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女人禁制の☆あみだん☆開始!
29 自己紹介 6
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相沢君は俺の顔を見て一瞬固まったような態度を示したけど直ぐに俺の方へ歩み寄った。
「なーに泣いてんだよ……。俺、鳴海を泣かすよーなこと、全然言ってねーし?」
「え、あ、うん。ちょっと、感動しちゃって……」
「感動するよーなとこ、全っ然ねーし?」
拗ねた口調で軽く俺を睨む相沢君。
相沢君は俺の溢れた跡を右手の親指で追って拭った。
ぶっきらぼうな口調なのに動かす指は優しくて……
「だって……此所に来たんだもん……」
相沢君が冷やかしで入部したのはわかってた。
それなのに相沢君は不器用ながらも編み物に真剣に向き合ってくれてた。
そして……一本の毛糸から作られていくものに感動してくれてた……
そんな相沢君の言葉を耳にして、俺の心が響かないわけがないじゃないか!
胸がいっぱいになって嬉しくて……どうしようもない。
それはきっと、編み物にまったく興味がなかった相沢君がくれた言葉だからだと思う。
俺は自分の左胸、心臓があるところを右手でおさえた。
そんな俺の態度を見た相沢君は暫く唖然としているように見えた。
そして、指を少し開けた状態の手で顔を隠した相沢君の顔は何故か赤く染まっていて、体を小刻みに震わせているようだった。
「ほ、ホントに、鳴海って……小悪魔か?……それともやっぱ天然か?……もう、スゲーやべーんだけど……」
「ん?なにが?」
俺には相沢君が何を言っているのか意味がわからない。
「あーもう!」
気がついた時には相沢君の腕の中にすっぽり収まっていた。
「オメーは可愛いっつってんだ!無防備だしよ……さっきのヤツ……」
抱きしめられていた腕を緩められたかと思えば、右手が俺の前髪をすくようにかき上げていて……?
「ココ、『消毒』しとかないとな!な?鳴海!」
戸上さんが不意打ちでキスをした場所……右側のおでこに相沢君が『消毒』という口付けを俺にしたのだった。
座っている席から相沢君に対して避難の声が聞こえる。
たぶんその声は朔田君と坂口君の声だと思う。
でも、俺はそれどころじゃない。
「あ、あの、あの……ど、どうして?」
俺は相沢君の態度に狼狽えた。
相沢君の目が……瞳がまるでなにかを愛おしそうに見ている。
その目には……俺が映っていて……?
「さっき変なのにされてただろ?鳴海って隙ありすぎ。もうちょい警戒心持てよな。俺にもさー……」
「えっ……」
また強く抱き寄せられる……
そして……耳元で
「やべっ……気持ち、セーブすんの、無理……」
聞こえるか聞こえないかギリギリの掠れた声で
「……きだ」
と言う言葉が耳に入り俺の心臓をざわつかせた。
「なーに泣いてんだよ……。俺、鳴海を泣かすよーなこと、全然言ってねーし?」
「え、あ、うん。ちょっと、感動しちゃって……」
「感動するよーなとこ、全っ然ねーし?」
拗ねた口調で軽く俺を睨む相沢君。
相沢君は俺の溢れた跡を右手の親指で追って拭った。
ぶっきらぼうな口調なのに動かす指は優しくて……
「だって……此所に来たんだもん……」
相沢君が冷やかしで入部したのはわかってた。
それなのに相沢君は不器用ながらも編み物に真剣に向き合ってくれてた。
そして……一本の毛糸から作られていくものに感動してくれてた……
そんな相沢君の言葉を耳にして、俺の心が響かないわけがないじゃないか!
胸がいっぱいになって嬉しくて……どうしようもない。
それはきっと、編み物にまったく興味がなかった相沢君がくれた言葉だからだと思う。
俺は自分の左胸、心臓があるところを右手でおさえた。
そんな俺の態度を見た相沢君は暫く唖然としているように見えた。
そして、指を少し開けた状態の手で顔を隠した相沢君の顔は何故か赤く染まっていて、体を小刻みに震わせているようだった。
「ほ、ホントに、鳴海って……小悪魔か?……それともやっぱ天然か?……もう、スゲーやべーんだけど……」
「ん?なにが?」
俺には相沢君が何を言っているのか意味がわからない。
「あーもう!」
気がついた時には相沢君の腕の中にすっぽり収まっていた。
「オメーは可愛いっつってんだ!無防備だしよ……さっきのヤツ……」
抱きしめられていた腕を緩められたかと思えば、右手が俺の前髪をすくようにかき上げていて……?
「ココ、『消毒』しとかないとな!な?鳴海!」
戸上さんが不意打ちでキスをした場所……右側のおでこに相沢君が『消毒』という口付けを俺にしたのだった。
座っている席から相沢君に対して避難の声が聞こえる。
たぶんその声は朔田君と坂口君の声だと思う。
でも、俺はそれどころじゃない。
「あ、あの、あの……ど、どうして?」
俺は相沢君の態度に狼狽えた。
相沢君の目が……瞳がまるでなにかを愛おしそうに見ている。
その目には……俺が映っていて……?
「さっき変なのにされてただろ?鳴海って隙ありすぎ。もうちょい警戒心持てよな。俺にもさー……」
「えっ……」
また強く抱き寄せられる……
そして……耳元で
「やべっ……気持ち、セーブすんの、無理……」
聞こえるか聞こえないかギリギリの掠れた声で
「……きだ」
と言う言葉が耳に入り俺の心臓をざわつかせた。
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