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男の子?の雨月はイチャイチャしたがる

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 陽愛さんが私とおさない雨月の方へ来て中腰になって雨月の方を見て優しく話しかけた。

「雨月ちゃん、おしりが丸見えだからせめてパンツははこうね!おしりとかおちんちんは人に見せちゃダメなんだよ」

「ん……?」

 おさない雨月が陽愛さんの方に顔を向けて首を傾けた。
 これは『なにかな?』っていう子猫の雨月がよくしていたポーズである。

 どうやらおさない雨月は陽愛さんの言葉が気になったようだ。

 おさない雨月は陽愛さんの顔をたくさん見てから私の方に顔を向けた。

「おちり?……どこ?おちんちん……なに?」

 ……あ。

『おしり』自体がわかってないのね……。
 もしかして私が雨月の『おちんちん』も教えなきゃいけないの?
 ……ハードル高すぎるんですけど?

 そこはちょっと……スルーしちゃおっかな?
 現実逃避!現実逃避!

 喋れるようになったから何でも理解している訳ではないのよね……。
 あ。あれ?
 服は理解できたのに……どうして『おしり』の場所がわからないのかな?

 だって……『おしり』だよ?
 朝、私のおしりに顔を埋めていた張本人がどうしてわかんないのよ!

 ……もしかして、わざとじゃないよね?

 おさない雨月が計算して言ったりする訳ないかぁ。
 とんだ誤解をするところだったわ。ごめんね、雨月……。
 私は心の中で小さく謝罪。

 クスクスクス

 陽愛さんのちょっと堪えている笑い声が聞こえてくる。

 私は気づいていなかった。
 おさない雨月のおしりが丸出しになっていたことにーーー!

「星野、捲れている雨月君のTシャツを何とかしなさい」

 おさない雨月は首を傾けて「なに?」って表情。
 そして、左手に何かを持って上下にバタバタさせている。

 雨月のその手にはTシャツの裾が……
 ちょ、ちょっと待って!
 それを引っ張って私に抱きついていたの?

 私はおさない雨月に着せていたTシャツごと雨月を抱き抱えていなかったらしく、Tシャツの裾は無防備だった。

 その裾を上の方に向かって引っ張っていたら……と想像する。

 まさか……見えちゃってるの?
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