恵と凛の妄想幕末２ とある事件

第二部 建白書

第二十話 ５

容保「私は新撰組を当初から見知っておる。私が作った組織なのだからな。浪人風情の破落戸の集団から着実に実績を積み上げ立派な集団に作り上げた近藤の功績は計り知れぬところである。その統率力は新撰組には必要と私は考えるのだ……その意味がわかるか？」

永倉「……。近藤局長は。必要な人物であると……」

容保「そういう事だ。だからと言って永倉筆頭、他の新撰組の幹部も私は無くてはならない存在だと思うのだ。だから、何れかが腹を切れば本当に済む話だと思わないのだ。どちらが欠けて新撰組として機能するのか？欠けた後の新撰組は誰を筆頭として元のような新撰組として存在し続けるか？私には疑問に思える。新撰組が揺らいでは京の民の安定した暮らしはどうなるか？誰が見回ると？新撰組が見回って居る場所を放棄すると見廻組を回さねばなるまい。そうすると警備に割く人数が減ってしまう。未だ焦げ臭い京を新撰組は内部から崩壊し、何もかも見捨てるというのかい？永倉よ……答えては呉れぬか？」

永倉「い、いえ！そのようなことは……決して！」