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序章~軍神関羽の息子~
第1話Part.2~とりあえず消えてくれれば解決じゃね?~
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「嫁を殺す……だとぉ?」
粗暴だと言われてる張飛も別に鬼畜じゃあねえ、関羽の言葉に息を飲んだ。だが関羽は本気の目をしてやがる。ま、兄貴の劉備からして、泊めてくれた民が嫁を解体して劉備に食わしたって話が美談になるんだからその頃はそんなもんだったのかもしれねえな。せめて大事な盆栽を薪にして暖を取らせた程度にしておけば……ってそいつは関係ねえやな。
まあ関羽も嫁を殺すとは言っても理由が情が残るからと言うだけあって、さすがに自分の嫁は殺せねえってんで、互いに互いの嫁を殺させることにしたんだ。まあこれも中々の鬼畜だとは思うんだが、まあ自分の愛した嫁を殺すよりはマシかもしれねえな。
そうと決まっちゃあ話は早い。明日には劉備と共に黄巾討伐に出向くんだ。今日殺るしかねえ。張飛も相当悩んだが、使命には代えられねえと関羽の家に行くことになったわけだ。
「あら、張さん。いらっしゃい。ごめんなさいね、うちの人留守で。」
「あ、あぁ……。じゃあちょっと待たせてもらおうかな。」
今の今まで殺す気満々だった張飛だが、関羽の嫁の胡金定を見るとイマイチ踏ん切りがつかねえ。戦場でなら後に万人の敵を相手にできると言われた男だがさすがに義兄の嫁にはちょっと遠慮がある見てえだな。
まあともかくいつまでもふんぎりがつかねえから時間が経っちまって、結局胡金定が飯を出してくれるってえことになったんだ。もちろん張飛もそんなつもりはなかったんだが断り切れねえし胡金定の料理を待ったんだ。
ん~しかし胡金定の様子を見てみるとどうもおかしい。動きづらそうだ。それによく見ると腹が膨らんでるじゃねえか。張飛は恐る恐る聞いてみた。
「もしかして兄貴のお子がいるのか?」
ってな。すると胡金定はコロコロと笑いながら「あの人、張さんに行ってなかったのかい。全くしょうがない人ねえ。」と答えた。これを聞いた張飛は完全に挫けちまった。身重の女を殺すにゃあ忍びない。それに元から張飛はあんまり気が進んでなかったんだ。
「胡さん、今すぐこの村を離れてくれ。俺と雲長の兄貴は黄巾賊を倒す旅に出る。兄貴が言うにはこの世に情を残さない為には嫁を殺さなきゃならねえってんだ。でも俺には兄貴のお子を殺せる気がしねえ。でも殺さなきゃならねえ。ならせめてこの場から消えてくれればとりあえずはなんとかできると思う。」
張飛はもう素直に話すしかなかった。それでせめて胡金定が関羽の前から姿を消せば胡金定が死んだと思い、関羽もこの世に未練は残さねえだろうと思ったんだな。
嫁も子も捨ててまで指名に殉じようとは俺はとてもそこまではできない。ん?そういや俺は捨てる嫁も子も居なかったわハッハッてそんなことはどうでもいいんだ。
ともかく張飛は胡金定とお腹の子を見逃した。胡金定は涙を流しながらこの地を離れたってわけだな。
【そりゃあ旦那が自分を殺そうとしたんじゃ泣きたくもなるわな。】
『いんや?泣いたのはそうじゃねえんだなあ。関羽の使命の足手まといになってしまったことに涙してんだ。』
【えぇ……。】
粗暴だと言われてる張飛も別に鬼畜じゃあねえ、関羽の言葉に息を飲んだ。だが関羽は本気の目をしてやがる。ま、兄貴の劉備からして、泊めてくれた民が嫁を解体して劉備に食わしたって話が美談になるんだからその頃はそんなもんだったのかもしれねえな。せめて大事な盆栽を薪にして暖を取らせた程度にしておけば……ってそいつは関係ねえやな。
まあ関羽も嫁を殺すとは言っても理由が情が残るからと言うだけあって、さすがに自分の嫁は殺せねえってんで、互いに互いの嫁を殺させることにしたんだ。まあこれも中々の鬼畜だとは思うんだが、まあ自分の愛した嫁を殺すよりはマシかもしれねえな。
そうと決まっちゃあ話は早い。明日には劉備と共に黄巾討伐に出向くんだ。今日殺るしかねえ。張飛も相当悩んだが、使命には代えられねえと関羽の家に行くことになったわけだ。
「あら、張さん。いらっしゃい。ごめんなさいね、うちの人留守で。」
「あ、あぁ……。じゃあちょっと待たせてもらおうかな。」
今の今まで殺す気満々だった張飛だが、関羽の嫁の胡金定を見るとイマイチ踏ん切りがつかねえ。戦場でなら後に万人の敵を相手にできると言われた男だがさすがに義兄の嫁にはちょっと遠慮がある見てえだな。
まあともかくいつまでもふんぎりがつかねえから時間が経っちまって、結局胡金定が飯を出してくれるってえことになったんだ。もちろん張飛もそんなつもりはなかったんだが断り切れねえし胡金定の料理を待ったんだ。
ん~しかし胡金定の様子を見てみるとどうもおかしい。動きづらそうだ。それによく見ると腹が膨らんでるじゃねえか。張飛は恐る恐る聞いてみた。
「もしかして兄貴のお子がいるのか?」
ってな。すると胡金定はコロコロと笑いながら「あの人、張さんに行ってなかったのかい。全くしょうがない人ねえ。」と答えた。これを聞いた張飛は完全に挫けちまった。身重の女を殺すにゃあ忍びない。それに元から張飛はあんまり気が進んでなかったんだ。
「胡さん、今すぐこの村を離れてくれ。俺と雲長の兄貴は黄巾賊を倒す旅に出る。兄貴が言うにはこの世に情を残さない為には嫁を殺さなきゃならねえってんだ。でも俺には兄貴のお子を殺せる気がしねえ。でも殺さなきゃならねえ。ならせめてこの場から消えてくれればとりあえずはなんとかできると思う。」
張飛はもう素直に話すしかなかった。それでせめて胡金定が関羽の前から姿を消せば胡金定が死んだと思い、関羽もこの世に未練は残さねえだろうと思ったんだな。
嫁も子も捨ててまで指名に殉じようとは俺はとてもそこまではできない。ん?そういや俺は捨てる嫁も子も居なかったわハッハッてそんなことはどうでもいいんだ。
ともかく張飛は胡金定とお腹の子を見逃した。胡金定は涙を流しながらこの地を離れたってわけだな。
【そりゃあ旦那が自分を殺そうとしたんじゃ泣きたくもなるわな。】
『いんや?泣いたのはそうじゃねえんだなあ。関羽の使命の足手まといになってしまったことに涙してんだ。』
【えぇ……。】
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