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いっぱいいっぱい抱きしめたい!

238 朝食はオムライス!

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 私は唇の代わりに雨月のおでこに口付けて台所へ。
 おでこにキスされた雨月はその場所に手をやってキャッキャと喜んでいる。そのまま座っておとなしくしてくれるみたいだ。

 今日の朝食はもちろん雨月の大好きなオムライス。
 たった数日なのに目まぐるしい日々だったなぁ……なんて思いながらせっせと作る私って健気だと思う。
 うん。自分でいうのもなんだけど、少し照れる。

 料理はそれなりに好き。
 だけどまだ洋食は苦手。
 作り始めたのだって雨月に出会ってからなのでまだ初心者レベルです。

 そういえば、まだオムライスしか挑戦してない?

 あはは……。

 子供の頃から父に作る料理は和食ばかりだった。洋食を作ってみたくっても父は和食以外は食べなかったし料理を作るのは私の役目だったから従うしかなかったもの。

 そんな過去は置いておいて……

 今度はハンバーグなんかどうかな?
 ロールキャベツとかシチューなんかもいいよね?パスタなんか、フォークを頑張ってぐるぐる巻いて必死になって食べるところなんか可愛いかもしれない!
 いろんな料理をつくって食べてもらいたい!
 そして雨月に「おいちぃ!」って言ってもらったら……天にも昇りそうになるんじゃないかな?

 ちっちゃくって可愛い雨月。
 潰れちゃいそうになるほどギューって抱きしめたいくらいなの。
 好き好き大好き!
 でも、さすがにそれは犯罪?
 我慢我慢。

 一緒にいるだけでどんどん幸せな気持ちが溢れてく。

 まぁ……要らないことをするのだけはなんとかしなきゃ、私の身が持たないものね。

 そんなことを想像しながら段取りよくオムライスを作っていく。何度か作ると手慣れた手つきで作れるようになっている。
 最後の仕上げ。フライパンの柄をトントントンとした玉子の巻き具合だって、お皿に乗せてみたらとっても満足しちゃうの、自画自賛。

 出来上がったオムライスのお皿を雨月が待っている机の上にスプーンと一緒に置いた。

 自分のオムライスとケチャップを持ってきて雨月の隣に座るんだけど、雨月はそんなことを気にせずに私の膝の上にちょこんと乗る。

 振り向いてしたから見上げていつもの満面の笑みで私の顔を見つめてくれる。

 この笑顔に弱いんだよねぇ……。

 私は雨月のオムライスを雨月の目の前にスライドして私のオムライスはその奥へ置いた。

「雨月ー!オムライス食べよっかぁ……」
「んー!」
「ケチャップいるかな?」

 右手にケチャップを持って見せる。

「んー!」

 右手グーでスプーンを持ちながらぱちぱち手を叩く雨月。
 とても嬉しそうで……思わず録画したい気持ちになるんだけど、悲しいことに私は動けない。

「なにか書いてほしい?」
「ちゅきぃ!」

 この笑顔、破壊力ありすぎなんだけど?

 リクエストした言葉、雨月は大きな声で言った言葉の「すき」を雨月のオムライスに書いてあげた。

 きゃっきゃ喜ぶ雨月に私はとっても満足げになったのでした。
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