あみdan

『編み物男子部』？ができるまで。

99 予感前…

　授業が始まっても僕の心に渦巻く感情はおさまらなかった。



　僕だけならまだしも……。

　さすがに見過ごすことなんか出来ない。

　僕はこういう行為を嫌悪している。

　力あるものが弱いものを虐げる行為。

　そこまでする人だとは……思わなかった。

　僕だけが我慢すればいいと……思っていた。

　僕の譲歩を蔑ろにしてまで何がしたいの？

　そんなことして僕がどのように思うのか考えてはくれなかったの？

　僕は、かなり怒っているんだよ。



　朔田君に謝罪しなきゃ……許さないんだからね。



　そんなことをするのなら僕にも考えがあるんだから。

　覚悟していてね、智さん。



　自然に出てきた言葉。　

『俺』と言っていた筈の言葉使いが『僕』に変わっていた。

　何かのスイッチが入ったことに僕自身完全に気づかなかった……。