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二章

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  なんだろうな、上級生の男子が俺のことをじろじろ見てるな。
 ぐへっ、俺はここではモテモテなのか?だとしても男にモテるのは嫌だな~。
「やっぱり、私の見込んだ通りね。君は結構モテる顔してるもん。でも、男子なんてろくな人がいないんだから」

飛鳥は俺の手を引っ張って体育館へと向かい案内されたクラスの椅子に2人一緒に座る。
「緊張してる?八千代ちゃん。」

飛鳥は姉のように俺のことを気にかける。
「いきなりちゃん付けとは結構良いな、飛鳥。」

「担任の先生とかいるらしいけど、期待出来る?」

「俺は出来る、美人の先生だったら良いぞ!」

「あはは…君ってやっぱり面白いわね。男っぽいところはコンプレックスに思わない?」
飛鳥は不思議そうにしてちょっと暗めな表情で俺に問う。

「俺は全然思わないぞ。別に性別なんてどうでも良いだろ~」

「くぅ…超絶可愛い君が言ったら…ギャップが出て余計に人気が出るんだけど…」

「人気なんか気にしたらダメだぞ、1番は自分らしく生きる事が大切だっ!」
突然飛鳥はハンカチで鼻を抑えてトイレへと行った。

「変な人だな」
俺はそう思い理由を深く探らないで舞台を見ることにした。しばらく見つめてるとお腰にキビダンゴを入れた袋をかけて背中には長い千歳飴があり、鉢巻きのしてる先生だった。パンフレットによるとこの人が校長先生のようだ。

 「新一年生、入学おめでとう!私はとてもぉ!感動してます!桜は咲きませんでしたが、無事、今年に入学出来たことに感謝しかありません。私はこうして入学する新一年生がみんな揃う事がとても嬉しい。新たな新生活を楽しんでください!」

スピーチを終えると校長先生は舞台から立ち去った。
とても個性的な見た目だが物凄く良いスピーチだったと言える。昔もそうだったな。たしかよ。

そして、様々なたくさんのスピーチが続き懐かしい校歌斉唱し入学式は終わった。腰がもうクタクタだ。小学生も大変なもんだな全くよ。
いつの間にか戻って隣に座っていた飛鳥は俺の手を引く
「わぁ!何するんだよ!」

「何ってあなたみたいな女子は初めてだからお家にお招きしようと思うの。」

「はいはい…」

飛鳥は誰かを待っていた。まぁ、この歳だし親が迎えにくるだろう。
そして、俺たちの前には見覚えのある人が現れた。
「叔母さん、来てくれたんだ!」

「飛鳥はいつもええ子やなぁ」

マネージャーじゃん!
「おぉ、やっちー、生きてたんか」

「勝手に殺すなぁ!」

「2人とも知り合い?」
この光景を見た飛鳥は当然の如くポカンとしていた。無理もない、大人と子供同士の言葉遣いの会話でもない。
マネージャーはこの事を簡単に飛鳥に説明すると飛鳥は納得し俺に憧れの目を向けてくる。とても眩しい。

 「八千代ちゃん!アイドルをしてるなんて凄いじゃない!女の子の憧れよ!」

「と言っても例の事の影響でまだ活動なんて一回もしてないけどな~。そうだ!担任の先生は誰だっけな!」

俺は走ってクラスとクラスの担任を見た。

「えーと、担任の先生は宇治宮あずき…?あぁ、男装が似合いそうな理系女子か。だよね~佐々木先生だったら良かったなぁ。」

「八千代ちゃん!私のクラスは佐々木先生なんだって!」

「飛鳥ぁぁ!そこ変われゴラァ!!」

「やぁぁ!?」

その後俺はマネージャーに原子爆弾の威力と同じぐらいのツッコミをされて沈められたのは言うまでもない。
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