銀狼【R18】

弓月

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逃走

逃走_4

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 背中の線をツーーっとなぞり下った指は、そのまま彼女の腰に触れた。

「……んん……ッ……」

 腰……脇腹……そして小さなヘソに触れたところで、後ろから前に回り込んだ手が今度は上に辿ってくる。

 ゆっくりと

「…ン…っ……あっ」

 それは、しがみつくセレナのふたつの膨らみを捕らえた。

 ビクリと震えた身体。

 その反応が相応しくないと頭でわかっていても、男の指が膨らみの先端をかすめ、弾くものだから、思わず声も裏返る。

「‥‥ぅ…あ‥//」

「こんな状況でも感じるのか……」

「…っ…!!……そんな……わけ……っ」

「……なるほどな」

「…あ…ッ…‥‥だ、め‥‥‥!! 」


バシャ!


 動揺と羞恥で腕を離してしまいそうになる。

 だがそうすると顔が水に沈んで溺れてしまう。セレナは必死に腕に力をこめた。

「ハァっ、ケホっ、ぁ‥‥ぁ‥‥!! おねが…い、やめ て‥‥…!!」

「嫌なら手を離せばいい……」

「──…そんな…」

 思わず腰がくねって、そんな自分が許せなくて……やめてほしいと懇願するも、水中の侮辱が止まることはない。

「せっかくの獲物が泥まみれでは食欲も失せる」

「……ハァ……ンっ…」

「洗ってやるのだ。有り難く思え」

「…っ…ふざけない で……!! 」

 反抗的に声を上げるセレナ。

 だがその身体は、銀狼からの辱しめにウブな反応を示してしまう。

 豊かな膨らみが男の手の形に歪められ、否応なしに頭が官能的に染まって…──。

「…ぁぁっ、…そんな‥‥…!」

 そればかりか、銀狼は片手をセレナの下半身へと伸ばしてきた。

 柔らかな秘肉に銀狼の指がくい込み……ゆっくりと圧される。

「……はぁ‥‥ンッ…んんっ…」

「……」

「やっ‥‥ケホッ……アっ、アっ、ハァ…ハァ……ケホッ‥…!! 」

 銀狼はこれで獲物を洗っているつもりなのか。

 ……いや、そんな筈はなかった。

 秘裂を前後に擦り続ける指の動きは厭らしい。ワレメに沿って緩慢カンマンな往復を繰り返し、時おり蜜口の浅所に食い込ませて刺激を強くする。

 小さな花芽には掌が被さり、親指の付け根あたりを押し付けて優しく…優しく潰してくる。

「あッ‥……あッ‥‥‥ああ」

 脚を閉じたくとも水中ではふんばりがきかず、内股に力をこめても指の動きは止められない。

「もう‥…ハァ、やめてぇ……」

 彼女の中からドロリと現れた蜜が清らかな水に溶け込む。

 逃げられない──。暴かれて乱されて、濡らされて、震えて耐えることしか許されない。


“ この男は、わたしを試しているんだわ……っ ”


 セレナは歯を食い縛った。


 逃げたい

 この屈辱的な状況から抜けださなければ。

 なら……しがみつくこの手を離しさえすればいい。


“ でもそれは…… ”


 でもそれは、同時に自身の死を示している……。


 命をとるか


 貴族としての、いや、ひとりの女としての誇りを選ぶか……


 この状況で試されている。


“ ──…死ぬのは怖い ”


 けれどどうせ、わたしは狼に喰われるんだ


 どちらを選んでも、結局、狼の巣に迷い込んだ馬鹿なわたしは──



「──…」





 セレナは、しがみつく腕の力を徐々に弛めた



 ──その顔は泣いていた







「──…?」



 首に回されていた腕がスルリと抜け

 セレナはゆっくりと水の中へ沈んでいった。

 此処は滝壺近く。
 
 人間の女が泳いで抜け出すことは不可能だ。

 銀狼は、自分の腕から逃れた彼女の影を見つめたまま呆然とする。



「……」



 死ぬのか……、お前は


 ──人間の娘よ



「…っ…やはり愚かだ……」



 そして銀狼は滝壺へと潜った。


 渦に呑まれる彼女を追って───。









──…




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