君に捧げる物語 ......TALK篇

＊０２８ 2023/11/08 『一眼レフの君』 了

君はわかっていない。

どんなに腕が良くても
どんなに高性能になったとしても

スマホで撮った画像と一眼レフで撮った画像は
見ればわかる人にわかる雲泥の差

スマホ越しの風景と
ファインダー越しの一眼レフの違い

どんなにスマホが高性能になっても
ファインダー越しの一眼レフには
敵わない風景のあたたかみやまろやかさ

どんな画像でも君が撮った画像にはかわりない
それでもね、見る者の心を動かすのは即席の画像じゃない。

君の魂が込められた、ファインダー越しの風景なんだ。
ファインダーから見る君の風景には愛が込められているから。

それを見る人にはわかるから。
捨ててほしくなかった。

君自身、わかってないよ。
君にとって一眼レフは君の心そのもので
失ったら穴が空いて
どんな景色も
からっぽの無機質なものになってしまうんだ。

どんなに美しい風景でも
どんなに素敵な風景でも

君の心がなくて、冷たく感じてしまうんだ

豊かさが、彩りが、無限な感動が

一眼レフは君そのもの
失ったら君でなくなる

もう一度、あの頃の君を取り戻して
あの輝いていた頃の君が愛しくて

一眼レフで撮る君は、何処までも眩しかった......