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女人禁制の☆あみだん☆開始!
20 初顔合わせ 2
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「バシッ!」
その音で体が強張って手にも力がギュッと入る。
相沢君の右ストレートが決まる音がしたような気がして恐る恐る瞑っていた目をゆっくり開いた。
相沢君の目の前には俺から瞬時に離れた田岡さんが立ちはだかって相沢君の拳を右掌で難なく受け止めていた。その動きはかなりの素早さだったと思われる。
田岡さんは左手で髪の毛を掻き揚げ、フッと鼻で笑う。
「那瑠樹には指一本触らせたりはしねーよ。俺は那瑠樹の片腕なんでね」
「くっそぉー!」
「駄目だよ!」
「暴力反対!」
もう一度殴りかかろうと叫ぶ相沢君を抱きついて止める朔田君と坂口君。
余裕の笑みを浮かべる戸神さんが見せつけるように俺を抱き寄せて右側のおでこに軽くチュッと口付けた。
「な、なななな……何するんですかぁ!」
不意打ちだったのと吃驚したのとが綯交ぜになって俺も流石に抗議した。
何度目だろうか……必死にもがいてもその場から離れようとしてもやっぱりびくともしない。身長と体格の差なのか?悔しさと屈辱で顔が真っ赤になる。
「んんん?只の挨拶だよ。それとも口の方がよかった?」
「てめぇー!それ以上やったらブッ殺すかんなー!」
見せられた光景に相沢君が憤怒で顔が赤く熱くなってて見ているだけでその気持ちが伝染しそう。
「なーるーきー!部員たちを刺激しちゃー駄目だよ。これから仲良くやっていく仲間でしょ?」
「仲間ですか?」
名塚君が動揺することなく聞く。
「そーそー仲間!俺たちも『あみだん』だからな!」
「あみ……だん?」
朔田君が反応する。
「『男子編み物同好会』、略して『だんあみ』じゃなく『あみだん』!俺たちもその部員なの。わかった?だから言っただろ?「鳴海とまた来る」って。俺は田岡、田岡実光。あいつは戸神那瑠樹だ」
「よろしくー!」
「よろしくなんかするかー!」
「駄目だって!」
「もういい加減、離して下さい。相沢君を刺激しないで」
「鳴海君から離れてよ。僕だって、相沢君を止めてるけど本心じゃないんだからね!」
「上級生だからって無理矢理にそんな事するのって違うと思います。鳴海君、嫌がってるじゃないですか!」
俺が不甲斐ないから朔田君も坂口君も俺を助けようとして言ってくれている。それがとても嬉しくて、涙腺が緩みそうだ。
今日何度目なのだろう?
「生徒会の先輩方、そろそろ僕たちの部長を解放してくれませんか?
僕たちは今日という日を楽しみにしていたのです。
そんな日に泥を塗るような行為は僕たちは求めていません。皆でこの日を祝いたいのです。
お願いできますか?」
「君、なかなか肝が据わってるね。僕の事知らないの?」
「いいえ、知ってますよ。
二年生で初の生徒会会長、そして学校内でナンバーワンの男……
そうでしょう?」
「なーんだ。那瑠樹の事、認識してる一年生もいたんだ」
「この人、生徒会会長なの?」
「そうだよ。俺は那瑠樹の右腕!へっへー!那瑠樹、お戯れはもうやめたら?
こいつら全員、鳴海の味方みてーだし、ある意味、勝ち目ないって」
「ある意味だけだろ?」
不適な笑みで返す戸神さん。
「わかってんならもうからかうのやめて部活しよーぜ。部員として挨拶しに来たのに刺激強すぎじゃん!」
「……わかったよ。実光がそう言うんなら今日はこれでやめておくよ」
「「今日は」じゃなく「金輪際」だ!」
相沢君は噛みつく言葉を緩めない。
「その前に君、僕の制服を掴んでいるその手を離してくれるかな?」
相沢君は嫌々ながらその戸神さんの制服を掴んでいた手を乱暴に離し相手を睨みながら舌打ちした。
これは……思いやられそう。
この先の同好会の部活生活、俺が求めていた和やかな部活が初っぱなから崩れていくような……そんな予感がして寒気というか、背中の悪寒がずっとこびりつくのをこの場でただ耐えるしかなかった。
その音で体が強張って手にも力がギュッと入る。
相沢君の右ストレートが決まる音がしたような気がして恐る恐る瞑っていた目をゆっくり開いた。
相沢君の目の前には俺から瞬時に離れた田岡さんが立ちはだかって相沢君の拳を右掌で難なく受け止めていた。その動きはかなりの素早さだったと思われる。
田岡さんは左手で髪の毛を掻き揚げ、フッと鼻で笑う。
「那瑠樹には指一本触らせたりはしねーよ。俺は那瑠樹の片腕なんでね」
「くっそぉー!」
「駄目だよ!」
「暴力反対!」
もう一度殴りかかろうと叫ぶ相沢君を抱きついて止める朔田君と坂口君。
余裕の笑みを浮かべる戸神さんが見せつけるように俺を抱き寄せて右側のおでこに軽くチュッと口付けた。
「な、なななな……何するんですかぁ!」
不意打ちだったのと吃驚したのとが綯交ぜになって俺も流石に抗議した。
何度目だろうか……必死にもがいてもその場から離れようとしてもやっぱりびくともしない。身長と体格の差なのか?悔しさと屈辱で顔が真っ赤になる。
「んんん?只の挨拶だよ。それとも口の方がよかった?」
「てめぇー!それ以上やったらブッ殺すかんなー!」
見せられた光景に相沢君が憤怒で顔が赤く熱くなってて見ているだけでその気持ちが伝染しそう。
「なーるーきー!部員たちを刺激しちゃー駄目だよ。これから仲良くやっていく仲間でしょ?」
「仲間ですか?」
名塚君が動揺することなく聞く。
「そーそー仲間!俺たちも『あみだん』だからな!」
「あみ……だん?」
朔田君が反応する。
「『男子編み物同好会』、略して『だんあみ』じゃなく『あみだん』!俺たちもその部員なの。わかった?だから言っただろ?「鳴海とまた来る」って。俺は田岡、田岡実光。あいつは戸神那瑠樹だ」
「よろしくー!」
「よろしくなんかするかー!」
「駄目だって!」
「もういい加減、離して下さい。相沢君を刺激しないで」
「鳴海君から離れてよ。僕だって、相沢君を止めてるけど本心じゃないんだからね!」
「上級生だからって無理矢理にそんな事するのって違うと思います。鳴海君、嫌がってるじゃないですか!」
俺が不甲斐ないから朔田君も坂口君も俺を助けようとして言ってくれている。それがとても嬉しくて、涙腺が緩みそうだ。
今日何度目なのだろう?
「生徒会の先輩方、そろそろ僕たちの部長を解放してくれませんか?
僕たちは今日という日を楽しみにしていたのです。
そんな日に泥を塗るような行為は僕たちは求めていません。皆でこの日を祝いたいのです。
お願いできますか?」
「君、なかなか肝が据わってるね。僕の事知らないの?」
「いいえ、知ってますよ。
二年生で初の生徒会会長、そして学校内でナンバーワンの男……
そうでしょう?」
「なーんだ。那瑠樹の事、認識してる一年生もいたんだ」
「この人、生徒会会長なの?」
「そうだよ。俺は那瑠樹の右腕!へっへー!那瑠樹、お戯れはもうやめたら?
こいつら全員、鳴海の味方みてーだし、ある意味、勝ち目ないって」
「ある意味だけだろ?」
不適な笑みで返す戸神さん。
「わかってんならもうからかうのやめて部活しよーぜ。部員として挨拶しに来たのに刺激強すぎじゃん!」
「……わかったよ。実光がそう言うんなら今日はこれでやめておくよ」
「「今日は」じゃなく「金輪際」だ!」
相沢君は噛みつく言葉を緩めない。
「その前に君、僕の制服を掴んでいるその手を離してくれるかな?」
相沢君は嫌々ながらその戸神さんの制服を掴んでいた手を乱暴に離し相手を睨みながら舌打ちした。
これは……思いやられそう。
この先の同好会の部活生活、俺が求めていた和やかな部活が初っぱなから崩れていくような……そんな予感がして寒気というか、背中の悪寒がずっとこびりつくのをこの場でただ耐えるしかなかった。
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