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仕事が手につかない!
207 ワクワクしながら
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ローテーブルの座布団に座るように美樹ちゃんに言って私はグリルから焼けた鮭をお皿に乗せた。お味噌汁もお椀に注ぐ。お盆の上に手際よくそれらを置いて美樹ちゃんのいるリビングへ。向かい合わせに鮭と味噌汁をそれぞれに置いて台所に戻り、今度は冷蔵庫に作り置きしてある筑前煮を小鉢に入れた。
おかずはこれでいいかな?
なんて思いながらご飯をお椀に装ってお湯のみとお茶セットもお盆に乗せてもう一度リビングへ向かった。
すべての朝食を美樹ちゃんの席の前に並び終えたら、美樹ちゃんが嬉しそうに朝食を見入った。
「葉月先輩の手料理なんて……嬉しいですぅ!もしかして……もしかして私が葉月先輩の手料理『お初』とかですかぁ?」
「喜んでくれてありがと。でも『お初』は美樹ちゃんじゃないから」
笑いながら二人で「いただきます」をして私は箸を持ちながら話を続けた。
「昨日職場に連れていってたちっちゃな男の子いたでしょ?」
「あ、はい……」
「はい」の声がだんだん小さくなってるんだけど?余程おさない雨月に拒絶されたのが効いたみたい。
「雨月にごはん食べさせてるからね!美樹ちゃん、そんなに落ち込まなくていいから食べて食べてー。『うーちゃん』呼ばわりするの、あんなに嫌がるなんて私も知らなかったことなんだし……ね!早く食べないと……冷めちゃうから」
「そ、そうなんですかぁー?葉月先輩も知らなかったんですね!私、雨月ちゃんの『地雷』知らないで踏んじゃったんですね……あ、美味しい!」
話しながらお味噌汁をひとくち、口につけた美樹ちゃん。
私も味噌汁をひとくち飲んで美樹ちゃんに尋ねた。
「美樹ちゃんは朝ちゃんと食べる方?」
「いーえ。ちゃんとじゃないけど食べてますよ。朝食は葉月先輩みたいにお米、しっかり食べてとかじゃなくってパン一枚とコーヒーですし。あ、たまにハムエッグとかサラダも食べちゃいますけど。基本、パン一枚かなー? 私実家から通ってるのでご飯も洗濯も全部親任せなんですよー。楽してますぅ!」
「ゲホッ、ゴホッ……え?実家?あ、あの、美樹ちゃん……もしかして無断外泊になってない?」
ごはんを喉に詰まらせるところだった!
そうだった!そんなこと全然思いもつかなかった。
だって、皆が皆独り暮らしとかしている訳ではなく、実家から会社に通っている社員の方が多い筈なのに……私ったら抜けちゃってる!
「あー、なっちゃってるかもしれませんねー!あ、でも大丈夫ですよ!昨日飲み会の前に母にはラインしたんで。会社の人と一緒にいるっての、わかってるから心配はしてないと思いますよ。朝食食べ終わったらちゃんと母にラインしときますから、御心配なく!あ、朝から筑前煮なんて……きゃぁー!葉月先輩、お嫁に欲しいわぁー」
それを聞いてちょっと安心したけど。最後の言葉は何かしら、もう!
あ、それはないです。
もう、朝から冗談とか……
やっぱり美樹ちゃんのテンション大好きです!
朝食を食べ終えた私たちはそれぞれ自分のすることをし始めた。
美樹ちゃんは着替えたいということだったので近くにコンビニの場所を伝えて美樹ちゃんは早速コンビニへと出掛けて行きました。下着とパンストとか、諸々を買いに行くそうです。
私はそのうちに焼いた鮭の身を大きめにほぐし、大きめな三角おにぎりを三つ作った。
そして、肝心の卵の薄焼きを焼いてます。
お弁当箱はひとつしかないので、それを美樹ちゃん用に。
あとは大きめのタッパーを二つ、渡辺さんと私用。
卵を焼いている間にケチャップライスをそれぞれ装う。
その上に薄焼き卵を乗せちゃうんだからね!
雨月と一緒に食べるオムライス!
オムライスのお弁当なんか見たら雨月吃驚するかな?
喜んでくれるかな?
私の膝の上にちょこんと座るおさない雨月がお弁当を開けるところを想像しちゃったりして、私はワクワクしながら薄焼き卵を焼いてお弁当を作り続けた。
あとで泣くことも知らずに……
私は本当に雨月との再会に浮かれていたのだ。
おかずはこれでいいかな?
なんて思いながらご飯をお椀に装ってお湯のみとお茶セットもお盆に乗せてもう一度リビングへ向かった。
すべての朝食を美樹ちゃんの席の前に並び終えたら、美樹ちゃんが嬉しそうに朝食を見入った。
「葉月先輩の手料理なんて……嬉しいですぅ!もしかして……もしかして私が葉月先輩の手料理『お初』とかですかぁ?」
「喜んでくれてありがと。でも『お初』は美樹ちゃんじゃないから」
笑いながら二人で「いただきます」をして私は箸を持ちながら話を続けた。
「昨日職場に連れていってたちっちゃな男の子いたでしょ?」
「あ、はい……」
「はい」の声がだんだん小さくなってるんだけど?余程おさない雨月に拒絶されたのが効いたみたい。
「雨月にごはん食べさせてるからね!美樹ちゃん、そんなに落ち込まなくていいから食べて食べてー。『うーちゃん』呼ばわりするの、あんなに嫌がるなんて私も知らなかったことなんだし……ね!早く食べないと……冷めちゃうから」
「そ、そうなんですかぁー?葉月先輩も知らなかったんですね!私、雨月ちゃんの『地雷』知らないで踏んじゃったんですね……あ、美味しい!」
話しながらお味噌汁をひとくち、口につけた美樹ちゃん。
私も味噌汁をひとくち飲んで美樹ちゃんに尋ねた。
「美樹ちゃんは朝ちゃんと食べる方?」
「いーえ。ちゃんとじゃないけど食べてますよ。朝食は葉月先輩みたいにお米、しっかり食べてとかじゃなくってパン一枚とコーヒーですし。あ、たまにハムエッグとかサラダも食べちゃいますけど。基本、パン一枚かなー? 私実家から通ってるのでご飯も洗濯も全部親任せなんですよー。楽してますぅ!」
「ゲホッ、ゴホッ……え?実家?あ、あの、美樹ちゃん……もしかして無断外泊になってない?」
ごはんを喉に詰まらせるところだった!
そうだった!そんなこと全然思いもつかなかった。
だって、皆が皆独り暮らしとかしている訳ではなく、実家から会社に通っている社員の方が多い筈なのに……私ったら抜けちゃってる!
「あー、なっちゃってるかもしれませんねー!あ、でも大丈夫ですよ!昨日飲み会の前に母にはラインしたんで。会社の人と一緒にいるっての、わかってるから心配はしてないと思いますよ。朝食食べ終わったらちゃんと母にラインしときますから、御心配なく!あ、朝から筑前煮なんて……きゃぁー!葉月先輩、お嫁に欲しいわぁー」
それを聞いてちょっと安心したけど。最後の言葉は何かしら、もう!
あ、それはないです。
もう、朝から冗談とか……
やっぱり美樹ちゃんのテンション大好きです!
朝食を食べ終えた私たちはそれぞれ自分のすることをし始めた。
美樹ちゃんは着替えたいということだったので近くにコンビニの場所を伝えて美樹ちゃんは早速コンビニへと出掛けて行きました。下着とパンストとか、諸々を買いに行くそうです。
私はそのうちに焼いた鮭の身を大きめにほぐし、大きめな三角おにぎりを三つ作った。
そして、肝心の卵の薄焼きを焼いてます。
お弁当箱はひとつしかないので、それを美樹ちゃん用に。
あとは大きめのタッパーを二つ、渡辺さんと私用。
卵を焼いている間にケチャップライスをそれぞれ装う。
その上に薄焼き卵を乗せちゃうんだからね!
雨月と一緒に食べるオムライス!
オムライスのお弁当なんか見たら雨月吃驚するかな?
喜んでくれるかな?
私の膝の上にちょこんと座るおさない雨月がお弁当を開けるところを想像しちゃったりして、私はワクワクしながら薄焼き卵を焼いてお弁当を作り続けた。
あとで泣くことも知らずに……
私は本当に雨月との再会に浮かれていたのだ。
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