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『編み物男子部』?ができるまで。
181 楽しい日曜日 13
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暫く弟の颯汰と抱き合って颯汰が落ち着いた頃漸く俺の腕の中から離れていった。
そして照れながら俺の頬にチュッてキスをしてリビングに戻っていった。
俺より身長が五センチも高くて活発で人懐っこくて誰にでも可愛がられて兄の俺にさえこうやって甘えてくれて……いい弟を持ったものだと、俺は内心喜んでいた。
キスされたのはさすがに吃驚したけど、彼女がいるんだし……颯汰なりの挨拶なんだと俺は思った。
筍の準備に取りかかっていると今度は相沢君がやって来た。
今日は皆と二人きりになる機会が多いな……なんてね。
「よぉ!」
「ふふふ。こういう風に相沢君と二人きりになるのって初めてだよね?」
俺はいろんなことが嬉くって相沢君に笑顔でそう言った。
相沢君は照れ臭そうに視線を少しずらして相づちを打ってくれた。
照れてる相沢君って本当に可愛いな……なんて不埒なことを思っていた俺。
照れ臭そうにしながら俺の顔を真剣に見ながら相沢君は話し始めた。
「俺、俺さぁ……興味本意だけで編み物部に入ったんだよね……。冷やかしに近いって云うか……」
「うん、知ってるよ……」
そうなんだよ。わかってたけど俺はあの時、相沢君なら大丈夫だと何故か思えたんだから。
「でも、俺……入ってよかったと思ってる。ちゃんと部が認可されたら俺、もっと頑張るから……」
「うん……」
俺……嬉しくて泣きそうだよ……。
まさか、相沢君がそんなことを言ってくれるだなんて思ってなかったんだから。
「神崎川が言ってたんだけど……」
言いにくそうに相沢君が言葉を止めた。
「え?じょ……神崎川が?何を言ったの?」
思わず『じょうちゃん』って言ってしまいそうだった!俺ってヤバすぎ。テンション上がりすぎて口が滑りかけた……。
き、気づいてないよね?
「うん。神崎川が『鳴海のダチだろ?』って俺たちに言ってくれたんだ。俺、ちょっと感動しちゃって……なぁ、鳴海。俺も鳴海と友達だって……思っていいのか?」
そんなことをじょうちゃんが言ってくれたんだ!
なんて素敵なことをさらりと言ってくれるんだろう!
「もちろんだとも!皆俺の友達だよ!相沢君も!」
俺は思わず抱きつきそうになった。
相沢君もそんな気分だったらしく、わざわざ律儀に聞いてくれた。
「なぁ……図々しいかもしれねぇけど、友達の記念に……ハグ、していいか?」
ちょっと横向きながら言う相沢君は、それがまるで断られたらどうしようかっていう態度に見えた。
「全然大丈夫だよ!だって……友達でしょ?」
俺は笑顔で返すと相沢君は嬉しそうにハグ……俺を抱きしめた。それも強く……。
相沢君は颯汰より背が高く、神崎川よりは低い。
それでも俺をすっぽり埋めるのには十分な身長だった。
抱きしめられてわかる相沢君の体つき……所謂『細マッチョ』だ。
たった十数秒……
だけどそれが長く感じられた。
その理由は……。
抱きしめられながらボソッと聞き取れないほど小さく呟いた相沢君の言葉。
「やっぱ、好きだわ……マジで……」
「えっ?」
俺が聞き返したのに気づいていない。
もしかして……自分が呟いたことに気づいていないのでは……?
その数秒後に俺を見つめてから相沢君は颯汰がキスした反対側の頬にキスをして
「友達として、部員として、これからもよろしくな!鳴海!」
相沢君がハグをやめて、元気な声でそう言い「じゃぁな!」って去っていった。
……。
うわぁああ!
もしかして、あの言葉マジなの?
そして照れながら俺の頬にチュッてキスをしてリビングに戻っていった。
俺より身長が五センチも高くて活発で人懐っこくて誰にでも可愛がられて兄の俺にさえこうやって甘えてくれて……いい弟を持ったものだと、俺は内心喜んでいた。
キスされたのはさすがに吃驚したけど、彼女がいるんだし……颯汰なりの挨拶なんだと俺は思った。
筍の準備に取りかかっていると今度は相沢君がやって来た。
今日は皆と二人きりになる機会が多いな……なんてね。
「よぉ!」
「ふふふ。こういう風に相沢君と二人きりになるのって初めてだよね?」
俺はいろんなことが嬉くって相沢君に笑顔でそう言った。
相沢君は照れ臭そうに視線を少しずらして相づちを打ってくれた。
照れてる相沢君って本当に可愛いな……なんて不埒なことを思っていた俺。
照れ臭そうにしながら俺の顔を真剣に見ながら相沢君は話し始めた。
「俺、俺さぁ……興味本意だけで編み物部に入ったんだよね……。冷やかしに近いって云うか……」
「うん、知ってるよ……」
そうなんだよ。わかってたけど俺はあの時、相沢君なら大丈夫だと何故か思えたんだから。
「でも、俺……入ってよかったと思ってる。ちゃんと部が認可されたら俺、もっと頑張るから……」
「うん……」
俺……嬉しくて泣きそうだよ……。
まさか、相沢君がそんなことを言ってくれるだなんて思ってなかったんだから。
「神崎川が言ってたんだけど……」
言いにくそうに相沢君が言葉を止めた。
「え?じょ……神崎川が?何を言ったの?」
思わず『じょうちゃん』って言ってしまいそうだった!俺ってヤバすぎ。テンション上がりすぎて口が滑りかけた……。
き、気づいてないよね?
「うん。神崎川が『鳴海のダチだろ?』って俺たちに言ってくれたんだ。俺、ちょっと感動しちゃって……なぁ、鳴海。俺も鳴海と友達だって……思っていいのか?」
そんなことをじょうちゃんが言ってくれたんだ!
なんて素敵なことをさらりと言ってくれるんだろう!
「もちろんだとも!皆俺の友達だよ!相沢君も!」
俺は思わず抱きつきそうになった。
相沢君もそんな気分だったらしく、わざわざ律儀に聞いてくれた。
「なぁ……図々しいかもしれねぇけど、友達の記念に……ハグ、していいか?」
ちょっと横向きながら言う相沢君は、それがまるで断られたらどうしようかっていう態度に見えた。
「全然大丈夫だよ!だって……友達でしょ?」
俺は笑顔で返すと相沢君は嬉しそうにハグ……俺を抱きしめた。それも強く……。
相沢君は颯汰より背が高く、神崎川よりは低い。
それでも俺をすっぽり埋めるのには十分な身長だった。
抱きしめられてわかる相沢君の体つき……所謂『細マッチョ』だ。
たった十数秒……
だけどそれが長く感じられた。
その理由は……。
抱きしめられながらボソッと聞き取れないほど小さく呟いた相沢君の言葉。
「やっぱ、好きだわ……マジで……」
「えっ?」
俺が聞き返したのに気づいていない。
もしかして……自分が呟いたことに気づいていないのでは……?
その数秒後に俺を見つめてから相沢君は颯汰がキスした反対側の頬にキスをして
「友達として、部員として、これからもよろしくな!鳴海!」
相沢君がハグをやめて、元気な声でそう言い「じゃぁな!」って去っていった。
……。
うわぁああ!
もしかして、あの言葉マジなの?
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