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女人禁制の☆あみだん☆開始!
83 宣戦布告 3☆
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出てきた男子生徒が廊下を歩き階段を降りようとするところで、壁に凭れて待っていた別の男子生徒が声をかけた。
その声に振り向いた生徒は見慣れない奴だった。
「何してたんだ?」
突き刺すような鋭い眼で話しかけたにも関わらず、生徒は動じることもなく一瞥して過ぎ去ろうとする。
「あんたにはカンケーない」
「関係なくないんだけど?あいつは此処の俺等の同好会の代表だからな」
生徒はその言葉に足が止まる。
こめかみがピキッとなる。
俺等って……なんなんだよ……。
鋭い目で睨んでくる男に吐き捨てた。
「それでもカンケーねぇだろ?」
「俺も狙ってる一人だとしたら、どうなんだ?」
ニヤニヤする男を腹立たしく思いながら睨み返した。
その笑みは満更でもないような腹立たしいことに嘘を言っている顔には見えない。
「!」
他の誰のものでもない!
俺のものだ!
そう言いたくても言えない理由が自分を蝕んでいて燻っている。
「まぁ、そんなことしても無駄だろ?あいつは村瀬って奴のイロなんだぜ?」
……そんなこと、百も承知だ。
握る手に力が入る。
悔しさは何処にも行くところがない。
「一年だよな?おまえ」
「だとしたら……なんなんですか」
相手を睨む。
だがそいつは挑発するように嘲笑って絶望を放つ。
「お前は知らないだろうけど、あいつは結構人気あるんだぜ?動画だって流れてるしな」
「……動画?」
動画という思いもよらない言葉に意味を図りかねていた。
キョトンとする男に内心笑いが止まらない。
そんな顔、歪ませてやっからよー
悪意を隠すことなく優位を見せつける。
「やっぱ一年坊主は知らねーよな?俺、買ったからあるぜ?あいつの動画。お前にはもったいねーけど、見るか?」
「……」
平然としながら見たくはないという様子の男にスマホを操作してその画像を勝手に流して顔の真ん前で見せつけた。
「あの表情だけじゃなく、あんな声出せるんだぜ?」
顔色が一瞬で変わるそいつに最後まで見せた。
だんだんアップになる顔の表情。
喘ぎ声だってますます強くなる。
最後にはイッたような叫ぶような声が……絶望の色に変わる。
「ソソルだろ?」
からだがプルプル震えて我慢しているそいつに現実を突きつけて見下すように鼻で笑った。
「これが流れてからさー、かなりのファンが出来たってこと、狙ってる奴が数多くいることだ。まぁ、村瀬がいるから誰も手ぇ出せないだけなんだろうけど」
歯を食い縛っているそいつがあまりにも憐れで笑いが止まらない。
でも、その男はそいつがした行為を許す気にはなれなかった。
「俺もいるってことを覚悟するんだな」
寝入りを襲うって……ゲスなんだよ……。
「それからこそこそすんな。あいつの意思を無視してそんなことする奴、俺が許すかよ」
「それでも……お前にはカンケーない」
からだの震えと放つ言葉が噛み合わない。
強がってるだけのゲス男になんか、絶対渡すわけにはいかねーんだよ。
いずれアイツは……。
「覚悟もないんなら、これ以上手ぇ出すなよ。出したら……」
ドスの効いた低音ボイスでソイツの顔を覗き込む。
「俺の権限で……お前を潰すからな」
言い捨てて男はその場から立ち去った。
その声に振り向いた生徒は見慣れない奴だった。
「何してたんだ?」
突き刺すような鋭い眼で話しかけたにも関わらず、生徒は動じることもなく一瞥して過ぎ去ろうとする。
「あんたにはカンケーない」
「関係なくないんだけど?あいつは此処の俺等の同好会の代表だからな」
生徒はその言葉に足が止まる。
こめかみがピキッとなる。
俺等って……なんなんだよ……。
鋭い目で睨んでくる男に吐き捨てた。
「それでもカンケーねぇだろ?」
「俺も狙ってる一人だとしたら、どうなんだ?」
ニヤニヤする男を腹立たしく思いながら睨み返した。
その笑みは満更でもないような腹立たしいことに嘘を言っている顔には見えない。
「!」
他の誰のものでもない!
俺のものだ!
そう言いたくても言えない理由が自分を蝕んでいて燻っている。
「まぁ、そんなことしても無駄だろ?あいつは村瀬って奴のイロなんだぜ?」
……そんなこと、百も承知だ。
握る手に力が入る。
悔しさは何処にも行くところがない。
「一年だよな?おまえ」
「だとしたら……なんなんですか」
相手を睨む。
だがそいつは挑発するように嘲笑って絶望を放つ。
「お前は知らないだろうけど、あいつは結構人気あるんだぜ?動画だって流れてるしな」
「……動画?」
動画という思いもよらない言葉に意味を図りかねていた。
キョトンとする男に内心笑いが止まらない。
そんな顔、歪ませてやっからよー
悪意を隠すことなく優位を見せつける。
「やっぱ一年坊主は知らねーよな?俺、買ったからあるぜ?あいつの動画。お前にはもったいねーけど、見るか?」
「……」
平然としながら見たくはないという様子の男にスマホを操作してその画像を勝手に流して顔の真ん前で見せつけた。
「あの表情だけじゃなく、あんな声出せるんだぜ?」
顔色が一瞬で変わるそいつに最後まで見せた。
だんだんアップになる顔の表情。
喘ぎ声だってますます強くなる。
最後にはイッたような叫ぶような声が……絶望の色に変わる。
「ソソルだろ?」
からだがプルプル震えて我慢しているそいつに現実を突きつけて見下すように鼻で笑った。
「これが流れてからさー、かなりのファンが出来たってこと、狙ってる奴が数多くいることだ。まぁ、村瀬がいるから誰も手ぇ出せないだけなんだろうけど」
歯を食い縛っているそいつがあまりにも憐れで笑いが止まらない。
でも、その男はそいつがした行為を許す気にはなれなかった。
「俺もいるってことを覚悟するんだな」
寝入りを襲うって……ゲスなんだよ……。
「それからこそこそすんな。あいつの意思を無視してそんなことする奴、俺が許すかよ」
「それでも……お前にはカンケーない」
からだの震えと放つ言葉が噛み合わない。
強がってるだけのゲス男になんか、絶対渡すわけにはいかねーんだよ。
いずれアイツは……。
「覚悟もないんなら、これ以上手ぇ出すなよ。出したら……」
ドスの効いた低音ボイスでソイツの顔を覗き込む。
「俺の権限で……お前を潰すからな」
言い捨てて男はその場から立ち去った。
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