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第十八章
拝謁
しおりを挟むシアンが王の寝所にいる時間、バヤジットはとある用事でシアンを訪ね、宿舎に来ていた。
けれどちょうど着こうというタイミングで、シアンの部屋から二人の侍従が出てくるのを見る。
よって相手を呼び止めた。
「何事ですか?そこはシアンの部屋では」
「バヤジット将官か。これは陛下のご命令だ」
侍従は部屋から荷物を運び出していた。それは数少ないシアンの持ち物だ。
「陛下の命令?その荷をどこへ運ぶつもりですか?」
「王宮だ」
「何故だ?」
「議会の通達をご存じないか?シアン・ベイオルクは陛下の護衛に任命されたのだ。まったく……どういう手で取り入ったのか知らんがな」
そう言って侍従たちは外へ向かう。
そういう話であれば、シアンはここに帰ってこないのか。
“ 護衛のために部屋を王宮に移すということか。しかしわざわざ侍従を使って荷を運ばせるというのも、気妙だな…… ”
通達の件はすでに知っていたが、少しの違和感とともに……いぶかしげに侍従たちの背中を見送るバヤジットだった。
──
バヤジットと別れた二人の侍従は、命令どおり荷物を手に王の寝所に向かった。
扉を引き中へ進むと、突き当たりの天蓋の前にひとつの椅子が置かれ、その上で卑猥な責め苦がおこなわれていた──。
「あ、ああ…っ」
一糸まとわぬ姿。両の足は、椅子の肘掛に固定されて広げられ、背後の近衛兵に手を押さえられ、いっさいの動きを封じられた裸体。
腹の上にのせられた たっぷりの香油を使って、別の近衛兵が彼の弱いトコロを撫でさすると…
切ない吐息が漏れるに合わせ、しなやかな肢体が苦しげに震える。
胸の先の桃色の尖りを指の腹でつままれたり、濡れた掌で潰すように回されたり。腕をあげて無防備な腋は、窪みの柔らかいところをクチュクチュと弄られている。
「…‥はぅっ‥…んッ…‥ん‥//」
「は…、ワキでこんなに乱れるとは、そーとー好き者だな」
拘束する近衛兵が馬鹿にしたように笑い
「これでよろしいのですか?陛下」
「……ああ、続けろ」
この行為を彼等に命じたスルタン・アシュラフへ、伺いをたてた。
アシュラフは、椅子に拘束されたシアンを見下ろす位置で立っていた。
悶えるシアンを見つめる顔に笑みはなく、相も変わらず何を考えているのかわからない。
「…っ…陛下、この者の荷をお持ちしました」
「そこへ置け」
「……っ」
「……何を見ている?荷を置いたなら下がれ。それとも貴様らも加わるか?」
「い、いえ…っ」
ゴクリと喉を鳴らした侍従ふたりにそう言い放ち、すぐに退室させる。
その間も王の目はシアンに注がれたままだ。
無毛の白肌にぬり広げられた香油が、燭台の焔を映し…てらてらと淫猥に光る、その様を、ただ見つめていた。
「…へい‥‥か‥‥//
…‥御許しを…‥っ‥…どうか」
その視線にすがりつくような声で、シアンが懇願する。
「陛下の御前でっ‥…あらぬ無礼を犯しました、これ以上‥見苦しい姿で……陛下の目を穢すわけには……ッッ…」
「……」
「…‥鞭打ち でも 構いません!‥‥信用できぬと仰る なら、護衛の件を…‥白紙に‥‥」
「──ならぬ」
「‥‥ッ」
「お前はこの部屋から出る事を許さぬ、西国の間者よ。その淫らな身体でラティーク・タランに取り入ったようだが…俺には通じない」
「‥‥‥!?」
シアンの潤んだ目が見開かれる。
「陛下っ…私は西国の者では ありません…!この肌は、娼館にいた頃の!──…《ギョルグ》の名残でございます」
透けるような白皙の肌──。シアンのコレは、売り物として " 造られた " あくまで人工の産物だ。
しかしアシュラフの疑いの眼差しはますます鋭くなるだけだった。
「嘘をつくな、シアン・ベイオルク。
神に捨てられた子とは……白い肌と髪、くわえて其の目のうちに、赤い瞳を宿した者だ」
お前は違うと、吐き捨てる。
そしてアシュラフは長いカフタンをひるがえして背を向けた。
石の床が冷たい靴音を響かせる。
その先の寝椅子に足を投げ出して座った時、シアンを責める近衛兵の手が、最も弱い股間の屹立にまで伸びてきた。
グチュ...ッ
「違います!‥っ…‥僕の、目 は‥‥‥ッッ‥…‥」
懸命な反論の声も、瞬時に裏がえる。
こんな無様な声は聞かせられないと歯を食いしばるから、訴える言葉が途切れた。
「‥ッ──ク…!!‥‥ぅ」
無骨な指が肉茎をわし掴みヌルヌルと強めに扱いてくる。膨らんだ鈴口にはあらたな香油が垂らされて、別の掌に嬲られた。
反応して脈打つ根元は布で縛られており、吐精は禁じられているから、注がれる悦楽に終わりはなかった。限界をこえて溜まるばかりだ。
そこは痛みをもたらす一方で、じんわりと…痺れるように甘い疼痛をシアンの脳に送り込む。
「は、ははっ……苦しそうだな……!陛下に偽りを申した罰だ。まだまだ責めるぞ」
「…ッ…//‥…ァ‥‥!…ん、あああ‥‥!」
牛の乳を搾るように緩急をつけて嬲られるのに、拘束されたシアンの眼前で立ち上がるソレは、性の解放を許されない。
こんな状況は苦しいに違いない。
全身の毛穴から汗を滲ませたシアンは、拘束のせいで逃げ場もなく、かぶりを振って目を閉じる。
すると即座に兵士のひとりが顔を掴んで前を向かせた。
「おい目を閉じるな!しっかり見るんだよ……お前のコレがっ……どういう目にあってるのか……せっかくの特等席だろ?」
「こっちは見えないだろうから教えてやる。限界だってパンっパンに膨れて赤くなってるぞ。その下の尻穴もなぁ……触る前から、もうとろけてる」
「ああっ‥‥ア!…ッ‥ひ」
やわやわと付け根の双果まで握られたあげく、先端も裏筋も、菊門までヌメリの餌食となる。
シアンの喘ぎ声が悲鳴に近付いていった。
「すごいなっ…指が呑み込まれる。口を開けて待ってるぞ、品の無い穴が」
「はぁっ…‥はぁっ‥‥ぁぁ‥…//」
「本当ならガンガン突きこんでやりたいが…今は陛下の御前だ。別の穴で可愛がってやる」
菊門をほじくる兵士が、背後のアシュラフに聞こえない小声で、耳元で囁く。
「…‥あっ‥‥!?」
シアンが瞼を上げると、その男は金色の細長い棒を手に笑っていた。
先端が丸く、なだらかな曲線を描いている。
「ソレはっ‥…いや だっ‥‥‥!」
その棒が淫具であるとシアンはすぐにわかった。
「へぇ、これが何か知ってるのか」
「さすがクルバンだ。もう開発済だってんなら話が早い。いい声で鳴いてくれよ?」
シアンの動揺を嘲笑い、さっそく淫具の先を押し当てたのは…パクパクと開閉する濡れた鈴口だった。
「やめてくれ‥っ…‥陛下の、前で、‥‥ソレを僕に‥…挿れないで‥‥!!」
息も絶え絶えに懇願しても、無駄だった。
暴れないよう腰を押さえつけられ、冷たい金属が小さな入口をつついて、割れ目に押し入る。
ツプッ───
「───ぅああ‥‥ッッ」
「痛いのがいやなら暴れるな」
「‥‥ぁ!…‥ぁ!‥‥ぁ!」
淫具の先が沈むにあわせ、脳天まで貫く鋭い感覚が腰を震わせる。
初めての者なら痛みが勝るだろう。しかしシアンを襲うのは、全身が総毛立つような快感だ。
どんなに細い棒であろうと、精路を押し進む異物感は大きい。普段生きているうちには味わえない異様な感覚なのだ。
「あっ…ああぁあ‥‥‥ゃ め‥て‥…//」
焦れったいくらいのスピードで挿れられていく。その先に耐え難い場所が待っていると知っているシアンは必死に抵抗した。
そんなシアンの哀願を無視してズブり、と奥まで到達した淫具は、急所を的確にいぬき、彼に悲鳴をあげさせた。
「‥ッッ──…‥‥あああああ!」
身体の奥で大きすぎる快感が爆ぜる。
吐精を封じられたまま、シアンはあっけなく達してしまった。
「…おっと!」
シアンの身体が激しく痙攣したので、兵士は慌てて淫具から手を放した。
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