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第二部 建白書
第六話 3
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近藤「何の事だ?」
山南「安藤殿と新田殿のことです。何故あのような仕打ちを……」
近藤「ああ、あの二人か。彼らはよくやってくれた。だが、仕方あるまい。直に消え逝く者だ」
山南「そ、そのような言葉は……幾ら何でも、あ、あんまりです!局長の……近藤さんが述べる言葉ではありません!」
近藤「ほう……?」
山南「あの場で闘って傷を負った同士ではないですか!何故あんな風な扱いを受けねばならないのです?」
近藤「何を言っているのだ?闘いに敗れた者が生き残る?あり得ないだろう!」
山南「え?! な、何を仰っているのですか?そ、そんな……」
近藤「よく聞け、山南。軽傷ならまだしもあんな傷を負って生死をさ迷っておる者にこれ以上何をしてやれるというのだ?褒賞金もきちんと与えた。他に何があるというんだ!」
山南「局長だからこそ出来る事がある筈です!部屋に関してもですが治療をもっと充実させるとか……。一縷の望みがあるのでしたら尽力すべきです!手遅れになる前に助かったかもしれない……。せめて、せめて彼らに会ってやって労いの言葉ひとつでも掛けて下さっていれば……彼らも少しは救われるかと……。考え直してくれませんか?」
近藤「救われる?言葉だけでか?助かる?あの傷でか?笑わせるな。もう既に戦力にもならぬ者に金を使うほど新撰組の禄は豊富ではない。助からぬ者にどんな言葉を言えというのだ?」
山南「顔を見てひとこと言ってもらえるだけで嬉しいものなのです!禄だって関係ありません。命の方が大切ではありませんか!幹部職の給金を少しずつ減らせば何とでもなります。仲間の為なら皆惜しまないでしょう!部屋もあんな黴臭い部屋では治る者さえ治りませぬ。空気が澄んだ場所の部屋を与えるべきです。着るものもですが……」
山南「安藤殿と新田殿のことです。何故あのような仕打ちを……」
近藤「ああ、あの二人か。彼らはよくやってくれた。だが、仕方あるまい。直に消え逝く者だ」
山南「そ、そのような言葉は……幾ら何でも、あ、あんまりです!局長の……近藤さんが述べる言葉ではありません!」
近藤「ほう……?」
山南「あの場で闘って傷を負った同士ではないですか!何故あんな風な扱いを受けねばならないのです?」
近藤「何を言っているのだ?闘いに敗れた者が生き残る?あり得ないだろう!」
山南「え?! な、何を仰っているのですか?そ、そんな……」
近藤「よく聞け、山南。軽傷ならまだしもあんな傷を負って生死をさ迷っておる者にこれ以上何をしてやれるというのだ?褒賞金もきちんと与えた。他に何があるというんだ!」
山南「局長だからこそ出来る事がある筈です!部屋に関してもですが治療をもっと充実させるとか……。一縷の望みがあるのでしたら尽力すべきです!手遅れになる前に助かったかもしれない……。せめて、せめて彼らに会ってやって労いの言葉ひとつでも掛けて下さっていれば……彼らも少しは救われるかと……。考え直してくれませんか?」
近藤「救われる?言葉だけでか?助かる?あの傷でか?笑わせるな。もう既に戦力にもならぬ者に金を使うほど新撰組の禄は豊富ではない。助からぬ者にどんな言葉を言えというのだ?」
山南「顔を見てひとこと言ってもらえるだけで嬉しいものなのです!禄だって関係ありません。命の方が大切ではありませんか!幹部職の給金を少しずつ減らせば何とでもなります。仲間の為なら皆惜しまないでしょう!部屋もあんな黴臭い部屋では治る者さえ治りませぬ。空気が澄んだ場所の部屋を与えるべきです。着るものもですが……」
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