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二章
2-7
しおりを挟む「なんで日だ!」
俺が散歩しているとなんかどこぞのラノベの展開みたいに道端で泣いてる子供がいた。見た目的に俺よりちょっと年上の同級生の馬鹿力ゴリラ女のクロと似ている。
「どうしたんだ」
俺もやっぱり人間なのか可哀想な少女をセク…いやいやほっとくことはできなかった。
「人の嫌なところばかり見て…私は誰も信じられなくなったの…どうしたら良いんですか…」
「か、変わった悩みを持つな…その…人それぞれなんだよ。性格って。」
「なんで…?人は…醜くて私のお父さんはテロリストで…私はこうして1人になっちゃって…」
「まぁ…否定はできないがよ!というか悲しいな!ちょっと待っとけ…警察とか天照さんとか俺の頼れる人に相談してみるぞ!ところで君、名前は?」
「天王寺アリス…」
天王寺…?待てよ…まさか……こんな時は宇治宮先生に電話してみよう!
俺は携帯電話で名刺から勝手に登録した電話番号で宇治宮先生に電話をしてみた。
「もしもし、宇治宮です。」
「あ、先生!八千代です。突然で申し訳ありませんが天王寺クロさんの住所を教えてくれませんか?」
「いつも通りの口調で良いですよ~、どうして、クロさんの住所を聞くんですか?」
「天王寺アリスって人が迷子なんだよ!苗字が一緒だからきっと姉妹なんじゃないかと思うんだ!」
「そうですか…八千代さんは今どこにいるんですか?」
「えとな…泉市の天神橋の3丁目のエイティーントゥエルプってコンビニにいるんだ!」
「随分とわかりやすいですね…今、そっちに向かいます。」
俺は電話を切る。
「大人の人を読んだからその…問題だが解決出来るかもしれないんだぜ!お姉ちゃんとかいるだろ?」
アリスは首を横に振る
「私は天涯孤独…パパは私を捨てたんだ…君は子供だからわからないんだよ…みんな優しいふりしてるだけだし私に幸せなんて来ない。」
「そんなことない!みんなってまとめたらダメだぞ。みんな違うんだ。それにまだ生まれて数年しか経ってないし、これから楽しいこともあるぞ!」
「ふーん。そう…子供って楽観的なんだね…この世の闇なんて知らないんだ。」
子供にそんな事を言わせるような事が起きたんだな…俺はどう言葉をかけたら良いかわからない。俺の親父も母親も酷かったからこの子にはとても同情出来る。
「じゃあさ…クリスマスプレゼントが貰えるとしたら何が欲しいんだ?」
ちなみに俺はエロ本が欲しい。
「おかえりとただいまって言える存在。」
「そか」
俺とアリスは2人で無意識に手を繋いで先生が来るのを待つ。
「君の手…暖かい。こんな優しくされるなんて初めてだぞ…。」
「な、俺の口調の真似かよ!まぁ…良いけどさ!これからもっと優しくされるさ!」
会話してる間に宇治宮先生の車が見えてきた。そこにはクロも乗っていたのだ。
「八千代!それに私そっくりの奴もいるな!」
「クロ!話があるんだ!」
「な…なんだよ。なんか突然先生から呼び出されたかと思ったらお前からかよ」
「読んだ覚えはないけど、そうだ。クロって天王寺だよな!」
「まぁ…だからなんだ?」
「この子、俺の隣にいる子がよ!親に捨てられたみたいで同じ苗字の天王寺なんだよ!クロの親父を疑ってる訳ではないがこの子を助けてくれないか!」
クロは悩み始めた。
「あのな…私だけじゃ決められないんだよ…」
「頼む…」
俺とクロの話に宇治宮先生が入った。
「…私が相談してみます。子供が困ってるところは見過ごせませんし。それに捨て子なら尚更…」
「無理だよ…偽善じゃ何も意味ない…正直なって見捨てても良いんだよ…?私なんて」
「アリスさんでしたね。意味を無くても偽善でもやらないよりマシです。大人である私に任せてください!」
宇治宮先生は俺とアリスも車に乗せる。
「アリスさん、私もあなたみたいにそんな事を思ってた時期がありました。でも、頑張ってみたり助けてもらったりしたらなんとかなるもんです。」
続く
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