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仕事が手につかない!

204 朝からはりきってます!

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 美樹ちゃんの寝ている寝室にそーっと入った。

「美樹ちゃん、美樹ちゃん……」

 私は小さく揺すって美樹ちゃんをそっと起こそうとした。
 このままの状態で寝かせちゃうのって……せめて着替えてもらいたいんだけど。

「あ……おごりって……おいひい……もう……いっぱ……い……」

 あ、駄目だ。完全に起きそうにない。

 淡いグレーのスーツを着たまま美樹ちゃんを寝かしてもらったので、さすがに上着だけでも脱がそうと思った。寝苦しいだろうし、スーツ、シワになっちゃうもん。
 スカートは……さすがに同性でもちょっと抵抗があるので上着だけにした。



 リビングへ戻るとまだケージを眺めていた渡辺さん。

 執着心……ありすぎなのでは?

 時計はもう一時半を回っるところだった。

「渡辺さんは、今夜どうするんですか?」

「会社に歩いて戻るよ」

「え?」

 最悪……渡辺さんをリビングで寝ることになって、私は寝室のベットの下かな?なんて……思ったりもしていたのでちょっと拍子抜けてしまった。

「道はわかるし、距離的にはタクシー呼ぶほどじゃないし……ふぁぁああ」

 大きな欠伸をしながらよいしょって立ち上がった。ちょっと眠そうだけど、泊まらないのは私にとってはありがたいんだけど。

「大丈夫ですか?」

「こう見えても丈夫な方だし?会社に置いてある車で寝るさ。あ、そうだ。始業時間間際に起こしに来てくんない?この分だと起きられるとはさすがに思わねーし」

「わっかりました!それくらいなら任せてください!」

「あー。星野、頼んだ……じゃーな」

 玄関から消えていく渡辺さんの後ろ姿を見送りながら自分もそろそろ寝なきゃ……目をショボショボさせて大きく欠伸をしながらスーツを脱いで服も脱いで滅多に着ないパジャマをタンスから出して着替えたのでした。





 そのころ渡辺さんは……

 マンションから出て空を見上げゆっくり視線を星野が住んでいる電気がついている部屋を見つめていた。

「ま、俺なんか男として見てないと思ったけど……」

 ため息をついてポツリと呟く。

「お呼びじゃないってか……。はぁ……」

 とぼとぼ歩いて会社へ戻っていきました。

 あんなことを呟いているとは……もちろん誰も知らないことでした。





  アラームで目が覚めるけど、やっぱり眠い!
 いつもより遅く寝たし、いつもより一時間早く起きてるから。

 パジャマ姿のまま台所に向かってお米を研ぐ。いつもは三合だけど今日は六合にした。
 給水させている間に顔を洗って歯を磨いて……髪を頭のてっぺんに結った。よーし、頑張るぞ!

 私はご飯をセットして鮭を四切れグリルで焼き始めた。

 冷凍庫にあったオムライス用の具材をレンジで温め直し、卵を六個、冷蔵庫から出しておいた。

 簡単にお味噌汁も用意して……。

 朝食はご飯とネギとワカメのお味噌汁と焼き鮭。作りおきの筑前煮を小鉢に二つ用意した。

 オムライスは……チキンライスじゃなくもちろん合挽き肉でのトマトケチャップ味。それをお弁当に入れて薄焼き卵を上に乗せて……という、お弁当の予定です!

 それはもちろんお昼用のお弁当で……焼き鮭の二切れは大きくほぐしておにぎりにします。三個ぐらいかな?

 たぶん……朝御飯食べる時間ないだろうなーって

 ということで!

 おにぎりは渡辺さんの分だったりします。

 お弁当も三人分!

 美樹ちゃんが飲みすぎちゃってたけど、私のための飲み会だったもん。

 これはちょっとした渡辺さんと美樹ちゃんへのお礼です!



 ……そろそろ、美樹ちゃんを起こさなきゃー!いけません。
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