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子猫の雨月と男の子の雨月
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肉球を触るのは気持ちいい!
知ってたけどこれほどとは思わなかったわ!
顔が緩みそうなのを我慢しながら私は子猫の雨月に優しく話し始めた。
「雨月、見てくれる?」
雨月の前足を雨月の目線に見せるようにする。
肉球の上にある爪を親指で触りながら爪をはっきり意識させる。
子猫の雨月はわかろうと思ってるみたいでジッと聞いてくれている。
「これは『爪』といって雨月にとっては大切なものなの。だけどね……」
私は反対側の手の甲を雨月の前足に持っていき、軽く雨月の爪で自分の手の甲を引っ掻いた。
「痛っ!」
「ギャァアア!」
私の声に驚いたみたいで、雨月が叫ぶ。
私は少しだけ傷つけた自分の手の甲を子猫の雨月にわかるように見せた。
「だ、大丈夫だからね!雨月見て。爪で引っ掻くと『おねーさん』は痛くなるの。怪我しちゃうの。だから雨月の爪は凶器にもなっちゃうの……」
雨月が私の方にそっとよって来て、私が引っ掻いた傷を雨月がチロチロ舐め始めた。
「ニャァアア……」
悲しそうな声で泣く雨月……。
こんな思い、させたくはないのに……。
私ってばかだよね?
他に方法が思いつかなかったの?
「服もね……怪我しちゃうの。だから爪は立てて欲しくないんだ。出来るだけでいいから……」
ちっちゃな舌が何度も傷を舐めている。
そして……私の顔を見て目に涙を溜めている。
子猫なのに……。
雨月を傷つけてしまったのかもしれない……。
そう思うと辛くなる。
でも、私はこういう方法でしか伝えられなかったんだ。
ゴメンね……雨月。
知ってたけどこれほどとは思わなかったわ!
顔が緩みそうなのを我慢しながら私は子猫の雨月に優しく話し始めた。
「雨月、見てくれる?」
雨月の前足を雨月の目線に見せるようにする。
肉球の上にある爪を親指で触りながら爪をはっきり意識させる。
子猫の雨月はわかろうと思ってるみたいでジッと聞いてくれている。
「これは『爪』といって雨月にとっては大切なものなの。だけどね……」
私は反対側の手の甲を雨月の前足に持っていき、軽く雨月の爪で自分の手の甲を引っ掻いた。
「痛っ!」
「ギャァアア!」
私の声に驚いたみたいで、雨月が叫ぶ。
私は少しだけ傷つけた自分の手の甲を子猫の雨月にわかるように見せた。
「だ、大丈夫だからね!雨月見て。爪で引っ掻くと『おねーさん』は痛くなるの。怪我しちゃうの。だから雨月の爪は凶器にもなっちゃうの……」
雨月が私の方にそっとよって来て、私が引っ掻いた傷を雨月がチロチロ舐め始めた。
「ニャァアア……」
悲しそうな声で泣く雨月……。
こんな思い、させたくはないのに……。
私ってばかだよね?
他に方法が思いつかなかったの?
「服もね……怪我しちゃうの。だから爪は立てて欲しくないんだ。出来るだけでいいから……」
ちっちゃな舌が何度も傷を舐めている。
そして……私の顔を見て目に涙を溜めている。
子猫なのに……。
雨月を傷つけてしまったのかもしれない……。
そう思うと辛くなる。
でも、私はこういう方法でしか伝えられなかったんだ。
ゴメンね……雨月。
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