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女人禁制の☆あみだん☆開始!
47 GWの約束 4
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気がつくとグラウンドを見える場所まで歩いてたみたいだ。
金網にもたれ掛かっていたのは智さんでその隣にしゃがんでいたのは神崎川だった。
とっくに二人とも制服に着替えてしたし、部員はもう誰もいない。智さんのファンだって帰ったみたい。
二人は何やら真剣に話をしているようだった。
俺が近くまで来たのが最初にわかったのは神崎川だった。
「よう……」
「あ、遅くなって……ごめん」
先に声を掛けられた神崎川に謝った。
「翔琉、遅かったね……。心配したんだよ……ちょっと来て……」
「え?ちょ、ちょっと……智さん?」
神崎川は何も言わずにそのままの状態。
俺は智さんに引っ張られて神崎川が見えない場所まで連れていかれた。
「ちょっと、ちゃんと顔見せて」
「え?え……?!」
俺は悪いことをした気持ちが胸に広がってギュッと目を瞑った。
俺自体は悪いことはしていない。
でも……されたほうなんだけど、こればっかりは言える話ではない。
見透かされるのが怖くて……早くなにかわからないものを終わってほしいとただただ願った。
「誰?」
「あ、あの……」
バレちゃってるの?
どうして?
ただただたじろく俺。
「はぁ……ごめん、やきもち妬いちゃうんだ。翔琉ってやっぱり狙われやすいんだってつくづく思ったよ……」
「あ……ごめんなさい」
俺は目を開いて智さんの表情を見た。
優しい笑顔なのに辛そうな智さん。
智さんに悲しい思いなんかさせたくなかったのに……
俺の身勝手で一緒にいてくれる大切な人なのに……
「僕の所有痕……僕のと違うのがあるんだけど?……反対側も、軽い噛み痕?……誰?」
智さんが俺の首を両手で撫でる。その撫でる指の動きは優しくて……でも敏感な俺にはそんなのって困るんだけど……
「あッ……!」
思わず頭を仰け反らせる。
それが合図かのように智さんが所有痕に口づけをする。
いつもの行為だけど……慣れはしない。
この場所だけは……智さんのものだって許したのは俺なのだから……。
智さんは徐々にその場所を吸い付いて……痕をつけ始めた。
じょうちゃん……
どんな想いで俺を待っていてくれているのだろう?
今、俺が何をされているのか……知っているのだろうか?
できるだけ声が出ないように唇を強く噛み締める。
数秒のことなのに背徳感で何十秒にも感じてしまう行為。
その行為が終わったら……智さんは噛み痕があるところにも唇を寄せて軽くキスをした。
「消毒は終わったから……。お願いだからひとりにはならないで。約束して。で、何処にいたの?」
……言わなきゃ……いけないのだろうか?
黙ってたら……切り抜けられる?
そんなことは……ないって、わかってる。
俺は簡単に観念した。
「生徒会室……」
「ま、マジ……?あーいちばんヤバイ奴じゃん……生徒会長に目をつけられたってことなの?」
「……そうみたいです」
やっぱりそんなにヤバイんだ……。
田岡先輩が言っていたことは本当だったんだ……。
「クラスに友達いる?」
「はい、神崎川もいますし」
「じゃあ、休み時間とかは大丈夫だな……」
なにか考え事をしているみたいに口許に握り拳を押し当てている。
「翔琉。お願いだから休み時間は絶対友達から離れないで。昼休みは僕が迎えに行くよ。教室に僕が行くのは嫌がるのはわかってる。でもね、危険な目には合わせたくないんだ……わかってくれる?」
そこまで心配してくれるだなんて……。
こんなにも優しい人を俺は利用してるんだ。
好きになんて……なれる筈ないのに……。
知っているのにそれを許してくれる心の大きな人だと……おもう。
「は……はい……」
頷いた俺をくしゃくしゃと頭を撫でて俺の腕を取った。
「神崎川が待ってるから……行こっか……」
用事が済んだとばかりに俺を解放してくれる智さん。
お互い約束は守っているし守ってもくれている。
こんな関係……きっと誰にもわからない。
「はい!」
俺は智さんの背中を追って歩き出した。
じょうちゃんが……神崎川が待つグラウンドへ……。
金網にもたれ掛かっていたのは智さんでその隣にしゃがんでいたのは神崎川だった。
とっくに二人とも制服に着替えてしたし、部員はもう誰もいない。智さんのファンだって帰ったみたい。
二人は何やら真剣に話をしているようだった。
俺が近くまで来たのが最初にわかったのは神崎川だった。
「よう……」
「あ、遅くなって……ごめん」
先に声を掛けられた神崎川に謝った。
「翔琉、遅かったね……。心配したんだよ……ちょっと来て……」
「え?ちょ、ちょっと……智さん?」
神崎川は何も言わずにそのままの状態。
俺は智さんに引っ張られて神崎川が見えない場所まで連れていかれた。
「ちょっと、ちゃんと顔見せて」
「え?え……?!」
俺は悪いことをした気持ちが胸に広がってギュッと目を瞑った。
俺自体は悪いことはしていない。
でも……されたほうなんだけど、こればっかりは言える話ではない。
見透かされるのが怖くて……早くなにかわからないものを終わってほしいとただただ願った。
「誰?」
「あ、あの……」
バレちゃってるの?
どうして?
ただただたじろく俺。
「はぁ……ごめん、やきもち妬いちゃうんだ。翔琉ってやっぱり狙われやすいんだってつくづく思ったよ……」
「あ……ごめんなさい」
俺は目を開いて智さんの表情を見た。
優しい笑顔なのに辛そうな智さん。
智さんに悲しい思いなんかさせたくなかったのに……
俺の身勝手で一緒にいてくれる大切な人なのに……
「僕の所有痕……僕のと違うのがあるんだけど?……反対側も、軽い噛み痕?……誰?」
智さんが俺の首を両手で撫でる。その撫でる指の動きは優しくて……でも敏感な俺にはそんなのって困るんだけど……
「あッ……!」
思わず頭を仰け反らせる。
それが合図かのように智さんが所有痕に口づけをする。
いつもの行為だけど……慣れはしない。
この場所だけは……智さんのものだって許したのは俺なのだから……。
智さんは徐々にその場所を吸い付いて……痕をつけ始めた。
じょうちゃん……
どんな想いで俺を待っていてくれているのだろう?
今、俺が何をされているのか……知っているのだろうか?
できるだけ声が出ないように唇を強く噛み締める。
数秒のことなのに背徳感で何十秒にも感じてしまう行為。
その行為が終わったら……智さんは噛み痕があるところにも唇を寄せて軽くキスをした。
「消毒は終わったから……。お願いだからひとりにはならないで。約束して。で、何処にいたの?」
……言わなきゃ……いけないのだろうか?
黙ってたら……切り抜けられる?
そんなことは……ないって、わかってる。
俺は簡単に観念した。
「生徒会室……」
「ま、マジ……?あーいちばんヤバイ奴じゃん……生徒会長に目をつけられたってことなの?」
「……そうみたいです」
やっぱりそんなにヤバイんだ……。
田岡先輩が言っていたことは本当だったんだ……。
「クラスに友達いる?」
「はい、神崎川もいますし」
「じゃあ、休み時間とかは大丈夫だな……」
なにか考え事をしているみたいに口許に握り拳を押し当てている。
「翔琉。お願いだから休み時間は絶対友達から離れないで。昼休みは僕が迎えに行くよ。教室に僕が行くのは嫌がるのはわかってる。でもね、危険な目には合わせたくないんだ……わかってくれる?」
そこまで心配してくれるだなんて……。
こんなにも優しい人を俺は利用してるんだ。
好きになんて……なれる筈ないのに……。
知っているのにそれを許してくれる心の大きな人だと……おもう。
「は……はい……」
頷いた俺をくしゃくしゃと頭を撫でて俺の腕を取った。
「神崎川が待ってるから……行こっか……」
用事が済んだとばかりに俺を解放してくれる智さん。
お互い約束は守っているし守ってもくれている。
こんな関係……きっと誰にもわからない。
「はい!」
俺は智さんの背中を追って歩き出した。
じょうちゃんが……神崎川が待つグラウンドへ……。
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