あみdan

『編み物男子部』？ができるまで。

124 土曜日デス！続・続き ４

「う、うわぁああ！やったぜ……」

　相沢君が顔を少し赤らめて反対側の手で口許を隠している。

「な、鳴海君が……鳴海君が……！」

　感慨深げにいう坂口君の目にはうっすら涙が浮かんでいる。

　なんか、何処までも対照的な二人だ……なんて思いながら、自分だったらと想像してしまっている。

　後ろにいる朔田君が

「あ……」

　ちょっとした悲しそうな声が漏れてきた。
　俺は首だけ少し後ろを振り向いた。
　朔田君の顔がなんかとっても寂しそうに見えた。
　そう言えば、神崎川も後ろにいたんだ。
　神崎川の態度は少し見ただけではわからなかったけど、朔田君が気になって仕方がなかった。

　俺のこの行為が朔田君を寂しい思いをさせてしまったのだろうか？
　朔田君を蔑ろにしたつもりはなかったんだけど、仲間はずれにしてしまった気持ちが膨らんでしまって、居たたまれなくなってしまった。

　俺は朔田君に

「ごめん……」

　それしか言えずに、そのまま前を向いた。
　喜んでいた浮かれきってた気持ちが一瞬で萎えてしまった。

　俺はどうすればよかったんだろう？
　考えたって、もうどうすることも出来ずにいた……。