264 / 339
女人禁制の☆あみだん☆開始!
28 自己紹介 5
しおりを挟む
「なぁ……あの二人、訳ありか?」
「さぁねー」
田岡さんと戸神さんが二人の包容を見ながら首を傾げている。
相沢君もその状態が気になったようだ。怒号が部屋中を響かせた。
「なななな……何いちゃこらしてんだ?テメェーはとっとと離れろー!坂口!腕絡ませて抱きしめんな!耳元で何囁いてんだ?はーなーれーろー!」
立ち上がったかと思えばドカドカと教壇まで来た相沢君は俺と坂口君を無理矢理剥がした。
「鳴海は誰にでも抱きつくのか?」
「そうじゃないよ」
なんか……怒って言ってる筈の相沢君だけどどうも拗ねてるように聞こえるのは……気のせいなのだろうか?
「だったら……お、俺にも……ハグは……あるのか?」
「して欲しかったの?」
ま、まさか……そんなことを返されるとは思っていなかった。
誰にでも抱きついたりはしないよ。
坂口君は……ある意味特別なんだ。
それを相沢君は知らないだけ。
でも……相沢君だって……俺からしたらもう、同じ仲間であり友達の部類にはいると思う。
普通にそんな言葉が出たのは、俺には「して欲しいと」言われたらしてもいいと思う……ただ、それだけなんだ。
「な?……ななな、ちげーよ……そそそ、そんなんじゃあ……」
ほんのり赤くなりながら否定しているのが可愛く見える。
「なになに?相沢君は僕と鳴海君の仲を嫉妬したくせに自分はツンデレして素直になれないのかな?鳴海君に抱きしめて欲しいくーせーにー」
「ふっ……ざけんな!テメェは自己紹介終わったんだろ?さっさと席に戻れ。邪魔すんな!」
「はいはい、退散しますよ。鳴海君、本当にありがとう!」
坂口君は笑顔のまま俺と相沢君に手をヒラヒラと振って自分の座っていた場所に戻った。
俺は相沢君に自己紹介を促した。
照れ臭そうな相沢君は頭をちょっと斜めにしてぶっきらぼうに言い出した。
「相沢大夢一年。誕生日は四月でもう過ぎてんだ。本当のところ、編み物には全っ然興味がなかったけど勢い?わかんねーけど入ったって感じ。部員、募集してる声聞こえてたし?男が編み物って、訳わかんなかったけど、なんか気になったし?何処かの部活には入部しようと思ってたし?気になったからっていうか、心のどっかに刺さったから?……たまたまそれが編み物?ってだけ。冷やかしに近いって言ったらそうなのかもしんねーけど?それでも俺はここに入ってよかったって思ってる。わかんないことでも俺みたいな冷やかしな奴にでも丁寧に教えてくれるし?まだ同じ大きさの目にはなってねーけど鎖編みだっけ?結構な長さ編めるようになったし?やってるとさー、……一本の毛糸から形が出来るっておもしれーじゃん?簡単にほどける?ってこともさー。だから……俺は同好会がなくっても放課後一緒にそーゆーのが出来たらって……思うようになってた。マジで。同好会……おめでとーな、鳴海!で、集まったみんな、こんな俺だけどよろしくな!」
なんて素敵な言葉を君はくれるのだろう?
相沢君の真摯な言葉を聞いた俺は棒立ちのまま……我慢できずに頬を濡らした。
「さぁねー」
田岡さんと戸神さんが二人の包容を見ながら首を傾げている。
相沢君もその状態が気になったようだ。怒号が部屋中を響かせた。
「なななな……何いちゃこらしてんだ?テメェーはとっとと離れろー!坂口!腕絡ませて抱きしめんな!耳元で何囁いてんだ?はーなーれーろー!」
立ち上がったかと思えばドカドカと教壇まで来た相沢君は俺と坂口君を無理矢理剥がした。
「鳴海は誰にでも抱きつくのか?」
「そうじゃないよ」
なんか……怒って言ってる筈の相沢君だけどどうも拗ねてるように聞こえるのは……気のせいなのだろうか?
「だったら……お、俺にも……ハグは……あるのか?」
「して欲しかったの?」
ま、まさか……そんなことを返されるとは思っていなかった。
誰にでも抱きついたりはしないよ。
坂口君は……ある意味特別なんだ。
それを相沢君は知らないだけ。
でも……相沢君だって……俺からしたらもう、同じ仲間であり友達の部類にはいると思う。
普通にそんな言葉が出たのは、俺には「して欲しいと」言われたらしてもいいと思う……ただ、それだけなんだ。
「な?……ななな、ちげーよ……そそそ、そんなんじゃあ……」
ほんのり赤くなりながら否定しているのが可愛く見える。
「なになに?相沢君は僕と鳴海君の仲を嫉妬したくせに自分はツンデレして素直になれないのかな?鳴海君に抱きしめて欲しいくーせーにー」
「ふっ……ざけんな!テメェは自己紹介終わったんだろ?さっさと席に戻れ。邪魔すんな!」
「はいはい、退散しますよ。鳴海君、本当にありがとう!」
坂口君は笑顔のまま俺と相沢君に手をヒラヒラと振って自分の座っていた場所に戻った。
俺は相沢君に自己紹介を促した。
照れ臭そうな相沢君は頭をちょっと斜めにしてぶっきらぼうに言い出した。
「相沢大夢一年。誕生日は四月でもう過ぎてんだ。本当のところ、編み物には全っ然興味がなかったけど勢い?わかんねーけど入ったって感じ。部員、募集してる声聞こえてたし?男が編み物って、訳わかんなかったけど、なんか気になったし?何処かの部活には入部しようと思ってたし?気になったからっていうか、心のどっかに刺さったから?……たまたまそれが編み物?ってだけ。冷やかしに近いって言ったらそうなのかもしんねーけど?それでも俺はここに入ってよかったって思ってる。わかんないことでも俺みたいな冷やかしな奴にでも丁寧に教えてくれるし?まだ同じ大きさの目にはなってねーけど鎖編みだっけ?結構な長さ編めるようになったし?やってるとさー、……一本の毛糸から形が出来るっておもしれーじゃん?簡単にほどける?ってこともさー。だから……俺は同好会がなくっても放課後一緒にそーゆーのが出来たらって……思うようになってた。マジで。同好会……おめでとーな、鳴海!で、集まったみんな、こんな俺だけどよろしくな!」
なんて素敵な言葉を君はくれるのだろう?
相沢君の真摯な言葉を聞いた俺は棒立ちのまま……我慢できずに頬を濡らした。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
オトナの玩具
希京
BL
12歳のカオルは塾に行く途中、自転車がパンクしてしまい、立ち往生しているとき車から女に声をかけられる。
塾まで送ると言ってカオルを車に乗せた女は人身売買組織の人間だった。
売られてしまったカオルは薬漬けにされて快楽を与えられているうちに親や教師に怒られるという強迫観念がだんだん消えて自我が無くなっていく。
【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】
海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。
発情期はあるのに妊娠ができない。
番を作ることさえ叶わない。
そんなΩとして生まれた少年の生活は
荒んだものでした。
親には疎まれ味方なんて居ない。
「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」
少年達はそう言って玩具にしました。
誰も救えない
誰も救ってくれない
いっそ消えてしまった方が楽だ。
旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは
「噂の玩具君だろ?」
陽キャの三年生でした。
からっぽを満たせ
ゆきうさぎ
BL
両親を失ってから、叔父に引き取られていた柳要は、邪魔者として虐げられていた。
そんな要は大学に入るタイミングを機に叔父の家から出て一人暮らしを始めることで虐げられる日々から逃れることに成功する。
しかし、長く叔父一族から非人間的扱いを受けていたことで感情や感覚が鈍り、ただただ、生きるだけの日々を送る要……。
そんな時、バイト先のオーナーの友人、風間幸久に出会いーー
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる