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なーちゃって何者?
173 ☆なーちゃ
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その頃第三会議室では……
スリスリスリスリ……
スリスリスリスリ……
おさない雨月は夏川上司にむやみやたらとくっついている。
まるでなにかを確認しているかのよう。
おさない雨月は見上げて夏川上司の顔を心配そうにしながら聞いた。
「なーちゃ、なーちゃは、みーかーたー?」
「雨月君の味方だよ。そして、星野君の味方でもあるよ」
「なーちゃは……はーちゃ、とっちゃう?」
「とらないよ。大好きだけどね」
「や!や!やなの!」
おさない雨月は必死に嫌だと訴える。
「雨月君は、好きの意味がまだわからないんだね」
「いみぃ?」
頭をコテンとして何を言っているのかわかんないという仕草をした。
「好きにもいろんな意味があるんだよ。教えてあげるから、ゆっくり理解……そうだね、わかっていくといいよ。焦らなくても、誰も星野君をとらないから。もしそんなことがあったとしても、全力で……雨月君がいっぱいいっぱい頑張って取り返したらいいんだよ。奪われたら奪い返す。相手の気持ちを無視しちゃ駄目だけどね」
ゆっくりゆっくり諭すように話をするなーちゃに真剣な顔をして頑張ってわかろうとするおさない雨月。
「……よくわかんにゃい。ぼくにもわかりゅ?」
「うん、私と一緒にいろんなお勉強をしよう。時間がある限り私が雨月君のサポートをするからね」
「ちゃぽーと、って?」
「支えるって事だよ。雨月君の味方だって事。わかるかい?」
「うん、わかりゅ!」
「では、好きの意味からひとつずつはじめようか……」
おさない雨月は不思議そうな顔をしてなーちゃに気になる何かを聞いてみた。
「ね、なーちゃって……なにもの?」
「気になるのかな?」
まったく同じ表情でその言葉に聞き返すなーちゃに、自分の気持ちを素直に伝えようとした。
「うん。ぼくね、わかんにゃいの。んーとねー、なーちゃって……なちゅかちぃにおいちゅるの……。ぴたって……ぢゅっといたいっておもっちゃう、なーちゃちゅきっておもっちゃうの……どおちて?わかんにゃい……」
おさない雨月はそういって顔をなーちゃにピタってくっついてまたスリスリし始めた。何度も何かを確認するかのように。
「小さい王子さま。無理に考えなくてもいいよ。脳が覚えていることもあるという事なのだろうか……。雨月君。君はゆっくりいろんな事を覚えて、本当の好きな人を守れる知識を身に付けなさい……。私が出来うる限り、雨月君に尽くしますからね」
「なーちゃ……?」
おさない雨月はなーちゃを見上げる。
どうしてそんな言葉を自分にくれるの?
そんな気持ちがそうさせたようで。
「失礼、今のは忘れてくれていいから。そうだ。そろそろお腹すいたかな?一緒に社員食堂ヘ行こうか!そこにいる社員たちを驚かしてみようね!雨月君」
「なーちゃ、たのちちょう!」
「そうだよ。楽しまなきゃ!仕事も人生も何もかもね!君もそうなれるといいね!」
「はいなのぉ!」
さっきの気持ちは気のせいだったかのように、おさない雨月ははしゃぎながら、なーちゃに抱きついた。
「懐かしいか……。まいったな……」
夏川はおさない雨月に気づかれないように少し困った顔をした。
スリスリスリスリ……
スリスリスリスリ……
おさない雨月は夏川上司にむやみやたらとくっついている。
まるでなにかを確認しているかのよう。
おさない雨月は見上げて夏川上司の顔を心配そうにしながら聞いた。
「なーちゃ、なーちゃは、みーかーたー?」
「雨月君の味方だよ。そして、星野君の味方でもあるよ」
「なーちゃは……はーちゃ、とっちゃう?」
「とらないよ。大好きだけどね」
「や!や!やなの!」
おさない雨月は必死に嫌だと訴える。
「雨月君は、好きの意味がまだわからないんだね」
「いみぃ?」
頭をコテンとして何を言っているのかわかんないという仕草をした。
「好きにもいろんな意味があるんだよ。教えてあげるから、ゆっくり理解……そうだね、わかっていくといいよ。焦らなくても、誰も星野君をとらないから。もしそんなことがあったとしても、全力で……雨月君がいっぱいいっぱい頑張って取り返したらいいんだよ。奪われたら奪い返す。相手の気持ちを無視しちゃ駄目だけどね」
ゆっくりゆっくり諭すように話をするなーちゃに真剣な顔をして頑張ってわかろうとするおさない雨月。
「……よくわかんにゃい。ぼくにもわかりゅ?」
「うん、私と一緒にいろんなお勉強をしよう。時間がある限り私が雨月君のサポートをするからね」
「ちゃぽーと、って?」
「支えるって事だよ。雨月君の味方だって事。わかるかい?」
「うん、わかりゅ!」
「では、好きの意味からひとつずつはじめようか……」
おさない雨月は不思議そうな顔をしてなーちゃに気になる何かを聞いてみた。
「ね、なーちゃって……なにもの?」
「気になるのかな?」
まったく同じ表情でその言葉に聞き返すなーちゃに、自分の気持ちを素直に伝えようとした。
「うん。ぼくね、わかんにゃいの。んーとねー、なーちゃって……なちゅかちぃにおいちゅるの……。ぴたって……ぢゅっといたいっておもっちゃう、なーちゃちゅきっておもっちゃうの……どおちて?わかんにゃい……」
おさない雨月はそういって顔をなーちゃにピタってくっついてまたスリスリし始めた。何度も何かを確認するかのように。
「小さい王子さま。無理に考えなくてもいいよ。脳が覚えていることもあるという事なのだろうか……。雨月君。君はゆっくりいろんな事を覚えて、本当の好きな人を守れる知識を身に付けなさい……。私が出来うる限り、雨月君に尽くしますからね」
「なーちゃ……?」
おさない雨月はなーちゃを見上げる。
どうしてそんな言葉を自分にくれるの?
そんな気持ちがそうさせたようで。
「失礼、今のは忘れてくれていいから。そうだ。そろそろお腹すいたかな?一緒に社員食堂ヘ行こうか!そこにいる社員たちを驚かしてみようね!雨月君」
「なーちゃ、たのちちょう!」
「そうだよ。楽しまなきゃ!仕事も人生も何もかもね!君もそうなれるといいね!」
「はいなのぉ!」
さっきの気持ちは気のせいだったかのように、おさない雨月ははしゃぎながら、なーちゃに抱きついた。
「懐かしいか……。まいったな……」
夏川はおさない雨月に気づかれないように少し困った顔をした。
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