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禁忌の果実を貪レ
禁忌の果実を貪レ_1
しおりを挟む雨は止んだにも関わらず、セレナの頬を流れ落ちる水滴はそのままだ。
唇を塞がれたままゆっくりと瞬きをすれば、顎を掴んだローの手に大きな粒が滴った。
彼は一端 唇を離した後で
セレナの頬に舌をあてる。
「──…塩辛いな」
そう言って眉をしかめさせ再び唇を重ねた。
「…‥‥う‥‥んん‥」
「口を開けろ……セレナ…」
気付いた時には口を開けてしまっていた。
その代わりセレナは目を閉じて暗闇にひたった。
地についていた片手をローの肩に添え……大人しく彼に口内を捧げる。
セレナはただ彼に身を委ねた。
彼の冷たい悲しみと凍りつくような心を……セレナは無心に求めている。
やり場の無い苦しみが、その心にすがりつく。
何も考えられなくなるまで
もっと冷たく…冷たく凍らせてほしい…
この自分勝手な苦しみを
あなたの痛みで凍らせて──
「‥‥‥ん‥…ぁ…」
そんな想いで、セレナは彼の舌を受け入れるのだ。
「…ふウ‥‥っ…ん‥‥‥ンン…」
クチュ・・・・
そして同時に溶かしてあげたいと思った。
彼のその悲しみを
分厚い氷の中で悲鳴をあげる心を。
「ハァ…──」
「……ッ…は あ‥‥‥」
セレナはローの肩に添えていた手を滑らせ彼の首に抱きついたが、しかしローはその両腕を自分から引き剥がし、片手で捕らえると彼女の頭上に固定した。
そしてゆっくりと体重をかけて押し倒し──薄く開いた彼女の瞳を覗いた。
「ロー…?」
「…今暫く…お前は何も言うな…」
「──…ッぁ」
「……私が何をしたとしてもな」
ローは押し倒した彼女に覆い被さり、首筋に噛みつくように強く口付けた。
濡れた肌に吸い付く彼の唇は激しく、そして優しかった。
赤い痕が重なり華となって咲く。
時折現れる舌が首筋をつたい上がっては、念入りな口付けを施しながら肩まで下がるを繰り返した。
鎖骨をなぞり、通り過ぎて……
セレナの動揺を誘う。
「…ぁ…っ」
「……怖いのか」
彼女が肩をすぼめて縮こまれば、安心させるように唇はセレナの顔に戻った。
もう一度舌が差し込まれて、彼女の意識が再び溶けるまでの長い接吻が与えられる。
「…ふ、ぁ…ッ…‥ン‥」
それでも彼女の腕は捕らえたまま……
ローの空いた片手は、ドレスの上から胸の膨らみに添えられた。
ずぶ濡れのドレスは彼女の身体の線を隠すのに何の役にもたっておらず、肌に張り付いたその薄い布地の上から、ローの指が膨らみの頂上に触れる。
「……ッ…ふっ!…ァ…」
閉じていたセレナの目が、驚きで見開かれた。
何度か掻くように先端を掠めた後、触れた乳首はそのまま……指の腹で捏ね回される。
セレナの口から甘い喘ぎが零れるも、すぐに塞がれその声はくぐもった。
「……ぁぁ…‥ゥん…っ‥……ハァ」
二本の指に摘ままれ、敏感な突起から痛み混じりの痺れが伝わる。
満足に声を出せない状態で、その代わりなのか、弄られる其れの勃ち上がりが強くなった。
「……ハァっハァっ……んん…、──ぷはっ」
喉の奥の熱い空気が溜まり、セレナは息苦しさから思わず顔を背けた。
そして後を追って来るかと思われたローの唇は、自らが弄ぶ胸の突起へと下りていき、薄い布越しに口に含んでしまう。
「──ぁっ!? ……ゃ‥…」
布越しでもわかる彼の熱い口内と、中にたっぷりと含まれた唾液が敏感な場所を包み込む。
セレナの顔がくしゃりと崩れた。
「ハァ……‥アっ、……ロー…ぉ…‥」
「まだ衣の上からだ……フっ、こんな事も堪えられなくてどうする?」
「…ああ…ッ でも…──」
「……嫌か?」
言葉で挑発しながら、彼女の無防備に緩んだ脚の間にローは太股を差し入れた。
焦燥したセレナが急いで閉じるも間に合わず、彼の膝が秘部を強めに押す。
「──…んぁぁ…っ…ハァ…」
「ふん…、声が上擦るな…」
彼は太股で秘部を擦りあげながら、腰を振って逃れようとするセレナを押さえ付けた。
「…ハァっ…ハァっ………ぁぁ…ン!! …ァ……」
彼女の呼吸が荒く乱れる。
ローの太股は確実に、秘部の茂みの奥に隠れた赤い粒を捉え集中的に擦りあげていた。
「……いッ…やぁ…」
悶えるセレナは胸に吸い付くローを見て懇願する。
…しかし
「──…やめて欲しいか」
「ロー…!」
冷静に聞き返した彼の言葉がよりセレナを追い詰めた。
やめてほしいわけじゃない
“ 直接っ……触って…… ”
そんなことまで口走りそうだ。
ドレスの上からなんて寂しい…。
敏感な場所を責められれば責められるほど、布越しの切なさが理性を侵す。
もっと触れてほしい。
でも
「…ローッ……ハァ、わた し……」
「──…」
控え目な声を絞り出す彼女から、恥じらいの奥に見え隠れする迷いがある。
躊躇うセレナの内にあるのは羞恥だけではない。
……それはローにも筒抜けだ。
「……お前は何を見ている?」
「……っ」
動きを止めた二人が見つめ合う最中、手を伸ばした彼は、掌でセレナの視界を覆った。
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