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あとがき
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数ある作品の中から、カフェオレはありますか?を選び、最後まで読んで下さり誠にありがとうございます。
この作品は十年以上前に書いた話を読み直し、修正を重ねた物になります。三年程の下書き期間を得て、アルファポリス様にて投稿させて頂きました。
トラウマやコンプレックスを抱えたり、反発心や意地、諦めを抱えた人達が、少しずつそれを受け止め、未熟さや無力を噛み締めながら、下手くそに恋や愛を貫こうとする話を書きたいと思い、今回の作品が生まれました。格好良い言葉を並べはしましたが、完璧に表現出来ているか、と問われれば難しいです。最終的な答えは、読者様の捉え方次第で大きく変わりますので、出来ている、出来ていない、なんだか物足りない、等、その時に感じた事を答えにして頂けたらと思います。
登場人物に関しては、少し悩む所もあれば、スムーズに書き進められる所もあったりと、気が付けば愛着が湧くキャラクターが出来上がっていました。
多木崎幸慈というキャラクターは、イメージとしては直ぐに頭に浮かんだのですが、それを形にするのは難しかったです。言葉使いにしても、人と距離を置いて生きてきた年頃の子はどう喋るんだろうかと、一人称にしても僕にするか俺にするか悩みました。結果、日常生活では僕、乱暴的な本音を言う場合は俺、と、使い分ける事で落ち着きましたが、今度は一人称の扱いに苦悩する事に。乱暴的な面がメインになってしまうのではなく、その中に見え隠れする本心をどう表現するべきかと悩ましかったです。喧嘩が凄く強く、頭も良い完璧人間、と、思われがちですが、父親のトラウマに押し潰されないため、常に強くあろうとする姿勢がそう印象付けているのでしょう。自分自身の事には無関心でも、周囲に手を差し伸べる所を見ると、完全に全てを拒絶しているわけではないと解ります。眈々と喋る中に、どう感情を乗せようか悩みましたが、最終的には、檜山茜という真っ直ぐなキャラクターのお陰で、幸慈の感情面に関しては何度も助けられたなぁと思います。
檜山茜は双子設定でしたが、私自身が世間一般の、双子は言動がいつも同じ、といった思い込みや決め付けが好きではない為、一個人として書く事を意識しました。お金や見た目でしか評価されてこなかった人生を送っていた中で、幸慈に個人として見てもらえた喜びの部分が、私の双子に対する一般的認識に関しての気持ちと似てるかもな、とか思いながらも、女癖の悪さは褒められたものではありませんね。けれど、女好きといった過去が幸慈にとって、いつか好意を向けられなくなるのは当然という、傷付かない為の逃げ道の一つだったわけですから、必要な設定だったと言えます。ごめんね、茜くん。茜自身、楽しかったら良いじゃんと思って生きてきたのですが、一人の為に何かをしたいと全力になっていく姿に、大きな成長を感じます。今時の若者代表と言いたい所ですが、ストーカーを代表には出来ません。代表と言うなら、秋谷が近いでしょうか。不良を代表に出されてもと思わなくもありませんが。
鹿沼秋谷は後腐れの無い相手と体を重ねた事はありますが、片手に収まる程度でしょう。未来を好きになってからは、一途に想い続けていた姿が、想像出来そうな性格のキャラクターです。茜と違って一般常識も持ち合わせているので、檜山家保護者からの信頼は厚く、作中でも解る通り、監視役も担っています。未来が秋谷と付き合う事になったと、報告してきたところから話が始まりますが、体育の授業までは秋谷は登場しません。秋谷個人の問題であれば、未来と恋人になったから宜しく、と、簡単に幸慈へ挨拶することも出来たでしょう。けれど、秋谷はそれをせず、茜に結果を伝えるだけに留めました。自ら幸慈に伝えなかったのは、未来と幸慈の関係性を尊重した結果と言えます。他人の自分がどこまで二人の間に入って良いのか、さぐっている期間だと考えるのが妥当ですね。幸慈から、鹿沼で良かった、と言われた時が、秋谷の中で大きな分岐点の一つになったのは確かでしょう。
香山未来というキャラクターは女の子の様な見た目と話の中では説明されている為、言葉に気を使ったキャラクターです。男はこうあるべきだ、といった決めつけを押し付けて喋らせる事はしたくありませんでした。幼い頃から幸慈と居た事もあって、嫌な目で見られることもあった中で、それでも一緒に居ることを選んだ未来は、自分の気持ちを曲げない強さの持ち主だと言えます。仮に、両親から幸慈と遊ぶなと言われても、頑なに言うことを聞かなかったでしょう。幸慈が友達を作らないのは、友達だと言ってきた相手が簡単に居なくなるのを知っているからです。だからこそ、ずっと一緒に居た未来だけ居れば良いと思っています。幸慈との関係性を言葉にしなければならないなら、友愛といったところでしょうか。友情と同じ意味ではありますが、この作品では友愛を使いたいですね。秋谷に対する未来の気持ちも、最後には幸慈に嫉妬する位に育っていました。幸慈に相談せずに選んだ相手なだけあって、未来にとって秋谷が特別な存在なのだと解ります。
他にも檜山葵といった数名のキャラクターが登場し、話を盛り上げてくれました。感謝感謝。ただ、人数が増えると、会話も増えるので、会話だけで終わらないよう、バランスをみながら書くのは大変でした。それでも、キャラクター一人一人をきちんと表現出来ていたら幸いです。執筆中の続編では、メイン四人以外の話も書けたらと思っております。
完結しているとはいえ、年齢制限のある作品の方が、人気があるだろう事は承知しておりましたので、一人二人の方に読んで下さって頂けたら、それだけでも幸運だと思っております。完結しているとはいえ、直前まで読み直しを大事にしている為、連載表記中は毎週日曜日の更新と決めていました。なので、途中で飽きて離れていかれる方がいらっしゃっても仕方がない、と思い過ごしておりましたが、十名以上の読者様が、お気に入りして下さった時はとても嬉しかったです。また、携帯小説は台詞の前と後にスペースを開けるのが主流なんだなぁ、と、認識してはいますが、どうも本で読む小説のイメージが強いため、違和感が拭えずスペースは開けてません。スペースに関しては、読み難いと感想があっても、修正しないと思います。
少しの期間でも皆様の心に留まる作品を書くことが出来ましたこと、誠に嬉しく思います。昔書いた別の作品も修正中ですので、また読者様にお会いできるのを楽しみに、作品を書いて参りますので宜しくお願い致します。袖触れ合うも多生の縁と言いますが、読者様との些細なご縁がまた有りますように。
この度は読者様の貴重な御時間を私の作品に割いて下さり、誠にありがとうございました。
この作品は十年以上前に書いた話を読み直し、修正を重ねた物になります。三年程の下書き期間を得て、アルファポリス様にて投稿させて頂きました。
トラウマやコンプレックスを抱えたり、反発心や意地、諦めを抱えた人達が、少しずつそれを受け止め、未熟さや無力を噛み締めながら、下手くそに恋や愛を貫こうとする話を書きたいと思い、今回の作品が生まれました。格好良い言葉を並べはしましたが、完璧に表現出来ているか、と問われれば難しいです。最終的な答えは、読者様の捉え方次第で大きく変わりますので、出来ている、出来ていない、なんだか物足りない、等、その時に感じた事を答えにして頂けたらと思います。
登場人物に関しては、少し悩む所もあれば、スムーズに書き進められる所もあったりと、気が付けば愛着が湧くキャラクターが出来上がっていました。
多木崎幸慈というキャラクターは、イメージとしては直ぐに頭に浮かんだのですが、それを形にするのは難しかったです。言葉使いにしても、人と距離を置いて生きてきた年頃の子はどう喋るんだろうかと、一人称にしても僕にするか俺にするか悩みました。結果、日常生活では僕、乱暴的な本音を言う場合は俺、と、使い分ける事で落ち着きましたが、今度は一人称の扱いに苦悩する事に。乱暴的な面がメインになってしまうのではなく、その中に見え隠れする本心をどう表現するべきかと悩ましかったです。喧嘩が凄く強く、頭も良い完璧人間、と、思われがちですが、父親のトラウマに押し潰されないため、常に強くあろうとする姿勢がそう印象付けているのでしょう。自分自身の事には無関心でも、周囲に手を差し伸べる所を見ると、完全に全てを拒絶しているわけではないと解ります。眈々と喋る中に、どう感情を乗せようか悩みましたが、最終的には、檜山茜という真っ直ぐなキャラクターのお陰で、幸慈の感情面に関しては何度も助けられたなぁと思います。
檜山茜は双子設定でしたが、私自身が世間一般の、双子は言動がいつも同じ、といった思い込みや決め付けが好きではない為、一個人として書く事を意識しました。お金や見た目でしか評価されてこなかった人生を送っていた中で、幸慈に個人として見てもらえた喜びの部分が、私の双子に対する一般的認識に関しての気持ちと似てるかもな、とか思いながらも、女癖の悪さは褒められたものではありませんね。けれど、女好きといった過去が幸慈にとって、いつか好意を向けられなくなるのは当然という、傷付かない為の逃げ道の一つだったわけですから、必要な設定だったと言えます。ごめんね、茜くん。茜自身、楽しかったら良いじゃんと思って生きてきたのですが、一人の為に何かをしたいと全力になっていく姿に、大きな成長を感じます。今時の若者代表と言いたい所ですが、ストーカーを代表には出来ません。代表と言うなら、秋谷が近いでしょうか。不良を代表に出されてもと思わなくもありませんが。
鹿沼秋谷は後腐れの無い相手と体を重ねた事はありますが、片手に収まる程度でしょう。未来を好きになってからは、一途に想い続けていた姿が、想像出来そうな性格のキャラクターです。茜と違って一般常識も持ち合わせているので、檜山家保護者からの信頼は厚く、作中でも解る通り、監視役も担っています。未来が秋谷と付き合う事になったと、報告してきたところから話が始まりますが、体育の授業までは秋谷は登場しません。秋谷個人の問題であれば、未来と恋人になったから宜しく、と、簡単に幸慈へ挨拶することも出来たでしょう。けれど、秋谷はそれをせず、茜に結果を伝えるだけに留めました。自ら幸慈に伝えなかったのは、未来と幸慈の関係性を尊重した結果と言えます。他人の自分がどこまで二人の間に入って良いのか、さぐっている期間だと考えるのが妥当ですね。幸慈から、鹿沼で良かった、と言われた時が、秋谷の中で大きな分岐点の一つになったのは確かでしょう。
香山未来というキャラクターは女の子の様な見た目と話の中では説明されている為、言葉に気を使ったキャラクターです。男はこうあるべきだ、といった決めつけを押し付けて喋らせる事はしたくありませんでした。幼い頃から幸慈と居た事もあって、嫌な目で見られることもあった中で、それでも一緒に居ることを選んだ未来は、自分の気持ちを曲げない強さの持ち主だと言えます。仮に、両親から幸慈と遊ぶなと言われても、頑なに言うことを聞かなかったでしょう。幸慈が友達を作らないのは、友達だと言ってきた相手が簡単に居なくなるのを知っているからです。だからこそ、ずっと一緒に居た未来だけ居れば良いと思っています。幸慈との関係性を言葉にしなければならないなら、友愛といったところでしょうか。友情と同じ意味ではありますが、この作品では友愛を使いたいですね。秋谷に対する未来の気持ちも、最後には幸慈に嫉妬する位に育っていました。幸慈に相談せずに選んだ相手なだけあって、未来にとって秋谷が特別な存在なのだと解ります。
他にも檜山葵といった数名のキャラクターが登場し、話を盛り上げてくれました。感謝感謝。ただ、人数が増えると、会話も増えるので、会話だけで終わらないよう、バランスをみながら書くのは大変でした。それでも、キャラクター一人一人をきちんと表現出来ていたら幸いです。執筆中の続編では、メイン四人以外の話も書けたらと思っております。
完結しているとはいえ、年齢制限のある作品の方が、人気があるだろう事は承知しておりましたので、一人二人の方に読んで下さって頂けたら、それだけでも幸運だと思っております。完結しているとはいえ、直前まで読み直しを大事にしている為、連載表記中は毎週日曜日の更新と決めていました。なので、途中で飽きて離れていかれる方がいらっしゃっても仕方がない、と思い過ごしておりましたが、十名以上の読者様が、お気に入りして下さった時はとても嬉しかったです。また、携帯小説は台詞の前と後にスペースを開けるのが主流なんだなぁ、と、認識してはいますが、どうも本で読む小説のイメージが強いため、違和感が拭えずスペースは開けてません。スペースに関しては、読み難いと感想があっても、修正しないと思います。
少しの期間でも皆様の心に留まる作品を書くことが出来ましたこと、誠に嬉しく思います。昔書いた別の作品も修正中ですので、また読者様にお会いできるのを楽しみに、作品を書いて参りますので宜しくお願い致します。袖触れ合うも多生の縁と言いますが、読者様との些細なご縁がまた有りますように。
この度は読者様の貴重な御時間を私の作品に割いて下さり、誠にありがとうございました。
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