カフェオレはありますか?

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 何が起ころうと時間は正確に動いていくものだと実感したのは四時間目の始業のチャイムが鳴った時だった。
 目の前に使う材料と調理器具を並べていると、後ろからエプロンの裾を引っ張られて振り向く。眉尻を下げながら僕を見上げる未来と目があって息を吐いた。四時間目のチャイムがなっても姿を現さない檜山の事を気にかけているのか、呼んでくると居なくなった鹿沼に罪悪感を感じているのか解らないが、これからの作業を好ましく思ってない事だけはよく解る。チラリと机の上の物を見る度に溜め息を飲み込む、代わりに肩を落とす。その姿に僕の方が溜め息を吐きたい気分だ。
「本当に作るの?」
 今の状況を見て未だに逃げられるとでも思っているんだろうか。
「花嫁修業と思え」
「はっ、花嫁っ」
 エプロン姿で顔を紅くしてる姿を鹿沼に見せてやりたいものだ。そう思っていると家庭科実のドアが乱暴に開いた。
「新妻ハッケーン!」
「っ!」
 静かに登場出来ないのかこの男は。馬鹿の一言で、未来は僕の背中に隠れた状態で固まってしまった。朝の一件で少しは大人しくなればと思ったが、何一つ変わってはいない姿に肩を落とす。簡単に変われるはずないか。
「おー、揃ってんな」
 授業に遅刻してきた伯父さんには教師としての自覚は無さそうだ。
「なんで、アンタが来んだよ」
 何で檜山コイツは不機嫌になるんだ。
「そりゃ、火を使うんだから教師がいないと危ないだろ」
 不機嫌な反応に気が付いていないのか、伯父さんは救急箱と本を近くの机に置いた。そんな伯父さんを檜山おとこが不満げに見ている。伯父さんが来ただけで不機嫌になるとか、どんな性格してんだ。まぁ、教師が嫌いなら当然の反応か。
「あ、あの、ヒーくん、さっきは……」
「謝りっこなしだよ。ミーちゃんは何も悪くないんだから」
 おー。少しは大人じゃないか。
「伯父さん、胃薬持ってきた?」
「伯父さん!?」
 名字が一緒って時点で少しは勘付くものだけどな。授業に出てない時点で伯父さんの名前なんか知らないか。
「持ってきたけど、本当に未来くんが料理するのか?」
「見ての通り」
「……絆創膏足りるかな」
 伯父さんは真剣な顔をして救急箱の中身を確認しだした。
 取り合えず、定番の卵焼きから始めるか。
「未来、卵……」
 いつの間にか家庭科室に来ていた鹿沼に、ジッと見られた状態で固まってしまっている未来に、卵を任せなければならないのか、と不安を感じるのは仕方ないと思いたい。
「おい、未来」
「なっ、何!?」
「記念撮影しよー!」
 黙ってろ。横槍を入れてくる檜山バカを無視してボールと卵を未来に差し出す。
「卵を二個割ってこのボウルに入れてくれ」
「二個も!?」
 卵を二個割るだけでどこまで責任感を背負うつもりなんだ。
「せめて一個に」
「いや、手本で僕も一緒にやるから」
 そう言うと、更に未来は不安がった。何故手本を見せると言っているのに不安がる必要があるんだ。不安がっていても慣れてもらうには仕方ない。未来にボールと卵を渡して、自分の分も用意して隣に並ぶ。
「まずはこうして軽く叩いてヒビを入れて……そうだ、伯父さん、ゆで卵作ってよ」
「断る」
 伯父さんの返事に舌打ちした僕はいつもの癖で両手ではなく片手で卵を割ってしまい、はっ、として未来を見ると絶対に無理だと泣きそうな顔で言われた。
「悪い。今のは八つ当たりだ」
「友達を苛めたら駄目だぞー」
 解ってる!と言うか、誰のせいだ!
「幸慈天才!もう一回やって!」
 ビデオカメラを構えてる人間の頼みを誰が聞くものか。そもそも両手でやらないと未来の為にならないのに。スタートから一個無駄にしてしまった感じが否めない。
「改めて……卵にひびを入れる為に机やボウルのふちで叩くんだ。こんな風に……」
 カンッと卵をボウルのふちに叩いて出来たひびを未来に見せた後、卵を両手で持って親指をひびに入れ真ん中から割り開いて中身をボウルに落とす。
「もう一回」
 だよな。言うと思った。本当だったら今の手本を二回見せられたはずなのに、僕の八つ当たりで未だに一回しか見せられていない。流石に罪悪感を感じた僕は三個目の卵を手にとった。
「よく見てろよ」
「はいっ」
 返事だけは一人前だな。同じ肯定をもう一度繰り返した僕は、未来に同じようにやってみろと促がした。未来は震える手で卵を持ってボウルのふちで叩いて五回目にしてようやくひびが入った。
「どうしようっ!ひび入った!」
 入れたくなかったみたいに聞こえるのは気のせいにしておこう。
「そしたら両手で持って……」
 親指で割り開く事が未来には怖いらしく、見事に卵を殻ごと潰してしまった。
「安心しろ、初心者は皆潰すところから始まるもんだ」
「そうそう。むしろ幸慈が神業すぎるだけだからなー」
 鹿沼のフォローは良いが、伯父さんの言葉には棘しか感じない。
「取り合えず、卵が二個割れたら教えてくれ」
 その場を鹿沼に任せた僕は、更に卵を三個割り卵黄だけをボウルに入れ菜箸でかき混ぜた後。必要な材料と道具を用意した。
「かるがもの親子みたいだな」
 僕の方を笑いながら言う伯父さんの言葉に後ろを振り返ると、ビデオカメラを構える檜山バカが立っていた。どうやら僕が移動する度にくっついて歩いてきていたらしい。
「何作るの?」
 手伝う気の無いやつは黙ってろ。やかんに水を入れて火にかけた後、牛乳と砂糖の分量を計量してポットのお湯を少し湯飲みに入れた。フライパンと鍋をガスコンロの上に置いた僕はオーブンを予熱設定してプリンカップを用意した。
「プリンカップ?プリン作んの?」
「プリン!?……あ」
 檜山おとこの言葉に盛大に反応した未来は今日何個目かの卵を潰した。
「卵だけは割れるようになろうな」
 僕の言葉に未来は小さく頷いた。
 フライパンに砂糖と水を入れた僕は焦がさないように気をつけながら砂糖が茶色くなったのを確認してすぐに湯飲みに入っていたお湯を少し加える。加えた直後は大きな音が鳴る為、それに驚いた未来は手に持っていた卵をボウルに落とした。大丈夫かと心配しながらも、砂糖が固まらないうちにスプーンで用意したカップへ均等に流し込む。
「幸慈ってパティシエになりたいの?」
 なんでそうなる。檜山まバカの言葉を無視してフライパンを流しへ移しお湯に浸けた後、鍋に用意していた牛乳を半分入れ火にかけた。木べらでかき混ぜながら牛乳を沸騰させ、火を止めて砂糖と残りの牛乳を加えてよく混ぜる。
「割れたよ!」
「そうか。よく頑張ったな」
「うん!」
 鍋をそのままにして、未来のところに戻った僕は、さっき混ぜた卵の入ったボウルを手に持った。
「次はこうやって卵をかき混ぜるんだ」
 菜箸を未来に渡すと、最初はおぼつかなかった手付きもさまになってきた。
「鹿沼は好きな味付けとかあるか?」
「秋谷は甘いのが好きだよねー」
 からかうように金髪が言うと、その言葉に未来は目を輝かせた。
「じゃ、じゃあ俺と一緒だね!」
 笑顔で嬉しそうに言う未来の言葉に、鹿沼は小さく笑って頷いた。
「甘いよー。ムカつく位に甘すぎるー」
「じゃあプリンは無しだな」
「食べるよ!好物だもん!」
 鹿沼の言葉に反発する子供は放っておこう。
「嫁さんの分もくれー」
「違う器のが二個あるからそれ持って帰って良いよ」
「多木崎先生ってば結婚してんの!?早く言ってよー」
「見て解るだろ」
 自慢げに結婚指輪をチラつかせる伯父さんの姿に肩を竦めながら、未来の溶いた卵に砂糖を入れたりして味付けをする。
 オーブンが予熱が出来たとブザーを鳴らしてきた為、先にプリンの作業を進めさせてもらうことにした。鍋の中身を僕が溶いた卵の入ったボウルに流し入れよく混ぜた後、中身を別のボウルにこしながら移しカップに均等になるように流しいれた。黒皿にカップを並べ、やかんで沸かした熱湯を流し湯煎状態にしてオーブンにセットしてスタートボタンを押す。
「プリンー、プリンー」
「未来はプリン好きなのか?」
「好きだけど、幸慈のプリンは格別なんだよ。もう他のプリンじゃ物足りないって位なんだ」
「そうか」
 物足りないと言ってもらえるのは有難いが、そう言われたら鹿沼がプリンをあげ難いだろうが。仕方ない、今度時間があったら鹿沼に作り方を教えてやるか。
 フライパンとボウルを洗い終わった僕は、油とフライ返しを用意した。卵を二個ボウルに割り入れ粉末のだしを加え菜箸で軽く混ぜたものを持ってガス台の前に立つ。
「よし。心の準備は良いか?」
 そう言って、卵焼き用のフライパンをガス台に置いた。
「お、お手本は?」
「もちろん見せるさ」
 一回だけな。僕は火をつけてフライパンに薄く油をひいて卵の半分を流しいれる。
「ちゃんと均等になるように入れるのが大事だけど、一回目は形が崩れても気にしなくて大丈夫だ」
「そう言いながら綺麗に作るところは流石だよね」
 檜山おとこの言葉に未来がウンウンと頷く。
「そろそろ巻いてくけど、最初のは芯にするのが目的だから適当に……こんな感じで」
 説明しながら手本を見せる横で、どこが適当なんだ、と、再び呟く檜山おとこの声に振り返る。
「不満があるなら食うな」
「幸慈に不満なんて有るわけ無いじゃん」
「不気味な事を言うな」
「不気味(そうだよね。普通は男に言われたら不気味だよね)」
 真顔で返事をかえされると不気味以外の何者でもない。残りの手順を説明し終えた僕はフライパンの前に未来を誘導した。
「一回目は適当、一回目は適当」
 何度も言葉を繰り返す姿は、もはや自分に催眠術をかけている様にすら見えてきた。
「今日はやり方だけ覚えれば良いから、そんなに力むな」
「そうだよー。幸慈だって最初から出来たわけじゃないだろうしー」
「まぁな」
 僕はその場を二人に任せて、ジャガイモと人参の皮を剥くことにした。後はジャガイモと人参をレンジで温めてる間にきゅうりとハムを切って、ウインナーとアスパラのベーコン巻きを同じフライパンで炒める。ご飯だけは家庭科室に来てすぐに炊き始めたから終業の少し前になるはずだ。
「出来た!」
 出来たと言う玉子焼きは焦げ目が多く、太さも形もいびつで、お世辞にも美味しそうとは言えない出来栄えだった。柄にもなく初めて作った卵焼きを思い出したが、未来程ではなかった記憶がある。
「初めてにしては上手だよ!」
 真っ黒だぞ。
「さすが未来だな」
「二人の応援のお陰だよー」
 二人のお陰。その中に、僕は入ってない。
「幸慈が手本を見せてくれなかったら俺達だってわかんなかったよー」
「多木崎の教え方は上手いな」
「うん!」
 今は結果論でも僕の事を口にするが、そのうち必要とされなくなる日の事を忘れてた。そうだよな。未来の一番は、もう僕じゃないんだ。
「未来、卵焼きついでにウインナーとベーコン巻きも炒めてくれ」
「タコは幸慈がやってくれるんじゃないの!?」
「切れ目はいれた」
「そうじゃなくてさ!」
 ぎゃーぎゃー喚く檜山おとこを黙らせる為に見本で作った卵焼きの切れ端を口に突っ込んだ。
「美味っ!世界で一番美味い!」
 余計に騒がしくなってしまった事に肩を落とす。未来と鹿沼にサラダ作りを頼むことにして、冷蔵庫からフライパンで焼く物を全部取り出して調理台に並べた。
「美味しそー」
 涎を垂らす姿に溜め息を零しながら、ウインナーとベーコン巻きをフライパンに入れる。炒めながら未来に指示を出すのは予想してたよりも大変だと学んだ。味付けした魚や肉を半分焦がして炭にした姿には少しだけ同情はしておこう。出来たものを弁当箱に詰めていく未来の顔は真剣そのもので、最初に嫌がってた人物とは別人の様だった。
「もしかしなくても、弁当に入りきらなかったやつは俺が持って帰っても問題なかったりする?」
「まぁ、するけど、何でだ?」
「やったー!幸せー!」
 勝手に言ってろ。
 プリンが蒸しあがって人肌程度に冷まし、冷蔵庫で冷やしてる間にも檜山おとこの腹は空腹を訴え始め、今では机に突っ伏して動かなくなった。
「ヒーくん大丈夫?」
「放っとけ」
 鹿沼の言葉に頷きながら、僕はようやく片付けに入った。
「伯父さん、伯母さんのプリンこれに入れて持って帰って良いよ。保冷剤もあるから」
「おー、悪いな。よろしく伝えておくから安心しろ」
 それはどうも。
「ゆで卵は良かったの?」
「サラダの飾りに使うくらいだから大した問題じゃない」
「あるよっ!彩りは大事だよ!」
 男のくせに彩りを気にするな、と、言いたいが、母さんや未来の弁当を作る際に、自分も気にかけるから言い返せない。
「女に頼め。たくさん居るだろ」
 黙ってるのも悔しいので他の角度で言い返すことにした。
「居ないし!」
 僕に水をかけてきた女がいるだろ。昨日の事を思い出して苛立ちはしたが、どうにかそれを引っ込めた。
「さっきも屋上で携帯鳴りっぱだったじゃねぇか」
「ヒーくん……」
「そんな目で見ないでー!」
 疑いの眼差しに耐えながら必死に自分をフォローする姿はかなり情けなかった。
 片付けも終わり、弁当に詰められなかった分のおかずでおにぎりを三個作って今日のお礼にと伯父さんに渡した僕は、その場で大きく伸びをした。
「お疲れ」
「全くだよ」
「今日は帰ったらすぐに寝ろよ。顔色悪いぞ」
 僕の頭を撫でながら小声で注意してくる伯父さんの言葉に頷いて、ずれた眼鏡を直す。
「電話の件だけど、今すぐにでも頼みたいって言ってたぞ」
「解った。放課後保健室に行くから」
「あいよ。てか、伸びなんて無防備な姿見せてると喜ばすだけだぞ」
 伯父さんの言葉が解らなくて眉間に皺を作った僕を誘導するように、伯父さんの指が右を指す。追いかけた指の先では檜山おとこがホウキ片手に笑顔でビデオを構えていた。僕と笑顔の共通点が理解出来ない。
「さて、掃除が終わったなら俺は行くぞ」
「今日はありがとう。それと、プリン忘れるなよ」
 僕の言葉に手を振って家庭科室を出て行った伯父さんの後姿に溜め息を吐いた後、気が付けば再熱していた金髪の弁論大会に頭を抱えた。
「秋谷だって俺と同じなんだからね!」
「知ってるもん!」
「知って……るの?」
 檜山おとこの言葉に未来は不貞腐れたように頷いた。そうか、知ってるのか。知っても、それでも鹿沼を選んだんだな。僕が思っているよりもずっと強くなっていた未来の姿に寂しく思いながら冷蔵庫からプリンを取り出したが、まだ固まってはいなかった。プリンを戻しながら、鹿沼がこれを作れるようになったら僕なんてすぐに必要なくなってしまうかもな、なんて考える。
「何時まで言い合っても構わないが、場所は変えないか?」
 僕の言葉に鹿沼は未来を宥め巾着に弁当箱をしまい始める。金髪は自分の分を手早くレジャーシートと水筒の入った紙袋に入れ、余ったおかずの入ったタッパを冷蔵庫にしまう。だらしなく笑って僕の手元を見てくる不良に息を吐く。
「プリン出来た?」
「まだだ。弁当を食べ終わったら取りに来ればいい」
「プリンー」
 どんだけ好きなんだ。外したエプロンを適当に畳んで紙袋に入れる。未来は洗って返すと言ったがそれは断った。
 ピクニックに向かう足取りは重く、鞄を肩にかける頃には全員ドアのところで僕を待っていて息を吐く。一週間コンビニが混み合うのは耐えられるし大した問題じゃないと思えるが、今日みたいに賑やかな環境が明日も明後日も続くのかと思うとかなり長く感じてしまう。関わる人間が増えるのは嫌だ。間違えをおかさないように、口にしないように務める毎日を想像して、深い溜め息を吐きそうになる自分を罪悪感で押し殺す。
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