恵と凛の妄想幕末... 新撰組を捨てた男  

わらいしなみだし

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2 知らなくていい

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私が何故法度を犯したのか……
死罪を己の手で選択したのかは
誰にも知られることはない。

あのままいれば必ず新撰組は内部から崩壊するーーー

それを未然に防ぐ
それを決意したのは私なのだ。

私は誰も内部から死者を出したくはないのだ。
法度を犯すと幹部でさえこうなる末路……
見せしめになることさえ私は厭わない。

だから、だから私のために耐えておくれ。
誰よりも真っ直ぐでみなの思いを汲んで行動を起こす君を
君だからこそ大切に思うのだ。

私は仲間に恵まれている。
恵まれ過ぎたのかもしれない……

君は私の行動を諌めるだろう。
何がなんでも止めに入ろうとするだろう。

しかし、それではいけないのだ。
君たちは……知らない。

あのあと、何が起こったのかを……


だから私は悩んだ末に自ら法度を犯すことを選択したのだ。
二度と踏めない故郷と第二の故郷、試衛館を思いながら……。

私は新撰組を愛している。
穢れそうになった新撰組を彼奴らから奪った時の瞬間ーーー

新撰組が本当の新撰組になった。

試衛館仲間の私たちのものになった……。

近藤先生が率いる新撰組は素晴らしいものへと変貌していった。
京の民に恐れられつつも愛された新撰組。



戦えなくなった私にはもう……
居場所がないんだよ。

在るのはこの身ひとつのみ。
散るのなら、朽ちるのなら君たちの元で……

そう願わずにいられない。
きっと、きっとそれは

私の我が儘なんだ……



許しておくれ、我が友よ。




    
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