き友に誓った。必ず無能者とされた者たちは救うと。
そうなれば能力者を始末するしかない。幸い今は奇襲に最適な引き寄せのスキルがある。だがもし上書きされるとすれば引き寄せのスキルを消してまで得たスキルがあまり使えないものだとなった時はいたたまれない事になる。
その時俺はさっき始末した能力者のことを思い出した。よく考えたら何故奴は俺が不死のスキル持ちではないと考えたのかだった。
不死のスキルを持った者は心臓を潰されない限り死ねないため森には不死者が多い。それ故に不死者からの不意打ちを警戒しそうなものだが奴は俺に背を向けてアルキュラを探っていたし、奴の最期の言葉も俺が不死のスキルを持っていると考えもしなかったというものだった。
俺は能力者の身体を探った。そして奴の身体から何か一本筒のような物が出てきた。この筒は伸ばすことができ、両端にガラスがはめ込まれている。俺は伸ばした筒を覗き込んでみるとどうやら遠くを見る事ができるものらしい。
俺はこの筒が興味深く、しばらく景色を筒で見ていたがその視界に能力者の姿が入った。そしてその能力者のすぐ上に『スキル:テレポーテーション』と表示された。どうやらこの筒で能力者の姿を見ると相手が持つスキルが分かるようだ。
テレポーテーション、たしか瞬間的に離れた場所に移動することができる力のことだったはず。瞬間離脱や奇襲を仕掛けるにも最適。どこまで飛べるのかは分からないがそれを行えるのなら間違いなくぶっ壊れスキルの1つだと考えられる。
これなら引き寄せのスキルを無くしても奇襲には問題なく、更には逃げを打つにも最適。俺は相手に気づかれないように近づくことにした。
「オイ、ちゃんと抑えながら見張っとけよ!」
「分かってるよ。おめえも早く済ませろ!」
俺は忍び寄ってみると奴等は2人組だ。奴等は2人して何かを押さえ込んでいる。手を押さえている方がテレポーテーションのスキル、もう1人のスキルは筋力強化でどうやら基礎能力が非常に高いタイプの能力者らしい。
何を押さえているのかははっきりと分からない。単眼鏡で覗いては見るのだが奴等の身体で隠れて、どうも人間のような手足が見えるくらいだ。身体がほとんど見えないからなのか能力者ではないのかスキルの表示は見えない。
俺はテレポーテーションのスキルを持つ男の背後に回る。奴等が居るのは森の窪地。俺は高所から見下ろす。奴等は押さえ込んでいる人間に夢中でこちらを見ていない。俺は引き寄せのスキルを発動してテレポーテーションのスキルを持つ男を引き寄せた。
何も分からないまま引き寄せられた男を背後から心臓を一突き。この時は一拍タイミングをズラした。「ギャアアッ。」声を上げさせる為だ。これでいきなり消えたコンビの声が上から聞こえて視線がこちら側に向くに違いない。まあ俺は茂みの裏に居るので姿は見えないが。
声を上げればもう用はない。俺はこの男の心臓を潰し命を奪う。これでテレポーテーションのスキルを得たはずだ。俺は念じる。筋力強化のスキルを持つ男の背後10メラーほどの場所を思い浮かべる。
俺は瞬間的に飛んだ。そして気づけば思い通りイメージした場所へ着く。筋力強化の男は俺がさっきまで居た場所の方へ顔を向け「何があった!おい!」と吠えている。
ここで一度引き寄せのスキルが使えるかを試す。もしダメならまたテレポーテーションで逃げればいい。男を引き寄せた。どうやら複数所持は可能らしい。次は声を上げさせる必要は無い。今度は一撃で心臓を貫きに行った。
「何?!」
だがそう甘くは無かった。奴は俺に貫かれる瞬間に身体に力を入れた。俺の手刀は突き刺さったが心臓までは届いていない。それどころか奴の強靭な筋肉で手が引き抜けない。だが奴も背後から突き刺されているのでこちらに攻撃ができないようだ。
こうなれば俺と奴の根競べだがスキル使用による不意討ちが身上となっている俺のフィジカルでは奴に勝てる気がしない。
奴は必死に抵抗して身体を大きく振る。俺はそれに振り回されて疲弊していく。だが奴はまるで疲れを見せない。このままではジリ貧だ。
そう思った時前から裸の少女が歩いてきた。敵か味方か分からない。そう思っている時彼女は男の胸板に手刀を突き立てていた。
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