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子猫の雨月と男の子の雨月

91 起きない…

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 朝、目が覚めたら……いつも私の身体にある包まれた温もりがなかった。
 布団を捲るとスヤスヤ眠っている子猫の雨月がいた。
 どうみても昨日のままみたい。

「雨月ー朝だよ。起きよっか……」

 スースースースー

 寝息しか聞こえない。
 朝は男の子の雨月しか見ていないから、子猫の雨月のままって新鮮!
 子猫の雨月の顔はどうみても幸せそうで、気になったけど病気で寝込んでいるようではないみたい。

 で、でも……寝過ぎ?
 子猫はたくさん寝るっていうから……こんなものなのかな?

 じゃあ、起こすのをやめよう……。

 私は顔を洗って朝食を作ることにした。

 朝食を作りながらも私は夢の内容が気になっていた。

 夢だけど見知らぬ少年、全く同じ少年が二回も出てくるものなの?
 どこをどう考えても現実で出合ったこともないから接触したこともあり得ない。
 なのに少年の顔は知っているみたいにリアル。
 言葉の口調は男の子の雨月に感じるけど、声のトーンも話す言葉の数も違う。
 男の子の雨月が少年になったら?
 みたいなこともあるのかな?って想像してみたけど男の子の雨月の面影がまったくない。
 だから夢の中の少年イコール雨月……というのはあり得ない。

 私はこの夢がどういう意味を持っているのか、どれほど想像してもわからないでいた。

 いつもとは違う朝ごはんを作ってみたのは、もしかしたらこの匂いで子猫の雨月が起きるかも……なんて勝手な想像をしかからだった。

 玉子とじゃこのおじや。

 たべたい!とスリスリすり寄ってきたのを思い出しながら作った朝ごはん。

「起きないのね……」

 残念に思いながらひとりで食べる朝食は味気ない。
 寝室に覗きに行っても同じ形のままで子猫の雨月はまだ夢の中だった。


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