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泣いてばかりいられない!
221 画面の中にいるのは……
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引きずられるのも癪だったので社長の後ろを歩くことを提案し、腕を離してもらった。
辿り着いたのはやっぱりというか、社長室だった。
そこには美人の秘書が社長を待ち構えていたんだけど、社長は社長であっさりと彼女を追い出してしまった。
それもとんでもないことを言ったような気がするんですけど?
「今日のスケジュールは全部キャンセルしてね。明日からはちゃんと仕事するから後始末お願いね!」
……社長ですよね?
なんか私のせいみたいじゃないですか!
三十代にくらいかしら?見るからに仕事が出来ます!みたいな?凛々しく見える女性の秘書の額とこめかみのピキピキ感が半端なく怖いんですけど?
反論することもなく彼女は「わかりました」と一言告げてそのあとはただ黙って踵を返した。
出来る女は反論もせずに忠実に仕事をこなすのだろうか?
……なんてちょっと怖そうな秘書の背中を眺めて思ったりした。
立ち去る時だって、社長を睨んでるけど私も睨まれたんですから。
さわる神になんとやら……でしょうね。
数分間の嵐を黙って見守り、バンって乱暴に扉を閉める音でその嵐は終了した。
応接セットの椅子に座った社長が私に座るようにと右手で促し、私は黒い革張りの椅子にビクビクしながら腰を下ろした。
「気にしなくても取って食ったりしないから。仕事も午後からは戻っていいし」
「あ……はい……」
さすがに食べられるとは……思ってませんけど。
曖昧な挨拶をして私は社長の方を向いた。
何を言われるのか、皆目見当がつかなかった。
「昨日の話の続きをしよっか……」
何を考えてるのか、わからない笑みを見せて語りかけるように言葉を紡ぐ。
「え……あ、あの……もしかして……?」
「うん、昨日は曖昧なことしか言えなかったけど、今日はちょっとだけ詳しい話が出来るよ。夏川さんは僕の上司だった人だし、僕の伯父さん……此処の社長だった人で社長職を退いて僕に譲ったんだ。今は無理言って顧問役をしてもらってる」
夏川上司のことはわかるけど、現社長の前の社長が社長のおじさんだって知らなかった。社長の時期候補なら普通息子のような気がしたんだけど?
私の顔にその事が出ていたのか、すぐに反論が返ってきた。
「伯父さんには子供はいなかったからね。好きな人がいなかったのかな?結婚もせずに独身を貫いてたよ。会社に執着もなかったから誰に譲っても後悔はしてないと思うよ。ただ、僕は伯父さんに憧れてたし、伯父さんと一緒に仕事がしたかったから此処へ入社したんだけどね。勿論コネは一切無しで」
そっか、そういうことなんだ……。
でもどうして前社長だった……顧問になったおじさんの話をするのかしら?
「君って本当に全部顔に出るんだね?わかった、ちょっと待ってて……」
社長はいかにも社長!っていう立派な机のところでガサゴソ音を立てながら大きめのタブレットらしき物を取り出した。
指でさっさと何かを動かして……ひとつの画像を見つけて私に見せてくれた。
「この子が君の探している男の子で間違いはないかね?」
社長が持っているタブレットの画面に映っていたのは紛れもなく私が探していたおさない雨月だった。
おさない雨月はスヤスヤと眠ってはいたものの、顔色がよくないように見える。
いったい何があったというの?
私は涙目になりながら、気持ちを揺さぶられるのに必死に耐えた。
でも、画像を見た途端……私はそれが決壊した。
立ち上がって思わず社長のタブレットを取り上げてしまい、その中にいる雨月を見つめた。
「この子です……!私の……私の雨月です……!ど、何処に……何処にいるのですか?」
辿り着いたのはやっぱりというか、社長室だった。
そこには美人の秘書が社長を待ち構えていたんだけど、社長は社長であっさりと彼女を追い出してしまった。
それもとんでもないことを言ったような気がするんですけど?
「今日のスケジュールは全部キャンセルしてね。明日からはちゃんと仕事するから後始末お願いね!」
……社長ですよね?
なんか私のせいみたいじゃないですか!
三十代にくらいかしら?見るからに仕事が出来ます!みたいな?凛々しく見える女性の秘書の額とこめかみのピキピキ感が半端なく怖いんですけど?
反論することもなく彼女は「わかりました」と一言告げてそのあとはただ黙って踵を返した。
出来る女は反論もせずに忠実に仕事をこなすのだろうか?
……なんてちょっと怖そうな秘書の背中を眺めて思ったりした。
立ち去る時だって、社長を睨んでるけど私も睨まれたんですから。
さわる神になんとやら……でしょうね。
数分間の嵐を黙って見守り、バンって乱暴に扉を閉める音でその嵐は終了した。
応接セットの椅子に座った社長が私に座るようにと右手で促し、私は黒い革張りの椅子にビクビクしながら腰を下ろした。
「気にしなくても取って食ったりしないから。仕事も午後からは戻っていいし」
「あ……はい……」
さすがに食べられるとは……思ってませんけど。
曖昧な挨拶をして私は社長の方を向いた。
何を言われるのか、皆目見当がつかなかった。
「昨日の話の続きをしよっか……」
何を考えてるのか、わからない笑みを見せて語りかけるように言葉を紡ぐ。
「え……あ、あの……もしかして……?」
「うん、昨日は曖昧なことしか言えなかったけど、今日はちょっとだけ詳しい話が出来るよ。夏川さんは僕の上司だった人だし、僕の伯父さん……此処の社長だった人で社長職を退いて僕に譲ったんだ。今は無理言って顧問役をしてもらってる」
夏川上司のことはわかるけど、現社長の前の社長が社長のおじさんだって知らなかった。社長の時期候補なら普通息子のような気がしたんだけど?
私の顔にその事が出ていたのか、すぐに反論が返ってきた。
「伯父さんには子供はいなかったからね。好きな人がいなかったのかな?結婚もせずに独身を貫いてたよ。会社に執着もなかったから誰に譲っても後悔はしてないと思うよ。ただ、僕は伯父さんに憧れてたし、伯父さんと一緒に仕事がしたかったから此処へ入社したんだけどね。勿論コネは一切無しで」
そっか、そういうことなんだ……。
でもどうして前社長だった……顧問になったおじさんの話をするのかしら?
「君って本当に全部顔に出るんだね?わかった、ちょっと待ってて……」
社長はいかにも社長!っていう立派な机のところでガサゴソ音を立てながら大きめのタブレットらしき物を取り出した。
指でさっさと何かを動かして……ひとつの画像を見つけて私に見せてくれた。
「この子が君の探している男の子で間違いはないかね?」
社長が持っているタブレットの画面に映っていたのは紛れもなく私が探していたおさない雨月だった。
おさない雨月はスヤスヤと眠ってはいたものの、顔色がよくないように見える。
いったい何があったというの?
私は涙目になりながら、気持ちを揺さぶられるのに必死に耐えた。
でも、画像を見た途端……私はそれが決壊した。
立ち上がって思わず社長のタブレットを取り上げてしまい、その中にいる雨月を見つめた。
「この子です……!私の……私の雨月です……!ど、何処に……何処にいるのですか?」
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