カフェオレはありますか?

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 答えを求めてるわけじゃない。ただ、解らないことが増えていく、という感覚は昔から好きじゃないだけ。それが檜山アイツのせいで増えていくものなら尚の事。小数の様にさっさと切り捨ててしまいたい。カーテンを開け、ベランダに出て空を見上げる。僕の気持ちを表すように灰色がかった空の隙間から、ポツリポツリと陽が射していた。まだ昼だというのに、すでに深夜を迎えた気分だ。招き入れるんじゃなかったな。未来と鹿沼に押し付けた感じになったが、元々は鹿沼が未来の所に引き連れてきた様なものだから、罪悪感は全くない。僕の食事に檜山アイツが、よく物申す様になって、更に食べなくなった様に思う。あんなもの、食べたうちに入らない事くらい解ってる。食費も勿体無いと理解してるが、体が石になったように、全く動かなくなるんだから仕方ないんだ。それに、食べられるわけない。あんな、幸せを全身で現したような人間の横になんて、居たくないんだから。僕はもう、あんなものには寄り添わない。あんな、怖いものには。怖い。そう思っただけで、ゾワゾワと恐怖が居場所を求めて背中を這い上がる。耐えられず、その場にしゃがみこんで呼吸を繰り返す。出ていけ。出ていけ。僕にオマエは必要ない。呼吸が浅いものから深いものに変わった頃、このまま空気に溶けることが出来たら、くだらない感情とは別れられるんだろうか、と、そんな事を考えて膝を抱える。本の読みすぎだな。立ち上がって部屋に戻り窓を閉める。部屋のカーテンも、あまり開けなくなったな。外の世界と繋がらなくてはいけない理由ってなんだろう。檜山アイツは、さよならを一人に告げた。それによって世界は変わったのだろうか。それを知る機会は無いし、欲しくはないけれど、僕の世界と交わろうとしているのなら、どうにかしなければいけない。僕は、さよならを告げられるのだろうか。いや、そもそも出来るなら、こんな遠回しな態度はとらない。とらないし、家に招いたりなんかもしない。何であんな事言ったのか、自分でも理解が出来なくて嫌になる。薬を飲むのを忘れたな。かといって、下まで取りに行くのも面倒だ。椅子を引いて座った僕は、教科書を開き、シャープペンを右手に持って、ノートの上を走らせ始める。存在しては消しゴムで簡単に消える単調な存在は嫌いじゃない。そう、答えが決まっているものは嫌いじゃないんだ。でも、心という目に見えない存在は、人によって全く違うものになるから駄目だ。絶対じゃないものは……。
「嫌いだ」
「本当に?」
 入り口の方に視線を向けると、未来がドアから顔を覗かせていた。本当に?の、意味が解らないが、知りたいとも思わない。
「未来の事じゃない」
「解ってるよ」
 笑顔で僕の傍まで来た未来は、ノートを覗き込んできた。
「解らないところある?」
 あったところで教えられないくせに。それでも教えようとする姿勢を見せるところは、昔から変わらないな。
「解りやすくて授業に出なくて良い位だ」
「出なきゃ駄目だよ」
 何故か、困った様に笑う未来の頬に触れたいと思った。多分、僕も未来みたいになりたいんだと、なりたかったんだと思う。そう思うだけで、未来がとても眩しい。僕の世界と違う当たり前が、未来の世界にはどれ程あるのだろうか。きっと、天と地ほどの違いがあるに決まってる。僕はどんな風に生きていたいんだろう。
「ヒーくんに何も言わなくなったのは何で?」
 最低限の会話はしてるぞ。それすら会話と認識されてないってことか?だったら会話なんて無理だ。そもそも、檜山アイツとの関係を無かったことにしたい。でも、そう言ったら未来は悲しむだろうな。鹿沼と付き合ったことを責める様な形になってしまう。友達の彼氏の友達の扱い方が、こんなに面倒だとは知らなかった。
「疲れるんだ。アイツ……檜山といると」
 正直に白状すると、未来は少し考える表情を作る。
「昔から、ヒーくんみたいな人は避けてきてたかもね(ヒーくん並に全身でアピールする人は、俺も初めて見たけど)」
「そうだったか?」
 昔の事を言われても、今と大して代わり映えのしない毎日を送ってきたつもりの僕にとっては、全く身に覚えのない事だった。同級生すら思い出せない。
「周りに関心がないのは、今に始まったことじゃないから仕方ないけど、これからもずっと、同じように生きていくの?」
 そうやって生きていきたいんだ、と、口にしたら、未来はどんな顔をするんだろう。
「取り敢えずは、生きていくさ」
 それしか出来ない事を、僕はよく知っている。でも、今ではそれさえも図々しいなと思う。今回の怪我みたいに、もう一人の僕が勝手に作られて、一方的に狙われる。ここに僕が居ても居なくても、何も変わらない。僕だけが、変わらないまま。
「皆でプリンが食べれるようになったら良いな」
 皆で、か。未来の中の皆は誰だろう。その皆と、僕はどこまでの距離感で、生きていけば良いのか解らない。
「高齢者になってるかもな」
 小さく笑いながら冗談を言う自分に驚く。昔だったら、こんな冗談は絶対に言えなかった。未来との時間が優しいからだろうか。そんなことを考えていると、ドアがゆっくりと開いた。姿を現した檜山おとこは、不意打ちをくらったような顔をして立っていた。
「いつまで突っ立てんだよ」
 鹿沼に蹴られて、前のめりになりながら部屋に入ってきた檜山おとこは、僕の顔をまじまじと見てきた後、柔らかく微笑んだ。その意図が解らない僕と未来は顔を見合わせた。背中を蹴られてはいたが、頭は何も無かったはず、だよな。
「鹿沼、蹴りどころ悪かったんじゃないのか」
「変なのは今始まったことじゃねぇ」
 確かに。
「ヒーくんって変な人なの?」
「変人じゃないから!」
 必死に否定する姿に呆れながら、いつから部屋の前にいたのかと、小声で鹿沼に聞く。どうやらプリンの話をしている時からいたらしい。ついさっきか。
「ミーちゃんまで俺の事を変人扱いするなんてぇ」
「冗談だってばー」
 女みたいに泣き真似をする姿に、眉間を寄せながら、鹿沼はプリンの作り方を教えてほしい、と小声で言ってきた。そのつもりだと快く引き受けたら、鹿沼は安心したように安堵して小さく笑う。鹿沼はこんな風に笑える人間だったのか。未来しか知らない鹿沼がいるように、鹿沼しか知らない未来もいるんだろう。そう考えると、少し寒くなった。何だろう、この感じ。叶わないと思い知らされた、あの時に似ている。この気持ちは何だろう。自分のことに関してまで、答えが用意されていないのには、意味があるんだろうか。部屋の明かりを遮るように影が差したことで、僕は自然と顔を上げた。
「俺の事だけ考えてれば良いのに」
 僕を見下ろす目は、苛立っているように見えた。
「考えてたと思うが」
「全然」
 何で全否定されないといけないんだ。
「怒らせないでね」
 また、それか。自分の気持ちを、押し付けてばかりの檜山コイツの言葉に、大人しく従うつもりは無いし、怒らせているつもりも無い。
「何も解ってないって顔だね」
 檜山おとこの後ろから顔を出した未来の言葉に、自然と眉を顰める。未来には解ってるって事なのか。ということは答えは単純なはず。なのに、何を問題として受け止めれば良いのか、それすら解らない。
「日頃の行いだな」
「だから、それについては深ーーーく反省してるってば!」
 反省してるなら僕に関わらないでほしい。遊びまくってた奴が、いきなり心を切り替えられるとも思わないし、万が一にも奇跡的に出来たとして、遊び人としての本心が無くなるなんて、絶対に無理だろう。心を入れ換えるなら、勉強一筋にでもなってみろ。
「どうすれば俺が本気だって解ってくれるのかなー」
 本気だから距離をひろげてると、何故理解できないんだ。
「本気なら今までの女関係を整理しろよ。ようやく一人とか遅すぎだろ」
 その手の話はここではなく、別の場所で話してくれ。未来も聞いてて気持ちの良いものではないだろうに。それに気付かない鹿沼も、ある意味鈍いな。
「解ってるけど、今の俺にとって、幸慈が何よりも優先なんだから、仕方ないじゃん!」
 仕方ないって何だよ。
「それに、またあんな想いするのかと思うと気が重い」
 結局は僕を理由に逃げてるだけじゃないか。だから嫌なんだ。だから関わりたくないんだよ。結局は檜山コイツも同じじゃないか。僕に全部を押し付けて、自分が楽になりたいだけ。恋なんて、愛なんて……。
「くだらない」
 口に出た言葉に反応した金髪は、僕の顔を見て首を傾げた。
「くだらないって、何が?」
 その質問に、どうせ言っても無駄だろうと、返事をしないでいると、檜山おとこは僕の両手首を掴んで無理やり立たせた。立った時の反動で椅子は倒れて腰を机にぶつける。
「ヒーくん!」
「おい!」
 未来と鹿沼が檜山おとこを落ち着かせようとするが、腕の力はどんどん強くなる一方だった。
「幸慈に解って俺に解らないことってなんだよ!」
「全部だろうが!」
 今日、終わりを告げられた女が、どんな気持ちで連絡を待っていたか。すれ違う人の中に見つけた時にどう感じたか。声をかける時に、どれだけの勇気が必要だったか。今、どんな気持ちで終わりを受け入れ様としているのか。檜山コイツは何も解ってない。何で解らないんだよ。たった一人でも、終わらせたなら気付いたはずだろ。
「身勝手なオマエの恋じゃ、誰も幸せにならない!」
「……オマエじゃ、ないよ」
 手首を掴む力が、強くなったり弱くなったりと、何かを言いたそうにしているのは解ったが、結局何も言わないまま僕から離れた。檜山おとこの顔はよく見えなかったが、見えなくて良かったとも思う。
「幸慈、大丈夫?」
 俺の手元を見て心配する未来に、平気だと告げる間に、鹿沼は檜山おとこをドアの方へ連れていく。
「こういうのは慣れっこだから、気にするな」
「慣れなくて良いのに」
 赤くなった手首を労るような言葉に、罪悪感を抱く。慣れてしまったものを、今更どうやって不慣れにすれば良いのだろうか。
「幸慈、少し熱いよ。熱上がったんじゃない?」
「そう言えば薬飲んでなかったな。でも、大分下がったし飲まなくても平気だろ」
 ノートの字もはっきり読めるし。
「本当、自分の事には無頓着なんだから。飲まなきゃ駄目に決まってるでしょ」
 決まってるのか。
「薬なら俺が取ってくる。未来に聞いたから場所も解るし」
「ありがとう、鹿沼くん」
 鹿沼は檜山おとこを連れ、部屋を出て階段を下りていった。檜山おとこを僕から放す口実にした感じだな。
「ほら、幸慈、教科書片して」
「えー」
 未来に睨まれて渋々机の上を片す。
「ヒーくんは、その、さっきみたいなのって」
「プール掃除の時みたいな力技は珍しくないな」
「そう」
 僕の返答に、未来は少し罪悪感めいた表情を浮かべる。鹿沼と付き合ったせいで、僕に怪我をさせたと思ってるのは、すぐに解った。付き合う前に檜山アイツの事を認識していても、結果は今と変わらなかったと思う。
「気にするな。子供の喧嘩みたいなものだ」
「二人の喧嘩を子供の喧嘩と一纏めにするのは、どうなんだろうね」
 子供、と、いう部分に悩み始めた未来を不思議に思いながら、心配の矛先が別の方へ向いた事に安堵した。
「ま、今年の恒例行事は終わりそうだし」
「年一回だったのが、二回に増えそうで心配だけどね」
 毎年、檜山おとこがどうこう関係無く、体調不良を起こしている事を、未来は年々回数が増えるのではないかと、心配している。ありがたいが、結局は僕の自己管理が問題の為、改善に向かうことはない。戻ってきた鹿沼から、薬と水の入ったコップを受け取った未来は、勉強机の上に置いた。
「悪いな。未来の子守りだけでも大変なのに」
「幸慈、冗談でも怒るよ。鹿沼くん、ヒーくんは?」
「下で迷走してる。アイツを保護者に配達してくるから、未来の子守り頼む」
「鹿沼くんまで」
 ふて腐れて下に行ってしまった未来に苦笑する。鹿沼は調子に乗りすぎたか、と、反省していた。さっきの鹿沼の言い方だと、保護者に配達した後、家に戻ってくるようだ。数日前までなら、未来を一人で帰すことは抵抗無かったが、今は不安材料が有りすぎる。鹿沼が帰ってきてくれるなら安心だ。未来の機嫌取りをしようとする鹿沼に家の鍵を渡して、お気に入りのパン屋の場所と商品を伝えておく。
「助かる。多木崎は何か好きなパンあるか?」
「食パン以外必要ない」
「解りやすくて助かる。忘れずに済みそうだ」
 そういう考え方もあるのか。
「未来の事なら気にするな。同じ言葉でも、友人の僕と恋人の鹿沼では、受け止め方が違うだろうし」
「そういうものか?」
「未来と檜山に、走るのが早い事を褒められた時、受け止め方が違うのと似たようなものだ」
「解りやすいな(どうしてそこまで解っているのに、自ら恋愛をしたことがないのか不思議だ。父親の事が有るからと言っても、恋をしないなんて。アイツでさえ恋をしてるのに)」
 何やら考え事を始めてしまった鹿沼を尻目に、持ってきてもらった薬を手の上に出し、水で流し込む。
「悪い」
「ん?」
 何で謝られたんだ?薬はあってるし、鹿沼が何かやらかした形跡も無い。
「あそこまで馬鹿になるとは思ってなかった。一応、昔から保護者には、何かしら報告するようにはしてきたんだが、ここまでのは前例が無くてな」
 あったら是非参考にさせてもらいたいが、無くて当然だろうな。僕の事を保護者に報告したのは、ピクニックの準備をしてくれる友人、とだけで、異常な誘拐行動は様子見で留めておいたらしい。まぁ、直ぐに保護者と面識を持つ事になったが。
「本当に平気か?それ、前にもやられただろ」
 顎で俺の手首を指して言う言葉に感心する。なるほど、ちゃんと見張り役としての素質は有るって事か。
「俺も、信用されてないとか」
 お喋りな奴。八つ当たりついでにでも言ったんだろう。しかし、鹿沼がそこを気にするのは意外だったな。
「どうだろうな。多分、鹿沼の事じゃなくて、僕の問題なんだと思う」
 もっと、素直に喜んでやりたかった。面倒事に巻き込むな、と言った事を少し反省する。予想以上の面倒事が舞い込んできたことは、今でも頭痛の種だが。
「裏切る事はしない」
 そうあってほしい。真っ直ぐな言葉を信じ切れないのは、僕の弱さのせい。終わりを否定しきれない事が、自分の力量を突き付けられているようだ。
「安心しろ。鹿沼の事は嫌いじゃない」
 嫌いではない。だから、信じるのが怖くもある。母さんがアイツと離婚する前も、その後も、どこかで微かに期待してた。母さんの所には戻ってくると。僕の所で無くても良かった。捨ててくれても、良かったのに。
「他に何か怪我してないか?困ってる事とか。保護者に報告するが」
 それはありがたい。
「解りやすい時と、そうじゃない時の差が面倒で」
「(どうやって報告すれば良いんだ)」
 言っといてなんだが、今のは報告しにくそうだな。別の言葉で言い換えてみるか。
「感情任せにするのは控えた方が良いと思う」
「伝えとく」
「助かる」
 無事に報告してもらえそうだ。
「未来の両親について聞くのは、有りか?」
「僕からか?」
「あぁ」
 結婚の挨拶はまだ無いとして、恋人として家族に合う覚悟を事前にしておきたいってところか。鹿沼からすれば有難い事に、あの二人が反対する可能性はゼロと言い切れる。
「息子の恋人が男でも、両手広げて受け止めてくれるから安心しろ。親族呼んでお祭り騒ぎだな」
 お祭り騒ぎまでは言い過ぎたかもしれないが、祝い事として赤飯は炊くだろうな。
「……その時は改めて相談させてくれ」
 真剣に悩ませてしまったらしい。僕は立ち上がって、ドアの方へ足を動かし、閉まっていた扉を開ける。
「本人にも相談したらどうだ?」
 ドアの向こうに居た未来と顔を合わせた鹿沼は、気まずそうに視線を反らし首の後ろを掻く。
「た、立ち聞きしてたのはヒーくんだよ!」
 先に耐えられなくなった未来は、隣に居た檜山おとこを左手で指差す。
「俺だけ!?今のは同罪だよね!」
 何が同罪なんだか。
「ヒーくんが足止めしたから!」
「ミーちゃんの裏切り者!」
 子供並みの押し問答だな。一体どこから聞いてたのやら。取り敢えず、鹿沼の気まずさをどうにかしてやることにしよう。僕、これでも病人なんだけどな。
「鹿沼、悪いが配達頼む。未来、買い出しで頼みたいものはあるか?」
「ぇ、えーっと、あ、幸慈のゼリー」
「あぁ、確かに無かったな」
「それに関しては色々と抗議をしたいよ」
 檜山おとこの抗議は無視するとして、取り敢えずは話題を反らせたみたいだな。後になって掘り返してくるかもしれないが、そこまで面倒は見れん。先にお金を渡そうとしたら、後で良い、と言われ、檜山おとこを連れて部屋を出る姿を見送る。戸締まりはしようと足を動かすと、未来に安静にするように言われ、部屋に取り残された。大人しく、は、難しいな。檜山おとこは未来に、ゼリー以外のを僕に食べさせるよう、うるさく抗議をしていたが、鹿沼に連れられてすぐに玄関のドアが閉まる音がする。嵐がようやく帰っていった。自分で招き入れておきながら、檜山おとこの相手を未来に任せてしまった事に関しては、悪いことをしたと思っている。けれど、素直に謝罪の言葉が口から出てこない。追い返したら、未来が嫌な気持ちを抱くかもしれないと思ったから招いた。だから、僕は悪くないんだと、自分を正当化しようとしている。それが汚くて、嫌になるのに、当たり前みたく体に染み込んで、後を残す。未来を言い訳に、救われたがる自分の卑しさが、同じにはなれないと告げてくる。まるで、それに気付いたかの様に、この日から檜山おとこは、僕に会いに来なくなった。
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