229 / 280
記憶の中へ……
192 誰の記憶だ?
しおりを挟む
『彼は断頭台で処刑された……』
(この声は……誰だ?)
今目の前で起こっているのは火炙りになっても死なない銀髪魔法師の姿だ。
画面が切り替わる。
断頭台だ。
処刑の準備が出来ていた……
『彼は……嵌められた』
上級魔法師が合図をする。
執行人の魔法師がギロチンを指し示す。
(何をするつもりなのだ?)
速い速度でギロチンが首を狙うーーー
(や、やめろーーー!)
『彼は断頭台で首を跳ねられた瞬間……消えた』
(な……なんだと?)
『彼が何処に消えるのか慌てた上級魔法師は……彼の時間を戻させ……醜い獣……忌まわしい黒いちっちゃな獣に変えてしまった……』
(お前は誰だ?……誰の記憶なのだ?)
『僕は……彼が元の姿に戻れるように……魔法をかけた……』
(どうして……そんなこと?)
『上級魔法師に見つからないように……僕が出来る限りの魔法で……』
(そんなことを……してくれたのか?)
『僕の魔法では……力不足だった……』
(君がそうしてくれたから……彼は命を長らえたかもしれない……)
『愛する人からの愛情が増せば増すほど……本来のからだに戻る……そうなってしまった……』
(君の英断に感謝する……きっと彼は……救われるだろう……)
『上級魔法師に……気付かれてしまっていたんだ!……僕には……どうすることも……ごめんな……』
(話を!話を聞かせてくれ!肝心な話が、まだ聞けてない!君は誰なんだ?)
声が聞こえなくなった瞬間ーーー!
彼の首は跳ねられ……転がり落ちる瞬間にからだと共に青い光に飲み込まれ……銀髪の魔法師はーーー忽然と消えた。
(この声は……誰だ?)
今目の前で起こっているのは火炙りになっても死なない銀髪魔法師の姿だ。
画面が切り替わる。
断頭台だ。
処刑の準備が出来ていた……
『彼は……嵌められた』
上級魔法師が合図をする。
執行人の魔法師がギロチンを指し示す。
(何をするつもりなのだ?)
速い速度でギロチンが首を狙うーーー
(や、やめろーーー!)
『彼は断頭台で首を跳ねられた瞬間……消えた』
(な……なんだと?)
『彼が何処に消えるのか慌てた上級魔法師は……彼の時間を戻させ……醜い獣……忌まわしい黒いちっちゃな獣に変えてしまった……』
(お前は誰だ?……誰の記憶なのだ?)
『僕は……彼が元の姿に戻れるように……魔法をかけた……』
(どうして……そんなこと?)
『上級魔法師に見つからないように……僕が出来る限りの魔法で……』
(そんなことを……してくれたのか?)
『僕の魔法では……力不足だった……』
(君がそうしてくれたから……彼は命を長らえたかもしれない……)
『愛する人からの愛情が増せば増すほど……本来のからだに戻る……そうなってしまった……』
(君の英断に感謝する……きっと彼は……救われるだろう……)
『上級魔法師に……気付かれてしまっていたんだ!……僕には……どうすることも……ごめんな……』
(話を!話を聞かせてくれ!肝心な話が、まだ聞けてない!君は誰なんだ?)
声が聞こえなくなった瞬間ーーー!
彼の首は跳ねられ……転がり落ちる瞬間にからだと共に青い光に飲み込まれ……銀髪の魔法師はーーー忽然と消えた。
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
王妃から夜伽を命じられたメイドのささやかな復讐
当麻月菜
恋愛
没落した貴族令嬢という過去を隠して、ロッタは王宮でメイドとして日々業務に勤しむ毎日。
でもある日、子宝に恵まれない王妃のマルガリータから国王との夜伽を命じられてしまう。
その理由は、ロッタとマルガリータの髪と目の色が同じという至極単純なもの。
ただし、夜伽を務めてもらうが側室として召し上げることは無い。所謂、使い捨ての世継ぎ製造機になれと言われたのだ。
馬鹿馬鹿しい話であるが、これは王命─── 断れば即、極刑。逃げても、極刑。
途方に暮れたロッタだけれど、そこに友人のアサギが現れて、この危機を切り抜けるとんでもない策を教えてくれるのだが……。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
女体化してしまった俺と親友の恋
無名
恋愛
斉藤玲(さいとうれい)は、ある日トイレで用を足していたら、大量の血尿を出して気絶した。すぐに病院に運ばれたところ、最近はやりの病「TS病」だと判明した。玲は、徐々に女化していくことになり、これからの人生をどう生きるか模索し始めた。そんな中、玲の親友、宮藤武尊(くどうたける)は女になっていく玲を意識し始め!?
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる