あみdan

わらいしなみだし

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女人禁制の☆あみだん☆開始!

38 ・・・?

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 田岡先輩から現金を手渡されそれをとりあえず財布の中へ入れた。出水先輩に金庫から出していたノートを渡され「この場所にサインを」と言われた所にサインをした。

 その項目名は嬉しいことに『男子編み物部同好会』と書かれていた。

 同好会の前に……『部』がついている?
 『男子編み物同好会』でも嬉しいのに?

 もしかして書いてる言葉、間違ってたりするのかも……
 でも、なんか……『男子編み物部同好会』って言葉、いいよね?

 なんてことを思いながら、そんなのを見ただけでも感慨深くなっちゃって心がジーンと来ちゃう!
 ああ……この感動に暫し浸っていたい!

 でも、ここは生徒会室。
 俺の居場所ではないからね。
 早くグランドに行かなきゃ……智さん、じょうちゃんが待ってる!

 気持ちが逸るのを抑えながら俺は三人の顔を見た。

 出水先輩からお金……男子編み物部の活動費を頂戴したので此処から立ち去ろうと挨拶をしようとした時、戸神さんが出水先輩に尋ねた。

「皆は?」
「もう帰りましたよ。残っているのは僕だけです。僕さえいれば問題なかったでしょ?」

 ちょっと冷た気に話して顔をムッとさせているけど、愛情の裏返しのようで柔らかい心地になる。

 その空気を一瞬で変えたのが……次の言葉だった。

「僕たち、あっちにいるから、先に帰ってもいいよ」

「え?ど、どうして?」

 ガタンと立ち上がる出水先輩に驚きながら俺は戸神さんに肩を手で寄せられてた。突然のことで驚くことも出来ずにいた。
 理由は三人のやりとりにあったんだけど。

「ちょっとね!」

 ウインクつき。

「邪魔すんなよ」

 睨みながら言うわりに口許だけが笑っているような? 田岡先輩。
 その顔は勝ち誇っている。

 クッ……

 項垂れる出水先輩を余所に促されるように俺は戸神さんに歩かされていた。

 そこは生徒会室の左奥、扉があってノブの横には電子機器のようなものが設置されていた。

「ここは?」
「生徒会の会長専用室。特別に見せてあげるね!」

「別にいいです。俺、生徒会関係者じゃないし……」
「そんなこと言わずに……ね?」

 戸神さんっていつも思うんだけど強引なんだよね。
 
 生徒会会長という役職所以なのだろうか?
 それとも本来の気質……とか?

 俺が躊躇しているのも束の間、そんなことはお構い無く田岡先輩が電子機器を指で操作していてそうこうするうちにロック解除の音がカチッとなる。
 戸神さんがドアを開けた瞬間、田岡先輩に背中を強めに押され俺の気持ちとは関係なく生徒会長の部屋の中に入ってしまった。

 それに続くのは戸神さんと田岡先輩。

「じゃーねー!」

 手をヒラヒラとさせながら出水先輩に挨拶をして田岡先輩がドアを閉めた。
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