19 / 63
逃走
逃走_4
しおりを挟む背中の線をツーーっとなぞり下った指は、そのまま彼女の腰に触れた。
「……んん……ッ……」
腰……脇腹……そして小さな臍に触れたところで、後ろから前に回り込んだ手が今度は上に辿ってくる。
ゆっくりと
「…ン…っ……あっ」
それは、しがみつくセレナのふたつの膨らみを捕らえた。
ビクリと震えた身体。
その反応が相応しくないと頭でわかっていても、男の指が膨らみの先端をかすめ、弾くものだから、思わず声も裏返る。
「‥‥ぅ…あ‥//」
「こんな状況でも感じるのか……」
「…っ…!!……そんな……わけ……っ」
「……なるほどな」
「…あ…ッ…‥‥だ、め‥‥‥!! 」
バシャ!
動揺と羞恥で腕を離してしまいそうになる。
だがそうすると顔が水に沈んで溺れてしまう。セレナは必死に腕に力をこめた。
「ハァっ、ケホっ、ぁ‥‥ぁ‥‥!! おねが…い、やめ て‥‥…!!」
「嫌なら手を離せばいい……」
「──…そんな…」
思わず腰がくねって、そんな自分が許せなくて……やめてほしいと懇願するも、水中の侮辱が止まることはない。
「せっかくの獲物が泥まみれでは食欲も失せる」
「……ハァ……ンっ…」
「洗ってやるのだ。有り難く思え」
「…っ…ふざけない で……!! 」
反抗的に声を上げるセレナ。
だがその身体は、銀狼からの辱しめにウブな反応を示してしまう。
豊かな膨らみが男の手の形に歪められ、否応なしに頭が官能的に染まって…──。
「…ぁぁっ、…そんな‥‥…!」
そればかりか、銀狼は片手をセレナの下半身へと伸ばしてきた。
柔らかな秘肉に銀狼の指がくい込み……ゆっくりと圧される。
「……はぁ‥‥ンッ…んんっ…」
「……」
「やっ‥‥ケホッ……アっ、アっ、ハァ…ハァ……ケホッ‥…!! 」
銀狼はこれで獲物を洗っているつもりなのか。
……いや、そんな筈はなかった。
秘裂を前後に擦り続ける指の動きは厭らしい。ワレメに沿って緩慢な往復を繰り返し、時おり蜜口の浅所に食い込ませて刺激を強くする。
小さな花芽には掌が被さり、親指の付け根あたりを押し付けて優しく…優しく潰してくる。
「あッ‥……あッ‥‥‥ああ」
脚を閉じたくとも水中ではふんばりがきかず、内股に力をこめても指の動きは止められない。
「もう‥…ハァ、やめてぇ……」
彼女の中からドロリと現れた蜜が清らかな水に溶け込む。
逃げられない──。暴かれて乱されて、濡らされて、震えて耐えることしか許されない。
“ この男は、わたしを試しているんだわ……っ ”
セレナは歯を食い縛った。
逃げたい
この屈辱的な状況から抜けださなければ。
なら……しがみつくこの手を離しさえすればいい。
“ でもそれは…… ”
でもそれは、同時に自身の死を示している……。
命をとるか
貴族としての、いや、ひとりの女としての誇りを選ぶか……
この状況で試されている。
“ ──…死ぬのは怖い ”
けれどどうせ、わたしは狼に喰われるんだ
どちらを選んでも、結局、狼の巣に迷い込んだ馬鹿なわたしは──
「──…」
セレナは、しがみつく腕の力を徐々に弛めた
──その顔は泣いていた
「──…?」
首に回されていた腕がスルリと抜け
セレナはゆっくりと水の中へ沈んでいった。
此処は滝壺近く。
人間の女が泳いで抜け出すことは不可能だ。
銀狼は、自分の腕から逃れた彼女の影を見つめたまま呆然とする。
「……」
死ぬのか……、お前は
──人間の娘よ
「…っ…やはり愚かだ……」
そして銀狼は滝壺へと潜った。
渦に呑まれる彼女を追って───。
──…
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。




今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる