あみdan

女人禁制の☆あみだん☆開始！

79 ひとりごと ☆村瀬side

　神崎川が墓穴を掘れば掘るほど翔琉は僕に近くなる。

　その距離は見えるように僕の元へ向かっていく。
　一筋の流れのように……
　それはきっと必然だ。

　神崎川がそうしたいんじゃなくてもそうなる。
　神崎川に寄ってくるあの女がいる限り。

　校門で誰かを待っていたあの女の所へ血相を変えて神崎川が走ってったのを見てから、二人はただならぬ関係だって想像した。
　翔琉にあの女の話をした時の顔の翳りを見て、想像が確信になった。

　あの女が神崎川の彼女だってこと。

　神崎川は翔琉のことを「特別」だと思っていたし、実際のアイツの態度をみたらそうとしか思えなかった。

「ゲイ」だとは思ってはいなかったけど、「完全にノーマル」じゃん？

　ま、俺もそうだったんだけど……本気で翔琉を、男を好きになるとは思ってなかったなぁ……。

　翔琉が神崎川のことを特別に想っているのは何となくわかる。
　それがどのような特別なのかは正直計りかねてる。
　好きだとは思うけど……どの好きなのか、もしかしたら翔琉自身わかってないかもしれないし……。
　都合のいい解釈？
　そうであって欲しいと思う僕の願望なのかもしれないけどね。

　それでもあの男には歴とした彼女がいる。
　フリーな僕の方が勝ち目あるんじゃない？

　神崎川、せいぜい彼女と仲良くしろよ。
　その女の隣で……歯軋りしながら見てればいい。

　僕が翔琉を美味しく頂戴するからね。