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『編み物男子部』?ができるまで。
204 別れの約束?それとも…… 1
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「あの……神崎川……」
俺は歩きながら話し始めた。
ちょっと居たたまれない気持ちになるのは神崎川の思いを遮ってしまうからなのだろう。
「ん?」
何事もないように俺に聞いてくれる事が嬉しい。
いつまでこんな風に神崎川といられるのだろうか?
とりあえず、詫びることにした。
同好会が成立したらサッカー部には入らない。
最初から入るつもりはなかったけど、あれだけ懇願されれば心が揺らいだっておかしくないよね?
……でも、ごめん。
じょうちゃんとは青春ごっこは出来ない……
絶対に……
「専属マネージャーしかできなくてごめんな」
「なーにいってんだよ。自力で五人集めたじゃねーか。同好会でも部活は部活だろ?胸を張れよ」
カラッとした言葉と笑顔で俺の方を向きながらそう答えてくれる。
何処まで格好いいのだろう!
……そういう君だから、追いかけたのだろうか?
違う。
どんな君であっても追いかけただろう。
手の届くギリギリまで、諦めらきれない寸前まで。
「だって……神崎川は本当は俺となんかでも『青春したい』って言ってくれただろ?あの言葉は……本当に嬉しかったんだ。その思いには……応えられなかったけど」
「鳴海は……応えるつもりなんか、これっぽっちもなかっただろ?」
速攻でそう告げられると心が苦しくなる。
わかっていても君は……じょうちゃんは俺と部活したがったのだから。
どういう意図をもって俺と部活をしたかったのかはわからないけど。
俺は俺でじょうちゃん。
じょうちゃんに隠している想いを込めて編んでいたいんだよ。
窓辺でサッカーをしているじょうちゃんを見ながら……
じょうちゃんに渡すマフラーを……。
「うん……どうしても『編み物』したかったから……」
「鳴海がそんなに編み物が好きだなんて全然知らなかったわ……」
そう呟いてじょうちゃんが不意に天を見上げる。
俺もならって同じような景色を見たくてそれを見上げた。
春風が心地いい、そこにはやさしい青い空が広がっている。
じょうちゃんはその空を見て何を思っているのだろう?
俺のことなんか、じょうちゃんになんかわからない。
わからなくて……いい。
俺は歩きながら話し始めた。
ちょっと居たたまれない気持ちになるのは神崎川の思いを遮ってしまうからなのだろう。
「ん?」
何事もないように俺に聞いてくれる事が嬉しい。
いつまでこんな風に神崎川といられるのだろうか?
とりあえず、詫びることにした。
同好会が成立したらサッカー部には入らない。
最初から入るつもりはなかったけど、あれだけ懇願されれば心が揺らいだっておかしくないよね?
……でも、ごめん。
じょうちゃんとは青春ごっこは出来ない……
絶対に……
「専属マネージャーしかできなくてごめんな」
「なーにいってんだよ。自力で五人集めたじゃねーか。同好会でも部活は部活だろ?胸を張れよ」
カラッとした言葉と笑顔で俺の方を向きながらそう答えてくれる。
何処まで格好いいのだろう!
……そういう君だから、追いかけたのだろうか?
違う。
どんな君であっても追いかけただろう。
手の届くギリギリまで、諦めらきれない寸前まで。
「だって……神崎川は本当は俺となんかでも『青春したい』って言ってくれただろ?あの言葉は……本当に嬉しかったんだ。その思いには……応えられなかったけど」
「鳴海は……応えるつもりなんか、これっぽっちもなかっただろ?」
速攻でそう告げられると心が苦しくなる。
わかっていても君は……じょうちゃんは俺と部活したがったのだから。
どういう意図をもって俺と部活をしたかったのかはわからないけど。
俺は俺でじょうちゃん。
じょうちゃんに隠している想いを込めて編んでいたいんだよ。
窓辺でサッカーをしているじょうちゃんを見ながら……
じょうちゃんに渡すマフラーを……。
「うん……どうしても『編み物』したかったから……」
「鳴海がそんなに編み物が好きだなんて全然知らなかったわ……」
そう呟いてじょうちゃんが不意に天を見上げる。
俺もならって同じような景色を見たくてそれを見上げた。
春風が心地いい、そこにはやさしい青い空が広がっている。
じょうちゃんはその空を見て何を思っているのだろう?
俺のことなんか、じょうちゃんになんかわからない。
わからなくて……いい。
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