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第1章~無能な勇者~
第6話~宿に泊まりましょう~
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俺とミリアは宿を探して歩く。俺は昨日宿を探して泊めてもらえるように頼んでは追い返されていたので、大体の宿の値段は覚えている。それで目星をつけていた宿にミリアを連れて行く。
この宿は1泊3500カニーと平均より安めだが外観は小綺麗で、内部もしっかりと清掃されている印象があった。
「またアンタか……金がねえなら泊められねえって何度言や分かんだ」
「いや、今日はちゃんと金はある。3500カニーだろ?」
「ならアンタは客だ。いらっしゃい」
昨日も受付をしていた男が今日も受け付けていた。昨日のやり取りはしっかりと覚えられていたようで、心底面倒そうな顔で俺をあしらおうとする。顔だけを左に向けてこちらを見るような態度を取る。だが今日はちゃんと収入を得て持ってきた。1万カニー金貨を1枚出して見せると、「それなら客」と言って、彼は身体をこちらに向けて受け付けてくれる。
「後ろの嬢ちゃんもかい?」
「は、はい!」
「1部屋かい?」
「い、いや……2部屋で」
「あぁ~悪いな。今2人部屋しか空いてねえ」
こちらに向き直った宿の男は俺の右隣に居るミリアに気がついた。男は宿帳をペラペラとめくり、宿泊者表を確認しながら俺たち2人で1部屋で良いかと尋ねてきたが、そういった関係ではないので1人部屋は無いのかと尋ねる。だが男は宿帳をペラペラとめくり、もう1人部屋は空いておらず、2人部屋しかないと答えた。
「ウチは良心価格でやってるから部屋の空きが少ねえんだ。今日は2人部屋しか出せないねぇ」
「参ったな……」
「私は大丈夫ですよ?」
「ファッ!?若い男女が同じ部屋で寝るというのはさすがにまずいと思うんだが……」
「私、ブレイドさんのことを信じてますから大丈夫です」
「そ、そういう問題なのか……?」
自分で言うのはどうなのかとは思うが、たしかに見た感じは非常に綺麗にされている。宿泊部屋はまだ見ていないがおそらくしっかりと清掃しているだろう。だからここを選んだわけだが、しかし同部屋は色々とまずいと思う。
それにミリアも出会ったばかりの男と同部屋は嫌だろうと思い、別の宿を探そうかなどと考え始めたのだが、ミリアは特に気にしないらしい。これには俺の方が驚いて、反射的にミリアの方に顔を向ける。
さっきのギルド内の酒場で行ったやり取りのように、それがどういうことかの自覚が無く言っているのかもしれないと思い、彼女にそれとなく尋ねてみる。だが彼女の口ぶりからすると知っていてそう答えたと取れる様子だった。
信頼されているのはいいのだが、なんとも釈然とはしない。
「んで、泊まるのか、泊まらねえのか?」
「はい!2人部屋でお願いします!」
「ヴェェッ!?」
「他の宿が空いてるか分かりませんし、せっかくいいお部屋が空いてるんですから。」
「さすが嬢ちゃん、分かってるねぇ!2人部屋は2人で5500カニーだ。」
「い、いやちょっと待ってくれ。ほ、本当に大丈夫なのか?」
「はい!」
「そうか……じゃあ頼むよ。2人部屋。」
受付の男は中々決めない俺に欠伸をしながら「早く決めてくんな!」という態度で泊まるかどうかを尋ねる。すると俺が答える前にミリアの方が思い切りよく泊まると答えた。俺は驚いて自分でも俺ってこんな声が出たのか?と思うような声が出た。
ミリアの言は一理ある。もう日が落ちてしまっているのでここからどんどんと宿の部屋が減っていく。だが俺はもう一度彼女に大丈夫なのかと尋ねた。彼女の答えは変わらず、俺は宿の男に2人部屋を頼んだ。
この宿は1泊3500カニーと平均より安めだが外観は小綺麗で、内部もしっかりと清掃されている印象があった。
「またアンタか……金がねえなら泊められねえって何度言や分かんだ」
「いや、今日はちゃんと金はある。3500カニーだろ?」
「ならアンタは客だ。いらっしゃい」
昨日も受付をしていた男が今日も受け付けていた。昨日のやり取りはしっかりと覚えられていたようで、心底面倒そうな顔で俺をあしらおうとする。顔だけを左に向けてこちらを見るような態度を取る。だが今日はちゃんと収入を得て持ってきた。1万カニー金貨を1枚出して見せると、「それなら客」と言って、彼は身体をこちらに向けて受け付けてくれる。
「後ろの嬢ちゃんもかい?」
「は、はい!」
「1部屋かい?」
「い、いや……2部屋で」
「あぁ~悪いな。今2人部屋しか空いてねえ」
こちらに向き直った宿の男は俺の右隣に居るミリアに気がついた。男は宿帳をペラペラとめくり、宿泊者表を確認しながら俺たち2人で1部屋で良いかと尋ねてきたが、そういった関係ではないので1人部屋は無いのかと尋ねる。だが男は宿帳をペラペラとめくり、もう1人部屋は空いておらず、2人部屋しかないと答えた。
「ウチは良心価格でやってるから部屋の空きが少ねえんだ。今日は2人部屋しか出せないねぇ」
「参ったな……」
「私は大丈夫ですよ?」
「ファッ!?若い男女が同じ部屋で寝るというのはさすがにまずいと思うんだが……」
「私、ブレイドさんのことを信じてますから大丈夫です」
「そ、そういう問題なのか……?」
自分で言うのはどうなのかとは思うが、たしかに見た感じは非常に綺麗にされている。宿泊部屋はまだ見ていないがおそらくしっかりと清掃しているだろう。だからここを選んだわけだが、しかし同部屋は色々とまずいと思う。
それにミリアも出会ったばかりの男と同部屋は嫌だろうと思い、別の宿を探そうかなどと考え始めたのだが、ミリアは特に気にしないらしい。これには俺の方が驚いて、反射的にミリアの方に顔を向ける。
さっきのギルド内の酒場で行ったやり取りのように、それがどういうことかの自覚が無く言っているのかもしれないと思い、彼女にそれとなく尋ねてみる。だが彼女の口ぶりからすると知っていてそう答えたと取れる様子だった。
信頼されているのはいいのだが、なんとも釈然とはしない。
「んで、泊まるのか、泊まらねえのか?」
「はい!2人部屋でお願いします!」
「ヴェェッ!?」
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「さすが嬢ちゃん、分かってるねぇ!2人部屋は2人で5500カニーだ。」
「い、いやちょっと待ってくれ。ほ、本当に大丈夫なのか?」
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「そうか……じゃあ頼むよ。2人部屋。」
受付の男は中々決めない俺に欠伸をしながら「早く決めてくんな!」という態度で泊まるかどうかを尋ねる。すると俺が答える前にミリアの方が思い切りよく泊まると答えた。俺は驚いて自分でも俺ってこんな声が出たのか?と思うような声が出た。
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※小説家になろうにも掲載しています。
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