私が拾ったのは子猫なんですけど！そして私は男じゃない！

僕は夢に囚われる

★３

　僕の体は少し透明がかってしまった。
　光が僕の中に入ったせいなのだろうか？

　僕は宛もなく歩いてみることにした。
　そのうちなにかがわかるのでは？という期待を込めて。

　歩いているうちに人が多い場所に出合った。
　布一枚に身をくるめた人々。布はすべて白だった。
　それを腰に縛っただけのシンプルな出で立ち。

　髪の色は様々で赤や黄色、緑や青などはっきりとした色合い。
　服装がシンプルかつ白なのがまた髪の色を際立たせていた。

　人々は僕を見るなり叫び始めた。

「ぎ、銀髪の魔法師だ！も、もしかして断頭台の銀髪の魔法師なのか？」
「闇から舞い戻ってきたぞ！」
「死んだ筈の罪人の魔法師が、戻ってきた！上級魔法師にし、知らせなきゃ！」
「体が消えかかってる！これはきっと魔法師の呪いだ！触れられると俺たちも死ぬぞ！」
「に、逃げろ！」

　口々から出てくる言葉は僕の事を言っているの？

　何も知らない僕は逃げ惑う人々を見て混乱した。