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子猫の雨月と男の子の雨月2

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 作ったごはんはじゃこと玉子のおじや。
 作りおきしておいた筑前煮を小鉢に入れ、二つローテーブルの方へ置いた。

 子猫の雨月が美味しそうに食べてくれた、じゃこと玉子のおじや。
 雨月のざらざらした舌が私のお手々に乗せたおじやをペロペロ舐めながら食べてくれたんだよね?

 傍らで子猫の雨月を眺めながら晩御飯を食べる。
 起きてくれたらいいな、なんて叶わないことを思いつつ。
 ひとり寂しく食べるごはん。
 味はちゃんと舌が拾って美味しく感じるんだけど美味しいと思えない。
 気持ちの問題だって……わかってる。

 たった数日間だけど、一緒にご飯を食べていたんだもん。
 子猫の雨月と男の子の雨月。
 一緒に食べててそれがこの上なく幸せで……。
 ひとりで食べるのが、こんなにも味気なくなるとは思わなかった。
 私は淡々と食事を全部食べた。
 全部食べる気分にはなれなくても、毎日お仕事に通う社会人だもん。
 頼れる人は誰もいない。
 一人で生きていくんだから、食事も睡眠も疎かにしてはいけないってわかってるから。
 その一心だけで食べることができたの。

 一人で暮らしていた筈なのに、何をしていたのか手持ち無沙汰になってしまっている。
 仕事から帰ってきたらお風呂に入ってご飯を食べてまったりしながら読書またはTVを見てたり。
 毎日同じ日常を繰り返していた。
 週に一度は美樹ちゃんや会社の同僚と帰りにお茶をしたり飲みに行ったりはしてるけど。
 それ以外は至って変わることのない日常だった。
 それがあたりまえで、別にそのことに不満もない日々を送っていた筈なのに……!

 子猫の雨月を抱き抱えて寝室へ。
 ちょっと早いけど布団に入ることにした。

 胸の上に子猫の雨月を乗せて撫でながら話しかけた。

「生きてるんだよね?眠ってるだけだよね?待ってたら……待ってたら、また私に笑いかけてくれるかな?……大好きだよ、大好きだよ……雨月……!目が覚めるのを、待ってるからね!いつまでも……いつまでも……待ってるから……」

 私はそのうち眠りに落ちた。

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