恵と凛の妄想幕末２ とある事件

第二部 建白書

第十四話 ６

島田「はい……。今日、屯所の廊下で偶然関さんと見てしまったんやて。近藤局長と井上隊長が話をしておるところやて。話の内容が……わっち達が疑いたくなるような内容やったんやて……」
永倉「して……どのような話を？」
島田「隊長が一人減ったので隊の編成を見直し、隊を増やすような事を……」
原田「それなら何の問題もな……」
永倉「左之!!」
原田「わかったけぇ……睨まんで……ふん！」
永倉「して……近藤殿は何を仰った?!」
島田「井上隊長には……くっ……三番隊長から……外れてほしいと……」
原田「はあー?!」
齊藤「えっ?!」
永倉「……それは、事実上の『降格処分』って事か？」
島田「わっちには……そのように聞こえましたんやて。だけど、近藤局長の声は上機嫌で……」
原田「はぁー?!井上さんを降格させといて上機嫌じゃとぉー？隊士だけじゃのぉて、とうとう隊長にまで……」
齊藤「井上さんは弛みなく努力を重ね続け、遅咲きながらも天然理心流の免許皆伝までなされたお方……」
尾関「言いづらいのだが……齊藤隊長に三番隊長を任せて……近藤局長の……直属に……したいそうだ……」
原田「へ?!」