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※第二部 建白書 心の内編
第六話 1 屯所の奥の部屋
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屯所の奥の部屋へ向かい、襖を開ける
山南がその扉を開けると……
見るに耐えない二人の無惨な姿があり、その隣には寄り添うように山崎がいた……。
山南「山崎君……」
(な…なんということだ!)
信じられないとでもいうかのように……
山崎「や、山南様……。ど、どうして?」
(や、山南様?う、うそだ……みつかって……)
山南「本当に、本当に君が一人で……」
(こんな……こんなことが……。)
山崎「あ、あの、あの……」
(ど、どうすればいい?みつかってしまった!それも山南様に……!考えなきゃ……二人を護るためにも……)
山南「いいんだよ……わかっているから……。でもね、もうこれからは独りで背負わなくてもいい、私にも背負わせておくれ……。何も言わなくていいから、今日はゆっくりやすみなさい」
(こんな事になっていたとは……私の責任は計り知れない。せめて少しでも償わねば…)
山崎「で、ですが……」
(これは俺が決めた事!)
山南「よくやってくれたね、山崎君。御苦労であった……」
(本当に君はよくやってくれたよ…)
山崎「山南様……」
(山南様が俺を…俺なんかを労ってくれてる?なんでだろう……。う、嬉しい……)
山南「あとは私が看るからもう行きなさい」
(監察の仕事をこなしながらこの上、このような辛い仕事を……少しでも休ませてあげねば、身が持たぬというものだ……)
山崎「で、ですが山南様……」
(少しでも一緒に仕事がしたい。たとえ、この先辛いことになっても……!)
山南「どうしたんだい?」
(私はもしかして差し出がましい事を言ったのでは?だが私に責任があることなのだ)
山崎「ですがやはり俺、ここまで看たんです。せ、責任があります……だから、さ、最後まで看たいんです……お願いします!」
(出来る限りお願いして聞き入れてもらおう!俺はこのチャンスを逃したくはない!!)
山南「わかったよ……君は律儀な上に人優しいんだね。責任感も強い。嬉しいよ。君みたいな人が二人を看てくれていただなんて……。山崎君、無理はしないという約束でいいかな?」
(本当にいい子だな……。山崎君みたいな子が監察をしているとは。若いとはいえ、こういうのは心身共疲労する。今日は何が何でも休んでもらうとしよう)
山崎「は、はい!よ、喜んで!」
(これから此処では山南様と一緒にいられる……辛い看病でも耐えられる……!)
山南「では、今日は私が看るとしよう。行きなさい。明日からまた、頼むよ」
(少しでも山崎君の負担が軽減出来ればいいのだが……。これほど辛い仕事もあるまいて……)
山崎「は、はい!わ、わかりました」
(感謝します……。山南様……)
山南がその扉を開けると……
見るに耐えない二人の無惨な姿があり、その隣には寄り添うように山崎がいた……。
山南「山崎君……」
(な…なんということだ!)
信じられないとでもいうかのように……
山崎「や、山南様……。ど、どうして?」
(や、山南様?う、うそだ……みつかって……)
山南「本当に、本当に君が一人で……」
(こんな……こんなことが……。)
山崎「あ、あの、あの……」
(ど、どうすればいい?みつかってしまった!それも山南様に……!考えなきゃ……二人を護るためにも……)
山南「いいんだよ……わかっているから……。でもね、もうこれからは独りで背負わなくてもいい、私にも背負わせておくれ……。何も言わなくていいから、今日はゆっくりやすみなさい」
(こんな事になっていたとは……私の責任は計り知れない。せめて少しでも償わねば…)
山崎「で、ですが……」
(これは俺が決めた事!)
山南「よくやってくれたね、山崎君。御苦労であった……」
(本当に君はよくやってくれたよ…)
山崎「山南様……」
(山南様が俺を…俺なんかを労ってくれてる?なんでだろう……。う、嬉しい……)
山南「あとは私が看るからもう行きなさい」
(監察の仕事をこなしながらこの上、このような辛い仕事を……少しでも休ませてあげねば、身が持たぬというものだ……)
山崎「で、ですが山南様……」
(少しでも一緒に仕事がしたい。たとえ、この先辛いことになっても……!)
山南「どうしたんだい?」
(私はもしかして差し出がましい事を言ったのでは?だが私に責任があることなのだ)
山崎「ですがやはり俺、ここまで看たんです。せ、責任があります……だから、さ、最後まで看たいんです……お願いします!」
(出来る限りお願いして聞き入れてもらおう!俺はこのチャンスを逃したくはない!!)
山南「わかったよ……君は律儀な上に人優しいんだね。責任感も強い。嬉しいよ。君みたいな人が二人を看てくれていただなんて……。山崎君、無理はしないという約束でいいかな?」
(本当にいい子だな……。山崎君みたいな子が監察をしているとは。若いとはいえ、こういうのは心身共疲労する。今日は何が何でも休んでもらうとしよう)
山崎「は、はい!よ、喜んで!」
(これから此処では山南様と一緒にいられる……辛い看病でも耐えられる……!)
山南「では、今日は私が看るとしよう。行きなさい。明日からまた、頼むよ」
(少しでも山崎君の負担が軽減出来ればいいのだが……。これほど辛い仕事もあるまいて……)
山崎「は、はい!わ、わかりました」
(感謝します……。山南様……)
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