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月夜の陵辱
月夜の陵辱_3
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「……ハァ…ハァ……っ…ハァ…」
生まれて初めての果ての余韻──。
上手く受け止めきれる筈もなく、セレナは大きく胸を上下させて発作にも似た苦しさに堪えた。
視点の定まらない虚ろな目が、尊厳を奪われた彼女の絶望を表している…。
「──…」
一連の様子を黙って見つめていた銀狼の無慈悲な瞳が彼女の妖声に反応してギラリと色を持ち
そして……尖った耳が僅かに動いた。
男は不意に腰をあげる。
「もういい……お前たち」
銀狼の言葉に従い、セレナに群がっていた狼達は舌をしまうと彼女から離れた。
祭壇を降りた銀狼は足元に横たわる女を見下ろす。
「ハ、ァ‥‥ハァ…──っ」
此方を観察する男の視線を感じても、ぐったりと脱力したセレナには、もはや裸体を隠す余裕もない…。
銀狼はその場に片膝を付き、そんな彼女の背に手を添えて身体を引き起こした。
そして彼女の顔を覗き込む。
空をさ迷うセレナの瞳と、ゆっくりと視線を絡ませた。
「馬鹿な娘だ…」
「…ハァ……はぁっ…、…──ッ」
「……!? 」
男の顔を捉えたセレナの目が、ぐっと強張る。
同時に呼吸を止めたかと思うと、彼女は突然、彼の首に手を回し……その胸板に顔を埋めた。
「……?」
「…ッ…助け て……!! 」
...ギュッ
そうして男の衣を握ったセレナの言動は、的外れもいいところだ。
──しかし、恐ろしい狼達に舐め回され、快楽の果てまで味わわされた彼女には、皮肉なことに……今もっとも安堵するモノはこの男の存在でしかなかったのだ。
たとえ中身は非情な獣だとしても、 形 が人間であるだけで……
助けを求めてすがり付かずにはいられない。
これは銀狼にとってもただの誤算であった。
「…‥お願 い…‥!! …助け…て…助けて‥‥」
息を乱し、啜り泣きながら
まるで自分を見捨てないでと懇願するように、必死にしがみついてくる裸の女。
──人間の娘。
「……」
抱き付かれた銀狼が彼女の声を聞き、動きを止めていた時間は──数秒ほど。
彼はそのままセレナを横抱きにして腰を上げた。
彼が歩き出すと狼達は道を譲る。
祭壇から離れ周囲を囲む絶壁の麓へ──。
そこから銀狼は崖に沿ってできた石段をゆっくりと登り始めた。
その石段の続く先には、もともと彼が立っていた、崖から空へと鋭く突き出た岩場がある。
さらにその奥にある洞穴は、彼が眠る寝床になっているのだ。
洞穴の奥には巨大な茶色の毛皮が一枚、無造作に敷かれていた。
セレナはその上にそっと寝かされる。
そして銀狼は、肩に回された両手首を掴むと彼女の頭上に固定した。
「…っ…?」
「……どうかしたのか」
「…ぁ……ゃッ…」
背に当たった毛皮の感触に、セレナはふっと我に返る。
少し落ち着きを取り戻し冷静になった彼女は、この状況に新たな危機感を覚えた。
「今更どうした」
「…ち…違う……!! 」
銀狼の爪が、触れるか触れぬかの際どさで肌をなぞる。
セレナは小刻みに首を横に振った。
「……ちが…う…ッ…そういう意味では、ないの」
「そういう意味……?…とは」
「…あぁ…ッ…違うわ!…やめ…──!! 」
白く美しい指が、セレナの汗ばんだ太股を伝って…その中心へと伸びていく──。
・・・‥グチュ
「……こういう事か──?」
蕩けたその場所に易々と差し込まれてしまった。
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