女王の目覚め

青森遥

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私は、子どもを授かっていた。母になっていた。その1

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 長い眠りから今、私は目覚めた。
 体つきが随分変わってしまっている。
 髪は前と同じだけれど、頬はこけ、胸が大きくなり、垂れ下がって老婆のようだ。
腰もまるで牛のようにガッシリしている。
 いったいどれだけ眠っていたのだろう。
侍女によると私は、聖母マリア様のように、清らかなまま、10人の子を産んだそうだ。となると、少なくとも10年以上眠っていた事になる。
 子は、誰かは、一生わからないことを私は、小さい頃から教えられていて、納得していた。
私は、国に貢献したのだ。それだけで、満足だ。
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